2017年4月11日火曜日

『まんがタイムきらら』2017年5月号

『まんがタイムきらら』2017年5月号、昨日の続きです。

『ハッピーセピア』、いいですね。憧れの人、みなみさんの心残りを救うべく、過去に遡って、みなみさんを振り回さんとするかえで。昔のみなみさんは頑なで、遊びに誘っても勉強するからと断わられる。けど、そんなみなみさんをわりかし無理矢理動物園に連れていったっていうんですね。そこからのみなみさんのはしゃぎっぷり。かえでがいうには、なんかスイッチ入れちゃったかも。それくらいにテンションあがっちゃって、ああ、動物園を知見の宝庫という。この人の、学び知り体験することに喜びを見出す、そうしたところは魅力的で、そしてアジアゾウについての知識を滔々と語っている、その説明に子供がぞろぞろついてくるところね、ああ、この人の家庭教師だったという時のこと、ちょっと彷彿とさせられました。このタイムトラベルが、過去のみなみへの干渉がどうした結果をうんだのか。それは小さなことだったのかも知れないけれど、それでもなにかみなみの心の中に残したものはあって……。あまりにも小さなことだけれど、それがかえでには決して小さいものではなかった。そうしたことを語る一連の描写は感動的でさえありました。そしてこの漫画、連載になるんですね。ということはかえでの旅は続く? その旅の先に待つもの、それはみなみの後悔が雪がれることとなるのかどうか、わからないものの、楽しみにさせられるものありますね。

『ようこそ学園オーケストラ』。楽譜を買いに楽器店にいきます。というのだけど、千鶴、楽器店に苦手があるんだ。慌てて焦って、あちこちに、他のお客さんにぶつかりまくったことがあった、というんだけど、まさか、楽器をぶっ壊しまくったとか!? と思ったら、そこまでではありませんでした。よかった! 作者さんの温情だ! 後ろ向きな千鶴を元気づけるために凱旋行進曲、アイーダですね、それをピアノで弾いてくれたのはいいけど、千鶴のテンションあがったのもいいけど、それで元気元気に飛び込んでいく、それがあかんのよ、千鶴さん! けど、千鶴の不安はちょっとわかるのね。自分はガラスとか陶器のお店が怖い。別に壊しまくったとかそういうことはないんだけど、怖いんですよ。それと同じような不安、恐怖を抱えてるんだと思うと、アイーダでもって気持ちにブーストかけるくらいしないといけなかったんだろうなあ。さて、目当ての楽譜も買えて、その帰り道でちょっと買い食い。一緒にお昼寝してっていう、そのしあわせそうな様子。見守るじいやもまたよかったと思いました。

My Private D☆V、『広がる地図とホウキ星』の描く調子ですよ。いや、これ、素晴しい。D☆Vポイントは「大きな異種友と小さな女の子」。すなわち、ドラゴンと一緒にいる女の子とか、大きな犬? 獅子? に乗る女の子とか、そして巨大なゴーレム!? これ、たしかに素晴しいわ。DOKIDOKI☆VISUAL、そのドキドキが、巨大異種友との対比によって強調させる女の子の可愛さ? 魅力? それだけじゃなくってさ、そのイラストとして描かれたものがひしひしと感じさせる、彼らをとりまく世界の広がり! どういう世界に暮らしているのだろう、ふたりはどうした関係にあって、助けあったり、一緒に仕事したり、あるいは戦ったり!? もう、気持ちが沸き立つよう! うわー、ドキドキヴィジュアルだわー、すごいわー、魅力的だわー。今回のイラストの魅力、それは『広がる地図とホウキ星』に描かれる世界の広がり魅力とはまた違うもので、あの漫画も素晴しい。そしてその世界とはまた違うなにかがあるのかも知れない、そう思わせるD☆Vイラストは、ああ、この世界を見たい、知りたい、旅したい。そうした気持ちにさせられるのですね。

  • 『まんがタイムきらら』第15巻第5号(2017年5月号)

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