2021年7月10日土曜日

『まんがタイムきらら』2021年8月号

 『まんがタイムきらら』2021年8月号、昨日の続きです。

『推しごとびより』

夏ですよ、ということで海です! かくして皆で海に繰り出して、いや繰り出していないな……。海の家にこもってインドア活動するところなど、実にこの子たちらしいと感じます。

海にきたのは遊びではなく合宿です。アイドルとしてのステップアップをはかろうとしている、のですけど、あんまりシビアでないのもまた彼女たちらしさですよね。さらには、ただの水着回では? なんてメタな発言飛び出してるけど、ゆず湯先生や空なら実際にいいそう! そんな感じめっちゃしますよね。その後の空によるアイドルアニメの夏合宿定番展開解説も、なるほどにやりとしてしまう、そんな面白さありました。

この子たちの場合、合宿だというのに遊んでばかり! みたいな展開にはなりにくいのもおかしくて、そもそも海に出ようとしない。遠泳、走り込みするもすぐにバテて、そこでようやく遊ぼうとなるの、腰が重い、基本的に真面目、課題のスタミナ不足がまさにここに露呈、などなど、面白さにそれだけでない情報の乗ってくるところ、とてもよかったです。

今回の海での合宿、心町の姉発案だそうですが、ロゼとの対決で負けたこと、この子たちひきずってたんですね。そうした空気を変えたかった、この子たちの本来のよさを取り戻させたかった、そしてなにより気づかせたかったんだなというのがね、心町の姉の立ち位置、マネージャーであり保護者でもあるというところをよくよく見せてくれました。こうしてちゃんと見守ってくれてるの、安心しますよね。いいお姉さんです。

『ぎんしお少々』

今回は2本立て。1本目は鈴銀姉妹が風呂につかりながら遠隔でおしゃべりしています。たわいのない話から、互いに相手の近しい人、まほろにもゆるのこと、印象とか情報とか、その人となりとかいろいろ話す様子がですね、いろいろ気になるのかな? これもたわいのない話かも知れないけれど、親しくなった人への興味、その姉妹への興味、さらには自分の姉妹へ向ける意識など、いろいろ動く気持ち、思いがうかがえるようで興味深く読みました。

そして前回提示されたフィルムに添えられた謎の数字、それが解決しましたよ! もゆるとまほろ、遠隔通話でコミュニケーション。なんと、その数字、フィルムの使用期限だそうです。西暦二桁と月二桁。でもフィルムってパッケージに乳剤番号とかと一緒に使用期限打たれてなかったっけ? いや、それって外箱だけだった? もう覚えてないわー。

でもってやっぱり、あえて使用期限オーバーさせたりしてるんだ。味のある写真を撮るため、あえて寝かしたりする。そうかあ。なんか輪郭がボヤけるというか、ボワんとした眠い絵になったりするよね。自分の場合はあえて寝かせたんじゃなくて、使わないまま置きっぱになってたの使っただけなんですけど。

などなど、こうしていろいろ工夫? 試行錯誤? して撮ってみるのは楽しいですよね。あの、ねかしばこにフィルムをしまっておく姉の表情がなんか面白くって、ちょっと期待もまじって見えるの、いい味でした。

今回、もゆる、姉との記念写真撮るのにスマートフォンを使っていましたが、便利な写真、楽しみの写真、いろいろ使いわけてるんですね。こうしたシチュエーションや目的で使う機材を違えるのもまた写真の楽しみなんだろうな。なんて思ったりもしましたよ。

そしてセツナについて。姉のこと、一方的に友達と騙っていたわけですが、ああよかった、ちゃんとまほろに覚えてもらっていましたね。そんな姉からのセツナの印象。語る言葉に見守る気持ちの感じられるように思われて、これもよかったなあ。妹もゆると重なったんか。うん、セツナとの関係も今後いろいろ広がっていきそうですね。

『しあわせ鳥見んぐ』

鳥との、自然との関わり方、その距離に悩み迷っていたすずですが、翼との遠征がひとつ答を与えてくれた、ひいては自分がなにをどのように表現していきたいかの方向性を見出すことにも繋がったみたいですね。

伊豆沼で見た見事な雁のねぐら入り。今では伊豆沼のような特別な場所でしか見られない光景だけれども、それこそ昔は日本のあちらこちらで見ることができたという。この、かつては当たり前だったものが今はもうそうではないという現実を出発点にして、今の当たり前に思ってることの中にも当たり前でない特別があるのかも知れないというところまで視野を押し広げていくところ、ここに芸術の目的とするもののひとつがあったなと思わされて、少し興奮したのでした。

異化効果という言葉があるのです。日頃当たり前と思ってるものが、その作品に触れたことで異質なもの、特別なものに変わってしまうような体験みたいに受け取ってもらうといいのですが、とりわけ近代以降の芸術を語る際に重要になってくるキーワード。翼にとっての鳥見とは、まさにその日常を異化していく実践なのかもな。あるいは誰にとっても、なにかを知り、深く関わることは、自分自身もその日常をも変えていく行為そのものであるのだな。そんな当たり前のことを当たり前じゃないと再確認させてくれたのは、まさにすずの言葉のおかげであったなあ、なんて思わされたのでした。

この漫画は第一にバードウォッチング、鳥をメインのテーマにしていますが、そして同時にすずの関わる絵画を通じ、芸術を、あるいは日常や自分の世界を変えていく試みをもテーマにしているのだな。なんてこと考えながら読みました。いいですね、しびれますね、ちょっと感動ですよ。

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