『まんがタイムきららMAX』2021年9月号、昨日の続きです。
『今日の授業は恋愛です!』
今回はコミカルとシリアスをバランスよく塩梅して、楽しく読んで、そして気持ちをぐっと動かされて、いい充実感あるお話だったと思います。
前半がですね、さがりの家に集まって皆で試験勉強するっていうんですが、りっかがやたら舞い上がちゃってるとか、なとせもどっきりしちゃうとか、なかなかなるほどいい感じ。さがりのベッドに飛び込むの、特に意識してないこみねは思いっきりいくのに、下心あるりっかはなかなか踏み切れないとかね、面白み山盛りでした。
さて、ここで気になる写真? さがりの昔の友達の写真。全部捨てたはずなのにというその理由は? 写真を見るかぎり仲良くしていた、その子となにがあったのか、絶交するような事件ないしできごとなどあったのでしょうか。
さて後半はこみねのエピソード。このところ、こみねの周辺が掘り下げられていますよね。この子の気持ちや家族、母に向けた気持ちなどなど。その母が倒れました。試験中に知らされて、どうするべきか迷って一瞬頭の中が真っ白になったこみねの手をとり病院へとともに向かうさがり。
やっぱさがりかっこいいよね。なにがこみねにとって大切か、それを判断するや即座に動く。勢いでやっちゃったっていってるけど、それだけこみねのこと我がことのように思ったんだろうな。その思いの深さゆえに、躊躇なんか吹っ飛んじゃったんだろうなあ。
病院でのこみねにかけるさがりの言葉、これもたいへんによかったです。ずっと自分ひとりでなんとかしないと、そう思って肩肘はってたこみねにとって、どれほど力になったことだろう。しみじみと感じるさがりの情の厚さ。というか、ここまでいってもらったら、そりゃこうなる。ええ今回のできごとは、こみねにとって大きなステップ、ひとつどころでない節目になったみたいですね。
ところでちょっと気になるんですが、今のこみね、さがりのベッドに思いっきり飛び込んでいけるかな? いや、この子は意外と思いっきり飛び込んでいけそうな気もします!
『ななどなどなど』
萌が眼鏡です! 眼鏡です!
普段はかけてない眼鏡にギャップ萌えと好評。こうした状況下で嫉妬を隠さないのが小町ちゃんですね。小町ちゃんにギャップないですか? わりと普段から思ったまんま、どストレートにいったりやったりしがちだからかな。うん、よくいえば裏表がない。裏も表に出しちゃってるのが問題といえば問題のような気もしますけど、こうしたわかりやすいところはこの子の魅力だと思いますよ。だから元気出して小町ちゃん。
思ったまんまどストレートに行動する、そんな小町の今回のチャレンジは、高山萌を困らせる。大失態の現場を見てやろうっていうんだけど、完全に見透かされていて、だよなあ、どうしたって不自然だもの。いつもはやらんようなことやってくる。ん? なんかおかしいぞ? これ、萌じゃなくっても警戒しますよね。でもそのわかりやすさ、チョロさも魅力ですよ、小町ちゃん。だから元気出して。
るるが踏み出しましたね。そうか、るるに対してヤバめの感情抱いてる萌。その内心をがっちり隠してるから、るるからしたら、ちょっと距離があるみたいな感じしてたんだ。その距離を縮めたい。その行動がね、るるにとっても、萌にとっても、すごくいい結果を生み出したでしょう? るるにしたら気を張らない自然体の萌に触れることができた。萌からしたら、るるからぐいっと距離詰めてきてくれた。
おお、Win-Winっていうのはこういうことですかい!? さらにはこの萌の大照れ状態、小町も目撃することができて、おお、さらに勝者が!? とはいうけど、このへんの事情、既知ではあるから、はたして小町にアドバンテージがあったかというと微妙、ではありますね。ええ、今回はるると萌、ふたりの世界。るるの笑顔、達成感がすごく印象的で魅力的でした。
『ぬるめた』
エッチアニメって、えらいサブタイトルがついてますね。夜中にやってるアニメ、その中でもちょっとエッチなのくるみが見てて、でもってそれがちあきにバレちゃった! なんとか隠そうと頑張るんだけど、ああー、ちあきは数枚も上手。でも、見てたアニメをバカにされて黙ってられるくるみさんではありませんでした!
ここからの展開がめちゃくちゃ面白かったです。ストーリーも面白いってくるみ必死に抗弁して、そのまんまふたりで一気見しちゃったんだ! でもって学校でさきなとしゆきに面白かったんだ! って熱く語ってたら、普段しゃべらない男子が、それから女子もやってきて思いもしないアニメトークが広がっていくの!
いやほんと、この展開、めちゃくちゃ面白い。昔の内気でコミュニケーション苦手系のアニメファンだったらこの展開はなかったな。でも今はそんな時代じゃないんだ! とか思ってたら、ちあき、あんたはそのタイプか。と思ったら、さきな、あんたもそのタイプか! いや、だろうなあ、わかるよ、君らはそのタイプだ。
くるみの影響力なのかな、気持ち、思い入れいっぱいにしゃべるから、その話聞いてただけのクラスメイトも興味持っちゃって、ちょっとしたブームになっとるじゃん! こんな時、やっぱサブスク時代はいいよなあ! 興味持ったら自分ちの加入してるサブスクで見られるか確認、見られたらすぐに一気見! 昔なら、誰かビデオに録ってない? って聞いてまわって借りてきてみたいなプロセスが必要だったんだよ!? いやあ、いい時代になりましたわあ。
そして皆がそのアニメを見てる時の反応がちょこっと描かれたの、すごく面白くってですね、受けるものあり飽きるものあり、他にも人それぞれに引っ掛かる箇所違ったり、そもそも引っ掛からなかったりみたいなのね、面白かった。この反応の違いにも個性は現れますね。登場人物もたくさんでわいわいと、それもほんと面白かったです。
- 『まんがタイムきららMAX』第18巻第9号(2021年9月号)
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