『まんがホーム』2021年8月号、発売されました。表紙は『らいか・デイズ』らいかがフルーツたっぷりのアイスキャンディ食べてるの、その表情がすごく落ち着いてるというか無表情で、うん、黙々といってますね。ブラウスがレモン柄、帽子、カンカン帽もよく似合ってて、こういうちょっとレトロ感あるモチーフ、この子にはよく似合って、それでいて古くさく感じさせないの、とてもいい感じです。『ちくちく推して』えりかは浴衣でソフトクリーム。ラベンダーかな? 『孔明のヨメ。』孔明、月英夫妻はトロピカルなドリンクを囲んでおります。『ちっちゃい彼女先輩と同棲します。』は、紗和さん、かき氷のシロクマをあーんとされておりますよ。
今月は新作ゲストが1本です。
『オレの愛で世界がヤバい』
いや、ヤバいのはそのオレ、万丈先輩なのでは!? 後輩の女の子、結衣からぐいぐいアプローチ受けるのですが、思いっきり避けてるの。迷惑に思っているのか、あるいはテレ隠しなのか。いずれにしてもその避けている理由がヤバい?
なんとまあ、万丈が好きになった女の子は必ず誰かと結ばれてしまうとな。そこからはじまる昔語り。中学の頃から告白する相手相手が、他の誰かとつきあってる、つきあいはじめたといって断ってくる……。って、これ、単に誰かとつきあってる、その余裕がある人を好きになる、あるいは引く手数多な強豪にチャレンジしてしまってるだけなのでは!? いやもう、ここのくだりだけ見ると、モテない理由探ししてるだけみたいに見えるよ、万丈くん!
ちゃんと説明が続くんですね。実家が縁結びで有名な神社。その影響で、万丈本人にも縁結びの力が宿っていて、万丈が好意を持つとその人の縁が誰かと結ばれる! ほんまか! 友人もまともに聞いとらんぞ。
ともあれ、この説明を影で聞いていた結衣。だとしても万丈先輩一筋とくるのかな? そう思ってたら、違うんか! 先輩の能力目当て、完全に縁結び祈願で万丈にアタックしとったんか。
この胡乱な万丈の身の上と、したたかどころではない女子、結衣の策謀。ほんと、これ、進む先がわかんねえな。いやもうラスト1ページでがらりと印象変わりましたよね。結衣、やりよるなあ。
『孔明のヨメ。』
降伏派優勢である孫権の家臣たち。その会議にて単身説得に奮闘する孔明のその姿は、むしろ余裕たっぷり、落ち着いたもので、相手の言い分を退けたかと思えば、降伏派にとって都合の悪い情報、曹操に降った劉琮のその後を語って聞かせるという念のいれよう。主君孫権の身を慮るものにとっても、ただただ自身の身を案じているものにとっても、望ましくない顛末が披露されて、ああ、これはさすがに勢いも削がれるよなあ。
この展開から孫権を怒らせるまで、本当に徹底しています。孫権相手に、まず劉備や曹操について、さらにはこの天下の情勢について、有り体に情報を提示した上で、孫権次第で降伏することまでも勧めるの。これ、ものすごい挑発だよなあ。ほんと、びっくりした。孫権は降伏してもいいよ、でも我々は義を尽くすため、たとえ敵わぬとも曹操に抗うといっちゃうの、いやもうそりゃ孫権も怒ります。
ここまでいわれたら、仮にも一国の主ですよ? 義も貫けない腰抜けと思われたままでたまるものかってなるじゃないですか。なるほど、孔明、あの手この手ですよね。ここからの展開、もうどうなるか、姫の介入とかもねあって、さらに楽しみです。
『座敷童子あんこ』
夜中にコンビニまで出掛ける幸太とあんこ。見るからに子供だけどその実およそ300歳、あんこのガードはどれほど頼りになるのだろう。と思ったら、ほんと腕っぷしだなこの人。それ、完全に事件になるやつじゃん。
そのあんこの妖怪っぷり、コンビニで惜しげもなく披露されるのがおかしくって、ろくろっ首じゃないんだから! 別に迷惑行為してるわけでもないっちゃあないんだけど、不審というか恐怖というか、立ち読み客たちに恐慌ひきおこしてるのがめちゃくちゃ面白かったです。
しかし今回面白かったの、コンビニのコーヒーですよね。そうか、雪女、サービスの利用方法、わからんかったか。空のカップ渡されて泣いて帰るとか、ほんとなにごとなのか。さらにこの後日談で、期待に胸踊らせた雪女があんことともに泣いて帰ってくるの。もう最高におかしかったです。なにがいいかって、幸太の正論ですよね。うん、わからない時は聞こう。しかしこの雪女さん、ワクワクのとことかね、めちゃくちゃ可愛いな。あんこ、ヒロインの座が揺らいでるぞ。
『恋はリベンジのあとで』
うわあ、泉の元婚約者、めちゃくちゃヤバい人なんだな。浮気で破談した元婚約者に、自分たちの結婚式に出ろという。何度も何度も連絡してくるものだから、しかたないと会ってみることにしたんだけど、その相手ふたり、男も女もまあヤバい。自分たちが不義理働いた、本来なら顔向けできないバツの悪さもあろう立場だのに、そういう素振りもまるでなくって、うわー、これ、この男と結婚せずにすんだのは泉にとってはラッキーだったのでは? というか、割れ鍋に綴じ蓋か知らないけど、この彼女もこんな男と家庭を持つんだよな。地雷とわかってて踏む、ババとわかってて引く、徹頭徹尾自分本位なこの人たちに、今の恋人の状況から夫、妻、さらには父や母に変わってゆく生活、維持できるんだろうか。
ほんと、このヤバさ、ひしひしと恐怖感じさせるものでありました。
でも諦めわるいこのふたり、とりあえず男の方、撤退を決めてくれて、ああ、よかったじゃん。近くの客が進言してくれた? あるいはあえて聞こえるように独り言? 民事で出られたら負けるっていうの、この男にとってもさすがに避けたかったんだろうなあ。
その助けてくれた男が石田。おお、今回ばかりは石田が頼もしい。ほんと、石田、すごくいいやつ。泉にとってのひとつの区切り。なんかほっとする顛末でした。
- 『まんがホーム』第35巻第8号(2021年8月号)
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