『まんがタイムきららMAX』2021年4月号、昨日の続きです。
『ぬるめた』
2月のイベントです。というわけで、くるみ、ハイテンションで14日にバレンタインと節分を一度にやっちゃおうというの。いきなり鬼の面から入るのがおかしくて、というか結構いかつい顔よね、この鬼。ちんまりしたくるみと面の表情がミスマッチで、見るからにおかしいのがずるいと思いました。
クラスの皆にチョコレートを配っていくくるみの様子見れば、なんだかんだでこの子がクラスに受け入れられてるどころか、結構愛されてるっぽいの感じられて実にいい感じ。そしてお昼ご飯は恵方巻きでっていうんですが、食べてる間しゃべっちゃダメといわれて、くるみとしゆきがやたら緊張してるのな。4人の中ではこのふたりがビビりなんですな。
これでイベントやりきったかと思ったら、まさかのしゆきの誕生日、11日でもう過ぎてると判明してからのくるみの様子が、よっぽどショックだった!? そんなにお祝いしたかった!? まっしろになっちゃって、さらには泣いちゃって、もうこんだけ思ってくれてるだけで充分ですよね! しゆきの嬉しそうな様、これが素晴しかった。そしてまさかのくるみ加湿器モードでお祝いですよ。あの嬉しそうなしゆきのテンション。ハイテンションふたりだよ! いやもう、この楽しそうなの、見てるだけで笑みがあふれます。
『今日の授業は恋愛です!』
さがりに心を開いていなかった? これまでどこかかたくなさ見せていたなとせでしたが、そうか、5人カップルとかやめろと両親からいわれてたんだ。母親が学園の理事長、父親は恋愛推進委員会の会長。いわば今のこの風潮を主導するお家というんですが、その家の息女が恋愛おちこぼれはちとまずいのではなくって、なとせさん。きっとずっと気に病んでいたんだろうなあ。だからこそ、さがりの存在はひとつの希望だったりしたのかもなあ。両親の期待に応えたい。プレッシャーではあれど、無理に負わされた重荷ではなく、自分からそう望んでいるということはよく伝わってきました。なんかツンツンしてて、いろいろ素直じゃなさそうな娘さんですけど、実は結構情深い、そんな感じが意外で、そしてあるいはこの子らしいとも思われたのでした。
さがりに告げた、二人カップルになりたいとの言葉。それを影で聞いてしまったりっか。ああ、気持ちが動いていきますね。自分だって二人カップルになりたいと願うのは、そりゃありっかも同じだろう。なとせにりっかの思いと、さがりの決意、ここにちょっとしたコンフリクト生じましてね、こうした対立する要素は劇を盛り上げ前進させる、そんな力を生み出そうものじゃないですか。ええ、なとせ、りっかの心の動き、これはもうぐっと読者の気持ちもとらえて引き込み、物語を推進させる、そんな動因になろうとしていますね。
今回は、なとせがさがりに攻略されるエピソード。さがりはそんなつもりはなかったけれど、自分のピンチに助けにきてくれたどころか、その後の会話、シチュエーションも手伝って、ああ、なとせ、動いていますよ。
今はまだ状況が作り上げられていく、いわば個々の前提が作り上げられている段階だと思います。恋愛ゲーム的にいうなら、個別ルートに入る前に描かれる各ヒロインのエピソードみたいな感じ。ここでさがりが誰かに深入りすると、ヒロイン個別ルートに入るんだろうな。みたいな感じがありまして、ええ、なとせのヒロインとしての立ち位置、見事確立されましたよ。
『瑠東さんには敵いません!』
めちゃくちゃ面白いな! 授業中、瑠東さんから突然絵しりとりを提示された千紘。というか、絵が下手すぎてなにがなんだかわからないっていうの、うん、これ、自分が見ても絵しりとりだとは思わなかったもの! なんかの暗号かと思った。とか思ってたら千紘も同じこといっててもうめちゃくちゃ面白い。この、絵を見て、描かれたものがなにか推測して続きを描くという、推測フェイズが難度ナイトメアどころか無理ゲーになってるのがもうおかしくって、でもこの理不尽難易度に瑠東自身が気づいてないっぽいっていうのな! いやもうおかしかった。でも、ちゃんと難易度調整されるところなんか、温情ですよね。
千紘がね、なんか気持ちが抑えられなくなると瑠東のイスを蹴っ飛ばすでしょう、これがもうおかしくって、瑠東さんもちょっと災難だな! でもね、千紘の瑠東に対する独占欲みたいなの見えたの、これがやっぱりいいんだよねえ。自分だけが知ってる瑠東の秘密。絵が下手っていう弱点。誰にも知られたくないって思っちゃうの、でも自分で自分の気持ちが整理ついてないっていうのも千紘らしいのかも。この思わず思ってしまう瑠東をひとりじめしたい願望、それが意図されないことでより深く、本音に根差したものであると感じられて、たまらなくなるんですね。
- 『まんがタイムきららMAX』第18巻第4号(2021年4月号)
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