『まんがタイムきららミラク』2017年6月号、昨日の続きです。
『お願い!ロイヤルニート』。桜花が針のむしろであります。前回、ついつい大げさにいってしまったことが災いして、妥当久遠寺ののろしが上がらんという状況に置かれしまってさあ大変。けど、勝負に勝つにはまず敵を知らないといけない。ほたるがやる気出してますよね。聞き込みして資料にまとめて、さらにスイが花凛の学内での様子を盗み撮り。しかしなにが面白いって、これで花凛の株があがって、桜花にさらなる逆風が吹くっていうね。ここから仲良くしていったらいいんじゃない? って、花凛は最初から仲良くする気満々ですよね。いや、ちょっとヤバいレベルでしたけど。しかし今回、一番面白かったの、桜花ロイドの顛末かも知れません。将棋をはじめたんだ! しかも強いんだ! 将棋一本に打ち込んでいくんだ! まさかの引きこもり宣言。ああ、桜花の桜花らしさはロイドになっても健在なのでありますね。
『ビビッド・モンスターズ・クロニクル』は対ドラゴン戦であります。戦いの最中、ライアがパーティを組まない理由が語られて、あー、パーティメンバーに足を引っぱられたくないのね。のっけからキャロ死亡。うん、安定してますね。けれど最終的には皆一緒になって戦って、最初は馬鹿にされてたキャロも投薬で活躍。そしてライアも盾になってくれて、けど最後までわかりあえないままだったのかな? ライア、山小屋でいろいろ話してくれたこと、私うそつきなんで、なんていって嘘にしちゃってますけど、実は本当がまじってたりするんじゃないかなあ。なかなかその素顔、実際のところをつかませてくれないキャラでした。それに、最後にMPKでしょう。強烈な去り際! ほんと、次に会うことがあったら、どんな再会になるんでしょう。こんな味わい深いキャラが今回かぎりってことないと思うんですよね。
『広がる地図とホウキ星』は実技試験です。公園にいって「魔法を使った作品」の作成、提出を求められる。これがですね、リンの荷物に猫のミミがまぎれてついてきたりね、しかもこのミミがしっかり役にたったりね、ちょっとしたところにも手がかかってる、意識が通ってる、そんな感触あって実によかったです。妖精との遭遇からの展開。ちょっとしたピンチを、いや、これ結構なピンチじゃない!? ともあれ、皆で力をあわせてこの危機を乗り越える。またその危機も、危機また危機で、ひとつの問題を解決したら次の危機が! で、うまくかいくぐったと思ったら、それも失敗。さあどうする? どうなる? と、ここで君が介入してくるのかー! そこから大団円までの穏やか、落ち着いた感触がまたいい。盛り上がりの後に静かに交流を深める、そうしたところにね、この漫画の暖かみ、近しく感じさせる親しさがあふれているって思ったんですね。
『ラストピア』、リッタのこれまでの頑張りが活かされていますよ。島を紹介するために取材にきましたよ。いつかの記者さんですね。先輩のカメラマン連れてきてくれて、それでリッタの地図見て島をまわってくれて、ああ、島のことを知ってもらう試み、広がっていってるじゃありませんか。よかった、頑張ってよかったね。そう思いながら、しみじみ彼女らの取材の様子をちょっと嬉しく眺めてみれば、そこにこの島にただよう不穏な空気、それも再確認されることとなって、ああ、いろいろある悪い噂。皆はそれをポジティブに、よいように解釈してくれたわけだけれど、そしてそれが嬉しかったのだけど、でも……、もしかしたら……、という不安が残る。よさ、優しさ、暖かみは、その対照となる影があるからこそ際立つのかも知れません。また逆にしあわせな今にいつか影が落ちるのではないか、逆方向にも働いて、それだけにまた今のしあわせに愛着覚えてしまうのですね。
『ハルベルンハルカ』、いやあ、面白かったですよ。巨大ロボットに憧れるハルカだけど、まさか出会ったロボットが超絶にダサかったっていう。これね、敵ロボットを見てハルカが大騒ぎするの、いかしました。向こうの方がかっこいい! そしてその敵ロボットの搭乗員、博士の姉! くっだらない理由で街を破壊してるんだけど、ほんと、どうしようもない、そのくだらなさもいいんですが、街を破壊するロボットを見て怖くなってしまったハルカへの殺し文句ですよ。勝てば姉のロボットもお前のものになるぞ。いや、それまでいい雰囲気だったじゃんよ! それが一気に打算に振れて、そしてかっこいいと思ってた姉ロボットもダサかった! ほんと、基本くだらなさに全振りしてる漫画です。かっこよさも感動的なやりとりも、全部その後にくだらなさに放り込まれるっていうんだから、その落差がね、かなりきてました。前編よりも後編がきましたね。これ、かなりきてましたよ。
- 『まんがタイムきららミラク』第6巻第6号(2017年6月号)
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