2020年9月24日木曜日

『まんがタイムきららフォワード』2020年11月号

 『まんがタイムきららフォワード』2020年11月号、発売されました。表紙は『はるかなレシーブ』。最終話を迎えて、堂々の表紙登場でありますね。描かれるのは、はるかとかなた、主役のふたり。ひとつのチームとして戦ってきた、ふたりの絆を感じさせるといいましょうか。揃いの水着、そして手と手をとって、ぱっと笑顔を見せるはるかに、ちょっと戸惑い? 虚をつかれたみたいな? そんな表情見せているかなたが対照的であります。

今月は新作ゲストが2本です。

『おにのこひとのこ』

面白いですね。びっくりするほど緩い絵柄で、人と鬼の同居コメディを展開していくんですが、その鬼ってのがいいキャラしていて実にいい。帰ってきたばかりの主人公、憂に、あと1勝で5連勝! とかいきなりいってくるこのテンション! なんか、お母ちゃんに嬉しそうに今日のこと報告する子供みたいな感じがあるな。

ネット対戦しているの、ヒトの子を蹴落すのが楽しいとか、24時間誰かをいたぶれるとか、不穏なこといってますけど、まあ、こういう感じでプレイしてるの、わりといると思いますよ? でもって、自分以外にも駄目人間がいっぱいいるって安心している憂、こういうプレイしてる人間も、まあいるんじゃないかなあとは思う……。うん、どっちかというと鬼の方が健全ですね!

しかし、鬼の子、愉快というか茶目っ気があるというか、明るい楽しい、いいやつですよ。ちょっとわがまま、けど根っから悪いとかそういう感じでもない、愛玩系鬼だよなあ、とか思ってたら、憂はそれ以上の暴走的感情を鬼に対して抱いてたーっ! やべえ!

ふと覗いた憂の感情の闇にビビる鬼がおかしくて、けどなんだかんだでわかりあえてる風もあって、いい感じに落ち着いたじゃんとか思ってたら落ちに角煮! 思いもしない終わり方、これ、意外性も勢いもあって面白かった。憂の不穏な内心、それが見事に効いていましたよ。

『姉妹を卒業して恋人になります』

おお、姉妹百合というやつですか。中学の卒業式で、妹から告白された姉。なんとまあ、姉自身は満更でもないどころか、むしろ願ったり叶ったり。自分の願望が向こうからやってきた、ってなもんで、いわゆる鴨葱シチュエーションみたいですね。でも、私達は姉妹だと、人からどう思われるか、そうしたことを気にして一旦は断わって、でも、妹の押しの強さに負けたって感じですね。

積極的にイチャイチャしようとする妹と、及び腰の姉。基本、他から変と思われたくない、常識の枠内にあろうとしている、そんな感じですよね、姉。そんな姉が、妹にまたまた押し切られて、そして母に現場を目撃されたもののやたらと理解のある母ですよ! 今はそういう時代なの? あなたたちがしあわせならオールオッケー!

めっちゃものわかりがいい!

母に認められたのが大きかったんでしょうね。自分を縛る外聞というのがひとつなくなったものだから、もう躊躇する必要もない!? 自分の感情、思いをこれでもかと押し出して、主導権逆転させる姉ですよ。この、イニシアティブの移行、優勢劣勢の転換にこそ、この漫画の見せたいものはあったのだろうな。そう思わせる姉の表情。逆に戸惑いを見せる妹という、この転換。こここそが山場、見せ場でありますね。

0 件のコメント: