2017年8月26日土曜日

『まんがタイムオリジナル』2017年10月号

『まんがタイムオリジナル』2017年10月号、発売されました。表紙は『ラディカル・ホスピタル』、山下さんが浴衣で花火ですよ。手持ちの花火、その光に照らされて浮かびあがる山下さんの表情、その美しさ。まるで少女のように清らかでありますな! テーマは夏の終わりですね。『小森さんは断れない!』しゅりは縁側でスイカを食べて、『らいか・デイズ』らいかは、まなみの溜めに溜めた宿題をビシバシやさしく追い立ててくれている。ええ、もう夏休みも終わり。じきに秋がやってきますね。

『きっと愛され女子になる!』。志摩ちゃんが婚活パーティーにいくというので、さゆりも参加することになりました。いや、別に私も婚活パーティーにいきたい! とかいうのではなく、きっと変な人にひっかるからやめろといったら、巻き込み気味につれていかれた。それで発覚するさゆりのファッションセンスとか、そしてパーティーでのやりとりの駄目さ! ほんと、これ面白かった。まったくそちらの方面に興味がなかった、ゆえに知識もない、現場でもいろいろとちぐはぐで、ほんと、さゆりのこともっと好きになりましたよ。というか、志摩ちゃん、さゆり相手だったら面倒見のいいお嬢さん。いっつもこうならいいのにね、でしたよ。

『スズちゃんでしょ!』。ピンチのスズちゃん。締め切り間近の仕事をふたつ抱えて、さらにそこに梨乃ちゃんがくるという。焦ってもしかたがないけど、かといって休憩とって昼寝をすれば悪夢を見るという。断ち間違えは取り返しつかないから、もう焦るどころじゃないよね。しかし梨乃ちゃん、この子いい子でよかったねえ。全然邪魔しないどころかむしろ協力的。寝ちゃったら起こしてねがまさかあんな顛末招くとは! ほんと、ピンチ描いて無事に解決、落ちまで優秀。ほんと、この描かれないことがなお面白みを増さしめてました。

『美軍師張良』。自分は張良という人をよく知らないのですけど、それにしてもこの漫画のこのノリ、おかしくって、面白いです。飲食店を開き潜伏生活している張良たちの、物騒ながらアットホームという微妙な状況。秦兵を殺して追われてる者ありと聞けば、見つけて味方に引き込もう。物騒! で、さっさくその殺して逃げてる人間見つけちゃってさ、そこからの展開、かけあいのテンポのよさ! 張良さま! 名前を言うな! ビシッ スミマセンッ。なんじゃこりゃ! 知り合い、項伯とわかってからのテンポもほんとおかしい。このテンポ、ちょっと懐かしいといいますか、昔読んでいた少女漫画っぽいというか、歴史の云々そっちのけにしても面白いんですね。しかしこれで覚えたら、史実の張良という人のこと、ちょっと色がついちゃいますね。

『北斎のむすめ。』。お、吉原の話ですね。気位の高さで知られた高尾。花魁道中の高下駄もどんどん高く高くなって、というんですけど、このぽいと放り込まれるナンセンスさにしびれます。そして町衆の興味、高尾はどんな声なのか、それがいきつく先が、揚巻に声をあてて欲しいって、声優か! ほんと、おかしい。新しい画風を開こうと挑戦繰り返している栄のこと、自分の励みにしているって、ずっと胸のうちに秘めてる高尾がね、よいなあって。そして栄は、高尾の強さ、それを見習うって素直に口にして、ああ、ふたり立つ位置こそは違えども、より高みを目指す同志にしてライバルである。そんな感じがね、かっこいいんですね。さてまた最後にさらに高さを上げた高尾の高下駄。この高さの意味、なるほど、皆に見えるようにっていうのかあ。あの高みにて口元に浮かべた笑みの、清々として凛とした気持ちよさ。ああ、高尾はいい女なのだなあって思わないではおられないですよ。

  • 『まんがタイムオリジナル』第36巻第10号(2017年10月号)

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