『まんがタイムきららフォワード』2021年9月号、一昨日の続きです。
『スローループ』
寝起きの恋さんがえらいこと可愛くてびっくりしました。
それはそうと、お正月の続きですね。大晦日はフライを巻いて蕎麦を作って、それでいろいろ夜更かししちゃって、見たかった初日の出までに起きられませんでした。
今回はお正月の情景。皆で初詣にいって、揃いのお守り買って、というんですが、この神社、釣りのお守りとかあるんだ! ちょっとハイテンションになってる小春。そして帰る前に海に沈む太陽を皆で見てというのね、ここでのやりとりも大変よかったと思うんですよ。
今回面白かったの、管理釣り堀での釣りの様子ですよ。まるで釣れない。小春が釣れないのはいつものこととしても、ひよりに恋の父もまた釣れなくて、あまりのことに空気まで沈んでいる。そんな中、小春が自分で巻いたフライでもって一匹目を釣り上げましてね、そうしたら恋父もひよりもぐいっと寄ってきて、何色のフライ? えらい食いついてくるってのがほんと面白くって、小春渾身のトリコハル、魚だけじゃなく釣り人まで入れ食いですね! いやあ、ほんと面白かったです。
『球詠』
前回ラストに描かれたヨミのこと。人が変わってしまったかのような鬼気迫る投球に、いったいなにがあったのか。これまでのびのびと楽しみながら野球に向きあっていた、そんな彼女にいったいなにがあったのか。
その理由が判明する今回、もうハラハラしながら読み進めたんですが、ああ、過去のトラウマやなにかに着火したのではない。むしろその逆といえばいいのか、対戦相手校咲桜にいる新越谷出身の生徒。その彼女が口にしたこと、それがあまりに酷い中傷じみたものだったがために、圧倒して勝たねばならない、そんな気持ちになってしまったというのですね。
自分たち、新越谷野球部に向けられる無理解や偏見の目。本当の自分たちではなく、勝手に作り上げられたイメージでもって語られることへの悔しさ。それらが、元新越の彼女の言葉をきっかけに噴出してしまったのでしょうなあ。
初回から飛ばしていくヨミ。その気迫こそは、自分たちの、ともに野球に向きあってきた仲間への思い、譲れない気持ち、そのものであるのでしょう。この投球の様子には心配もあるのだけれど、ほんと優しい子だと思う。ほんと真っ直ぐで、それだけに危うさを抱える、そんな子だと思わされました。
- 『まんがタイムきららフォワード』第15巻第9号(2021年9月号)
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