2020年9月20日日曜日

『まんがタイムきららMAX』2020年11月号

 『まんがタイムきららMAX』2020年11月号、昨日の続きです。

『エンとゆかり』

エンが弟子入りすることとなった剣の教師。見た目にも普通ではなく、これ、鍵の魔物とかの同種だよねえ? 実際、途中、エンの剣の強さを目の当たりにして、こんなの受けたらコインになってしまうところだったなんていっちゃってますよね。なるほど、無害な魔物もいるのだなあ。

教えるまでもなく滅茶苦茶に強いエンを前にして、剣を手にした場合のみ強さが発揮されるという特色を逆に活用して、なるほど剣に似て剣ではない、そうエンに思わせる得物を出してきたというのですね。はいいとして、チキンブレイドとはなんなのか。実にわからん物品で、なるほど宴会用の盛り上げアイテムなんですな。ともあれ、これでエンの能力は封じることができた。あとは普通に教えていくだけ、というのですが、剣の師匠もいろいろ探り探りでありますね。

今回のエン、持ち前の天真爛漫をこれでもかと押し出してきて、めちゃくちゃに可愛いわけですが、過去の記憶がないということにまるで頓着しない、その彼女の思っていること、それが言葉になるその時の持っていきかた、エンの脳裏に浮かんだいろいろ。それがもう素敵でね、ええ、エンさん、いい縁のもとにいらっしゃるんですな。屈託なく笑い、今が楽しいというその様子、素晴しかった。

『のむラリアット』

顧問が約束していた練習試合。本当に組んできた。しかも結構な名門、宿新高校。約束を守ってくれたというので一年からの支持は爆上がりしてるわけですが、なにか企みがあるはずと警戒している部長。ああー、なるほどなあ、つきあいが長いというのはこういうことだな。

宿新高校、ここもまた個性的な選手が揃ってて、なるほどこれが部のカラーか。見た目にも力を入れていて、練習に全力、おしゃれにも全力。興行的要素も大きなプロレスにおいて、この両立は結構な力となるのだろうなあ。また宿新高校の先輩? 指導力も優れてて、翼以外は初心者だろうと気の緩んでる一年生に、叱りつけるでもなく気を引き締めるのな。これ、すごいと思う。あくまでもなごやかに、当たりも柔らかく、それでいてしっかり真剣にさせる。こういう指導が当たり前になってるところは、そりゃ強くなるんじゃないか。萎縮とかないんだよ? 理想的環境の一旦を見せられた気がしました。

対して梟池はヤバいな。緊張している桃に青井がしたアドバイス。桃は根が素直だから、喜んじゃって、いわれたとおりのことやって、みんなはポカン、青井だけが大笑い。酷い……、酷い先輩があったもんだ。宿新のスマートさがあっただけに酷さが極まってる! と思ったら、ここからまさかの場外乱闘の同士打ち! ほんと、この展開、めちゃくちゃ面白いんだけど、青井先輩は自重してください! 先輩なんですから、もうちょっと普通にしてください! 恵の心労、いかばかりか、でありますよ。

『初恋*れ〜るとりっぷ』

そら、ついに新たな局面へと進むことができましたね。

先生からもらった思い出の切符をなくしてしまったことにショックを受けて、落ち込んで、取り乱して、そしてひとり俯いて、それがよくないとはわかってるんだけど、気持ちの整理がつかないっていうのもよくわかるんです。でも、たとえそれが大切な思い出のものだとしても、今一緒にいる時間をこうして台無しにしてしまうのはよくないんじゃないかな。そう思っていたものですから、猫の島をめぐって、自分ひとりの時間を持って、泣いて迷って考えて、その果てにそらの辿り着いた結論。それが本当によかったって思ったんですね。

切符は使ったら回収されるもの。そらの中でついに、先生の切符がきっかけとなってはじまった旅は終わったんですね。そして今度は自分のうちから生まれた気持ちを切符にかえて、新しい旅に向かおうとする。ええ、いい境涯に辿り着かれましたね。かつて先生から受け取ったものを、今度はそらから先生へとお返ししていこうという、そうした新しい関係のベクトルの発露も感じさせて、ええ、新たな旅路、そこで見る光景、そこで出会えるものはいったいどういうものとなるのか。

期待もまたふくらんでいくのです。

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