『まんがホーム』2022年9月号、昨日の続きです。
『天国のススメ』
妹、杏に助けを求められた桜沢。杏の友達、ゆみちゃんにも泣きつかれて困ったところに我らが太一があらわれた。すごいな、太一。町の有名人、一目も二目も置かれている。太一、まさしく安心と信頼のブランドです。
杏とゆみちゃんの困りごと。学校でお化けが見えるっていうんですね。すごく見えちゃう。って、どれくらい!? ああ、一瞬、人の姿が見えちゃう。この時の太一周辺の反応、めちゃくちゃ面白かったな。だってな、太一だもんな、すごく見えちゃうどころじゃなく見えちゃう。そんな太一が乗り出してくれた学校の怪異。鏡から出てきた手が服を引っぱる。って、これガチで怖いやつでは? 引き込みこそはしないけれど、そりゃこれは怖いでしょうよ。ましてや小学生。大人でも怖いよ!
この怪異について、推理めぐらせる太一。結構どころじゃなく鋭いな。卒業生の桜沢が知らないってことは、最近うまれた怪談だって判断して、そして服を掴みはするものの引き込まないその理由についても、くだんの手にしっかり掴まれながら、沈着冷静に解説、しかもその後、すんなり解決しちゃうんだもんなあ!
学校への立ち入りを許可してくれた先生も、太一のこうして見事に問題解決してくれたこと、きっと喜んでくださっていることでしょう。そして怪異と思われていたイタズラ子狸も、しっかりおしおきされて反省して、それでお母さん狸のもとに帰れてと、皆がそれぞれ安心できる結果に終わった今回。ええ、やっぱり太一は安心と信頼のブランドでありましたよ。
『歌詠みもみじ』
海外には飽きたというまりな。ディスカバージャパン、日本の田舎再発見。というわけで、もみじの帰省にくっついていくっていうんですね。
そしたらのっけから田舎の洗礼を受けて、今のバス乗り遅れたら次は3時間後! あの驚いてるまりな、ちょっと可愛かった。お婆ちゃんの家に連絡いれたら、もみじの従姉妹、琴音が車を出してくれて一安心。この車っていうのが軽トラなのね。いや、すごくいいな、めっちゃいい。
それでさっそく荷台に乗り込んだまりな。ああ、きっとこれやるだろうな、そう思ったとおりにやってくれて、しかも道交法違反だからとおろされるの、いやもう望んだ展開そのものでしたよ。あれ、ほんとは駄目なんだよねー、と思ったところに、そう、それそれってのがきてくれる。打てば響く、まさしくそんな感触ありました。
もみじの祖母の家でのこと。まりなの想像する田舎とリアル田舎の違いが面白く、お風呂の薪割りを体験したいというまりなに対し、さすがにお風呂はガスだよ。電話も黒電話ではなくて、というか普通に琴音ちゃんスマホ使ってたでしょ! ええ、田舎といっても普通の現代的な暮らしが営まれています。
でも、近所のコンビニが車で40分。その感覚の違いよ! さらに琴音のPCはガチのゲーミング仕様とか、思わぬところに感じられる都会との違いや、あるいは都会よりよほどリソースつぎ込まれてる趣味とか見えて、田舎大変だなあと思ったり、田舎も案外悪くないのかもなと思ったり、みたいなところ、すごく興味深く読みました。
夜、縁側で語らうもみじとまりな。この情景もとてもよかった。カエルの声がうるさいな、そう思いながら読んでたら、やっぱりまりなも思ってたんだね! ええ、打てば響く、そんな展開でしたよ。
『うちの秘書さま』
おお、思い出のぼっちゃんですよ。夏休みの宿題をきっかけに思い出されるはじめの幼少期。夏休み初日に絵日記を全部終わらせた! って、嘘にっきじゃなくて願望にっきだ! ある意味素直なのかな? こうしたいああしたい、なにを食べたいあれを食べたい、そんな気持ちがしこたま盛り込まれているわけですね。
幼ない日のはじめ。こうして見ると可愛らしいというか、美少年よね? それにどことなく利発に見える。いや、やってること無茶だったりはするんだけど、算数とか完全に回答拒否しちゃってるし、でもセミをとろうと炎天下の庭をかけまわる元気さよ。今のはじめには見られない積極性では!? と思ったら、原動力はお金なのね! いやもう、こうしたところ知ると、今と違わない感じがしますよね。
今回の話、嬉々としてセミとりをしていたはじめがトラウマを植え付けられることになったエピソードなのか。虫嫌いになってしまった原因がしれっと語られて、ええ!? そういう話でしたっけ!? でも、当の原因を作ったメイドさんがその因果にまるで気づかず、あたかも美しい思い出のように語ってるの、めちゃくちゃ面白かった。
そして今のはじめ。ええ、なんだか安心感ある姿でしたね。だらけてますよね。気持ち、わかります。
- 『まんがホーム』第36巻第9号(2022年9月号)
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