2020年9月29日火曜日

『まんがタイムオリジナル』2020年11月号

 『まんがタイムオリジナル』2020年11月号、先日の続きです。

『カントリー少女は都会をめざす!?』

都会出身というだけでやたらと大河を神格化している八重。今回も、中学生と話している大河を見て、サイン求められてるんだ! と、普通に考えてありえないこといって、しかしこの自信満々の八重ですよ。この子の根拠があるかどうかわからん自信、すごいよなあ。ポジティブのかたまりだよ、この人。

さてさて、今回はいつになくシリアスなニュアンスにじませて、よかったですよ。大河がね、ちょっと悩んでるんですな。皆と仲良くなれたのは自分が大阪出身だったからじゃないかって。自分の価値って出身地なのかみたいなことね、亜紀が相談にのってくれて、微妙にズレてる? でもどこかしら本質をついてる? そんな亜紀の言葉が頼もしくって、ええ、大河は最後にちょっと不完全燃焼みたいになってましたけど、でもちゃんと解決に向かったんですから、やっぱり大河、この相談はよかったんですよ。

明るさ取り戻した大河と、大河のいないうちにやたら迷走していた八重の再会。大河の悩みも雲散霧消ですね! ほんと、いつもどおりといったらいいのかな、そんなやりとり、ほほえましくて実によかったです。

『通勤通学クエスト』

同じ漫画が好きというので知りあった柏木と松島。社会人と女子高生という間柄ながら、友達のようなふたりの距離感は魅力的。と、そこへ割ってはいった新たな女子高生。ああ、柏木、ちょっと苦手なタイプですか? 学生のころ、キモチワルイといわれて傷ついてきた。その記憶がよみがえりつつあるというのですか。けど、ここでちゃんとクエスト発動させて、キモチワルイと言われない! 苦手克服しようとしたの、立派ですよね。

この漫画のいいところ、こうやって前向きに問題解決していこうとするその姿勢だと思うんです。今回も、カッシー、苦手と思いながらもぐいぐいくるのをしっかり受け止めて、会話を返して、ちゃんと仲良くなっていく。というか、この子、めちゃくちゃ余裕あって、年上みたいよ? ほんと、今回のやりとり。最後にマッツがカッシーにいうじゃない。気持ち悪がられた自分だけどそういわない最近の子は優しいっていうカッシーに、柏木君が成長したんだって。この認めてもらえたということ、評価してもらえるということ、その重み、もうたまらなかったです。ラストのコマなんかも最高でしたよ。もう、泣きそうになりますよ。

『とびだせT.O.Z』

宇佐美さん、可愛い期間は続く。今回はテストの結果が奮わなかった宇佐美。陸上に打ち込みすぎて勉強をサボってしまった……! でもスポーツ推薦組は成績なんかまるで頓着してなくて、一度はそんな風潮に流されそうになるものの、ちゃんと踏み止まったの、エラい! でも、おバカ系アイドルなんて望んでない! って。その方向性もまた面白可愛かったです。

先輩はどうしてるんだろう、聞きにいくのがいいですよね。でもまるで参考にならん! 20分の瞑想で完全回復する浅葉。そして阿部先輩、すなわちマナの兄! ほんと、なんで兄貴に聞きにいこうと思ったの!? 兄貴も兄貴で、後輩女子にいきなりしばってくれと要求! 事件になるよ!?

ここからのふたりの対話が非常にあかん感じで、きもっ、アブナイ人、正直引く。まあ、兄貴にはそういわれるだけの根拠はあると思うんですが、それにしても言葉に容赦がない。でも、そんな言葉に快感を覚えちゃうのん、兄貴!? いやもう、この苛烈に求める兄貴と、いくらなんでももう口を閉じようと必死に自重する宇佐美との白熱する対面! いやもう、ほんと、なにしとるのか。

宇佐美、兄貴に気にいられてしまいましたね。でもそれが原因で、兄貴のあのトレーニング、やめさせる同志になるという。うん、マナと宇佐美、さらに仲を深める、そんな流れができましたね。素晴しいです。

『大奥より愛をこめて』

スパイ疑惑で囚われの身となった蒔乃。間者ではないか? 疑われながらもその証拠は出ず、御台所からの助言もあって、ああいずれは無罪放免か? と思いきや、高橋は毒を盛れとご命令! いやもう、蒔乃、大ピンチじゃん。しかも悪いことに面会にきた菜々緒に、この人なら信じてくれるのではないか、自分のこと、間者であると、ロシアのスパイであると、その目的含め話してしまった。ああ、菜々緒殿、この言葉をどう受け取られた。険しい表情で去っていくその背はなにも語らず、見捨てた? 見限った? いや、あるいはなにかまた違う可能性を探そうと? ほんと、緊迫する展開に踏み込んでいきます。

蒔乃、この人、日本育ちでさえなかったのですね。ロシアはイルクーツクにて育った、その名もマキアベル。日本からの漂流民を父に持つマキは、漂流民の光太夫と知りあったことをきっかけに、より深く日本への関わりを深めていこうとする。で、その果てが、大奥に潜り込んで日本の内情を探ろうということだったというのですかー!

うん、無茶すぎる。バレたらそれこそ打ち首コースやん。

蒔乃の目的からバックグラウンドまで判明して、これからいよいよ佳境でありますね。ふさ姫の好プレーで牢を抜けられそうな蒔乃。でも、牢抜けはより立場を悪くしない? ともあれ、光太夫に菜々緒殿にと思惑の交錯する大奥に、蒔乃はなんらかの光明を見出すことがかなうのか。風雲急を告げる、ってな状況でありますね。

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