『まんがタイムきらら』2020年10月号、昨日の続きです。
『奥さまは新妻ちゃん』
妻の誕生日になにを贈ったものか。悩んだ末に会社の先輩に相談したのはいいけれど、てんで頼りにならないってのがおかしいよな。というか、今回先輩はだーくんと対比されるのが仕事? 同僚の女子社員からアドバイス受けるんですけど、先輩の扱いがとにかく粗雑で! 女子ふたりの向けてくる目からしてもう全然違うっていうんだから、先輩はどれほどの業を抱えているというのでしょう。というか、結構無神経な発言咎められたりしてるから、いわばこれまでの貯金があったりするのかも知れませんね。
しかし、休みをプレゼントしましょう、アドバイスを受けただーくんの、サプライズではなく、ちゃんと相談してから決めようという姿勢、その評価! いや実際、この人の、ひとりよがりでなく、ちゃんと相手に、この場合は新妻ちゃんに向きあおうというスタンス、それが好感というのは読者である私にもよく感じられて、ええ、だーくんの愛される所以か! 旅行に向けて話すふたりの様子など、実にチャーミングな時間、よい描写だったと思います。
『ぎんしお少々』
なんと、銀の姉の側もこうして語られるのですね。今回は姉、鈴の日常が描かれるのですが、学校の友人から何度も気をつけるよう釘刺されていたというのに、時間1本の電車を逃がしてしまった! ひとり駅に向かう途上、妹銀のこと考えて、なんてメッセージ送ってやろうかなあとかいろいろ思い描いとったら、ああー、歩速がゆっくりになってましたか。改札前で見送る列車! あまりの衝撃に立ち尽す鈴のとなりには、同じくショックでうろたえるお姉さんが!
ええ、こうしてふたり出会ったというのですね。
この漫画は写真、それもフィルム写真を扱っているわけですが、それはしろ、もゆる側だけでなく、すず、まほろの側でも同様で、たまたま出会って、一緒に暇をつぶすこととなったふたりのしたこと、それがフィルムカメラでの撮影だったっていうんです。
トイカメラ手に河辺、街並みなど撮影している塩原まほろ。ん? ちょっと待ってくれ。塩原ってことは、もゆるにカメラのアドバイスしていた姉さんじゃないか! なんとまあ、妹しろがそうだったように、姉すずも塩原の者と知り合ってしまったいうのですか。そしてフィルムカメラの楽しみを伝えられて、貸してもらったレンズ付きフィルム、その写真をしろに見せたらどうだろう。ああ、こういうのも素敵ですね。レンズを通して自分の見たもの、被写体に向けた興味を誰かに伝えられる。それが写真というものかも知れない。思いがけない出会いが、すずのうちに新しい興味、感心を引き起こして、それがしろへと伝えられる、その広がり、すごくわくわくさせられるものがありますよ。
『そらコミュニケーション』
せんりの家を伺う怪しい円盤。あ、これ、ドローンみたいなものか。前回、なにかしらの介入を予感させる描写がありましたよね。それがこの人? てっきり女王様かと思ったら、なんか違うっぽい。ソラのライバルを自称する新たな宇宙人、テンペスタ・デ・トワール・スピカ。惑星スピカの第一王女なのだそうですよ。
ソラを追ってやってきたテンペスタ、乗ってきた宇宙船が大破して帰る手段がありません! って、あかんやん! 二次遭難しとるやん! ソラを奪った憎いせんりの命を狙って、なんてえらく物騒なこといってるけれど、ソラがどうにも緊張感を維持させてくれないもんだから、せんりのピンチは継続中であるものの、とりあえずなんとかなりそうな予感? 今回登場の宇宙人マニア、小宮望の果たす役割やいかに!? いや、思いっきり排除されてますけどさ! そして最後に現れたせんり大好き璃乃さんですよ。
璃乃がせんりの危機を知ったらテンペスタの身が危ない! 次回は璃乃無双が見られるかも知れません。うん、テンペスタ、いのちを大事に! 多分、望もなんらかの役割があると思うんですけど、今のところはなんのために出てきたのとかさっぱりわからないですよね。見た目は普通っぽいのに、中身はかなりいっちゃってるこの子。どうにも好みなので、活躍ないし定着してくれたら嬉しいですよ。
『トールさんの通り道』
アーティの祖母のところでやっかいになることになったリセ。けれどいたれりつくせりとはいかなくて、今回はベッドの確保のために原石を採集しに森へとやってきましたよ。
ピー太の中で、絶対ここから出ないといいはってるリセですよ。いや、その気持ちめっちゃわかる。だって、魔物やら徘徊しとる森やろう? そら表になんて出たくない。トールの策にはめられて、引きずり出されちゃうんですけどね?
しかしこの漫画、時にぞっとさせられることありますけど、今回もそうですよ。リセが岩肌に露出している原石に興味ひかれて手を伸ばしたらですよ、石に擬態していたスライムがわーって出てきて! ヤベえ! これ、下手したら捕食コースじゃん! いや、スライムがリモだったから問題にはならなかったんですけどね、リモの母、ライムがはじめて登場してきた時のピンチ感とか思い出されてしまいましたよ。ほんと、この森、ピー太から出たくないと駄々をこねたリセですけど、やっぱりその警戒心、正しかったと心底思わされた瞬間でした。
- 『まんがタイムきらら』第18巻第10号(2020年10月号)
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