『まんがタイムきららフォワード』2022年10月号、先日の続きです。
『先輩、ちょっといいですか?』
ついに決着しましたね。意識するあまり先輩から逃げ続けている不知火零。それがあまりにショックであるわけだけれど、その苦境にふたりの後輩、東雲と夕霧が力を貸してくれた。
自身ショックを受けながらも、その理由に無自覚的だった先輩に自問をうながし、かつさらに零に対しアクションを起こすべく奮起させた。ああ、いい後輩たちだと思います。さらには零が逃げられないようにと、スイカ割りをダシにして目隠し装着! 先輩から逃げず向き合える、そんなシチュエーションづくりにも協力してくれたというのです。
ここからの展開は、まさに望まれたものといっていいのだと思います。というか、こうならなくてどうなる? みたいな真っ向展開。恋を自覚する零に先輩、このふたりのこれから知り、教えていくことは、ふたり一緒に切り開き理解していく、そんな未知の冒険の先にあるのでしょうね。
しかし、いつしか零もいろいろ知って、理解して、とりわけ先輩のことなど理解して、理解るっすよ、先輩、私には理解るっす。なんて立場の逆転などあってもいいなあ! などなど思ったりもしてました。いつかそんな未来もくるかも知れない。その時には、ちょっと先輩に優位な立ち位置見せたりして、ああ下剋上、それもぐっときますよね。
『最果てのともだち』
ああ、本当にはらはらさせられる展開。けれど、このぎりぎりの状況を越えることができて、本当にほっとさせられました。
旧校舎にキヨちゃんを訪ねたアサヒ。先生はもうくるべきではない、逃げなさいとアサヒをとめるのだけど、間一髪、キヨに腕を掴まれ、教室に引き込まれてしまうアサヒ。ここからの問答。もうすっかり悪霊となってしまったキヨにはアサヒの言葉は届かないのか? いや、キヨとの約束の押し花のしおり、これがキヨを引き戻すきっかけとなるのではないか。そう思っていただけに、あのしおりをめぐる顛末には驚かされて、いやこれもう駄目なのでは? ここからどう決着に導こうというのだろう。本当に不安にさせられたのでした。
けれど、その不安があったからこそ、キヨのネガティブに沈む思いを前にしてアサヒをかばい、守ってくれた先生とその言葉が胸に迫って、そしてそれからのアサヒのキヨに対し語り掛ける言葉。だんだんといつかの優しかったキヨに戻っていくそのくだりがよかった。自分みたいな悪霊と友達になってくれる人などいない、そう叫ぶキヨへのアサヒの返答。続くやりとりで、ずっとキヨが欲しかった帰る場所、その願いが叶うところなど、ああこの物語がこれまで辿ってきた道筋、それが繋がったんだという思い、感慨でいっぱいになりました。
もうじきしたら終わりを見そうにも思えます。けれどきっと悲しい終わりにはならないだろう。そう思わされるところがあって、ええ、これからも彼女たちの物語、追っていきたいと思います。
- 『まんがタイムきららフォワード』第16巻第10号(2022年10月号)
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