2017年8月12日土曜日

『まんがタイムジャンボ』2017年9月号

『まんがタイムジャンボ』2017年9月号、発売されました。表紙は『レーカン!』天海さんがメイン。浴衣姿で手には線香花火ですね。夏の風情、ちょっとした涼しささえも感じさせるさわやかさがあるイラストだと思います。他にも花火のカットがございます。『きつねとパンケーキ』は、やはり浴衣姿の紺乃が手に花火を持ってとっても楽しそうにしていてキュート。『江戸の蔦屋さん』は、男ふたりでむさくるしい! ねずみ花火で蔦重を驚かしている歌麿でありますよ。人が悪いよ歌麿さん、なんて思ったりもするけれど、これ、仲がいいんだろうなあ。なんてこともうかがえる、そんな感触ありますね。

『おにいちゃんと呼ばないで』。心のこと、大人がちゃんと見てくれているのがいいですね。そうとは表に出さないけれど、出勤時間を心の登校にあわせてくれたり、また学校の前まで一緒にいってくれたりと、このわかりにくい優しさ。いや、でもこれが悟という人なのでしょう。そして学校、桜桃学院。まさかのお嬢様学校で、分不相応、自分にはあわないと心落ち込んじゃって、でも心も社長令嬢なんだぞって、株式会社アメモリは桜桃学院にもデザートを卸している。そのデザートから話題にしてみたらどうかと悟から助言があって、ああ、でも心は自分が社長令嬢であるということではなく、悟が心を砕いて作っているケーキ、それを話題にしたのですね。アレルギー対応なのにおいしくて可愛い。この見た目をしっかり、けれどそっと心配りを忘れないというところ、ここに悟との共通点などあるのかも知れませんね。

『人気マンガ家になるための15の法則』、相沢が風邪です。ああ、締め切りまで一週間しかないというのに大変だ! そのことは相沢も意識していて、熱で朦朧としているのに原稿に向かって、ああ、気持ちはわかる。なぜなんだろう。風邪ひくと、やらないと、ちゃんとしないとって気持ちがいつも以上に強くなるよね。なんでなんだろうなあ。しかしこの漫画、すっかり喜多村のツンデレを楽しむ漫画になってしまってる。栄養の偏りはよくない、それをいう時に、センパイの美容を過剰に気にしてしまってるのね、相沢には通じてないけど、ほんと、この人の慕いよう、すごいですよ。綺羅星との打ち合わせもキャンセルするほどに相沢のこと気にかけて、でも微妙に報われない。それが喜多村って人なんだろうなあ。というか素直じゃないからなあ。

『銭湯の女神さま』。あの生徒との文通、続いていたんだ! しかも匿名のまま、手紙からアプリに移行して、アカウント名こそはめぐみだけれど、それが誰かはわからない。でも励ましてくれたり相談にのってくれたりと、いいですね、良好なコミュニケーションとれてるじゃないですか。しかも一緒に銭湯にいくことになって、そしてそれがはじめての対面だというのね、大丈夫なのか!? って、おお、さすがだ、ちゃんと先生だって当たりをつけてたんだ。でもあの驚いた顔、よかったねえ。アプリでの会話で先生のこと、理解してくれてるのが嬉しいですね。ただの生徒と教師って関係より深いものがある。そして恵もすっかり地を出しちゃって、いつもそんな顔してたらいいのにって、ええ、それは誰もが思ってることでありますよ。この子、りんとの良好な関係、これがきっかけで他の子たちにも先生が怖くないってこと、伝わるといいね。そう思ったんだけど、りんのアグレッシブさにちょっと引いちゃったかあ! でも、いずれはわかってもらえそうですよね。めでたしですよ。

『ペンタブと戦車』、クライマックス目前って感じで怖いんですが! 脱走者、うみねこ先輩のことが問題となって、里見鶴之助、ハイラルへ送還されてしまう! そうかあ、尋問か。大変だなこれ。そう思っていたら、スミには実家からお見合いをしに内地へ帰れとの手紙が届き、ああ、皆がバラバラになってしまうよ……。武田大尉は前線へと向かい、その命やどうなるか。不安がある。きっとしあわせな結末が、とは願うものの、わからないですよね。本来ならもう死んでいる人。そうした人がなお存えるものだろうか……。里見の、スミと鶴之助がバラバラになったことで自分の存在が失われるのではないか、そうした不安を超えて武田大尉との思い出を優先したあの行動には泣けるものありました。そしてスミと鶴之助の会話に見えたもの。スミの心残り。鶴之助の愛着。それらがまた泣けた。鶴之助は、本当はここまで周囲の人に気持ちを置いているのだなあ。だからこそそうした面をいつもは隠しているのだなあ。ああ、情の人。里見、そしてその曾祖父、似たところをふたりやはり持っているのでしょうか。そしてうみねこ先輩。ああ、ニコ中尉と会えたのか。それはかまわない。けれど彼のこの行動がどうした影響を周囲に、そして歴史に及ぼそうというのか。それが気になります。きっと彼の行動が事態をよい方向に向かわせるんだ、そう信じたいところがあるのですね。

  • 『まんがタイムジャンボ』第23巻第9号(2017年9月号)

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