『まんがタイムきららミラク』2017年6月号、発売されました。表紙は『うらら迷路帖』。ヒロインの千夜がおどろきのイメージチェンジ。うおお、ツインテール、眼鏡、そしてサロペット。手には抹茶系のフロート、トッピングがたっぷり贅沢! ええ、今風といいますか、ちょっとオタク風ファッションでもある? 実にこれが可愛いんですね。いやあ、こういうイラストがくるとは予想外。そして実に魅力的。いたずらっぽい笑みもまたコケティッシュ? ぐっとくる、引き付けてやまない、そんな表紙にしあがっていますよ。
『サイエンテイスト』、読み切りです。のっけから爆発。科学に爆発はつきもの、そういった具合の出だしでありますが、主役は科学者にして発明家の松丸? それとも助手のコハシ君? コハシ君はちんまりしたお嬢さんで、頭にはケモみみがついてます。この漫画、基本単発ネタでぽんぽんとテンポよく進めていく。テイストとしては昔ながらの四コマといった感触で、かと思ったら、途中から一本一本の四コマが次へ次へと繋がりはじめて、冒頭付近の単発と思われたネタもしっかり回収されていくのですね。小まめなネタの展開が、オーソドックスな四コマのテイスト感じさせて、逆にミラク、きらら系列誌においては異色と感じさせます。そして最後にはこれというギミックが仕込まれて、おお、そういうことだったのか。冒頭の博士の胡乱な様子、こういうことであったのか。ちゃんとわかるようになっているですね。
『がんくつ荘の不夜城さん』、四コマ漫画誌で四コマ漫画家の漫画であります。ひとり黙々と作業する不夜城よどみ。仕事柄も手伝ってすっかり引きこもり。日にもあたらず風呂にもはいらず、人とも関わらず。なので、たまに誰かと会うとなれば、発声練習からしないといけない。いやあ、大変だ。この人と担当編集者、羊ケ丘眠との打ち合わせ。あれがなかなかに面白くって、これ、どこまでリアルなのか、まったく現実には則していないのか。わからないのだけど、打ち合わせのはずがとりとめなく脱線していったり、そして次はカラー。じゃあ温泉で、というのだけど、水着にとどめましょう。雑誌としては全裸NGじゃないけど、不夜城絵だと必要以上にやらしくなるから禁止。こういうことってあるのかい!? 今回は不夜城さんの漫画、ネットでなんて呼ばれてるのか、具体的には出ませんでしたね。こうしたいろいろ、気になるポイント、いろいろあって、これはいい感じ。しっかり心に残った漫画です。
『また教室で』、いいですね。芸能人の天羽きさら。芸能関係の仕事をしていて、学内でも有名人。仕事が忙しくて初登校も5月にずれこみ、そんな彼女の悩みは平穏な学校生活が送れないこと。友達もできなくて……、と内心悩んでいるのだけど、なかなか理解はされない悩みかも知れませんね。そんな彼女に友達ができそうですよ。テレビとか雑誌とか見ない、芸能界とかに興味がない。そんなひなこがきさらと出会って、あまりに普通に、特別扱いもまるでなく、親しくしてくれて、ああ、きさらの学校での日常に変化が訪れそうでありますよ。きさら、ひなこのキャラクターがいいですね。きさらの内向きな性格。ついついネガティブに物事を考えてしまって、それで後悔する。対してひなこはあっけらかんとして明るくて、すごくナチュラルにきさらともうちとけて、あの屋上でのやりとり。疲れてるきさらのこと思いやるひなこのかける言葉の優しさですよ。これら、本当によかったなって思います。そしてラストもね、ああ、素敵な展開、素敵な引きでありました。
『となり暮らしのねこめがね』、ねこパジャマのテイとめがねのレン。アパートのお隣さんだけど、テイはレンの部屋に入り浸ってるのかな? とりとめのない会話。目的もなくただ思いつくまま、思いついたことを口にしている、そうした雰囲気だったのだけど、そうした会話のはしばしに、自分にないものを持っている相手のことを思いやったり、ちょっとうらやましく思ったり、そうした様子が見てとれるの、よかったです。そして、このとりとめなく感じられる会話。それ、そうであることに意味があったんだ。そうか、テイのだらだらとレンのそばにい続けていた、それはバイト先での失敗で気持ちが弱ってしまってたからか。溢れるテイの感情に、レンも思うところを口にする。このちょっともどかしくて、そして気恥ずかしくもある描写、なかなかによかったですよ。ふたりの関係、ちょっとにやりとさせる、いや、にやにや? ともあれ、よかったですよ。
『星空アラカルト』、オタク娘の集うルームシェアハウス。ここに訪れたのはブロンド美人。フランスからやってきたニーナです。フランスではオタク趣味を話しあえるような身近な友達はいなかった。やむなく国際交流することになっていたというんだけど、日本に、このシェアハウスにきたからには、オタク交流に困ることはないはずだ! この子のちょっと暴走気味の様子、気持ちばかりはやっていることがよく見てとれてよかったです。ニーナの友達? 色葉。国際交流していたひとりですね。この子はアイドルオタク、可愛い女の子が好き。ふだんはダラダラ、ゲームとなると覚醒する芹はソシャゲオタク。そんな彼女らの共通の話題はアニメなのか。日本でリアタイ視聴できることに感動するニーナと、感想をSNSに投げるせいで無口になってる色葉と芹。その時の会話、感想はニーナに投げて下さい! とか、面白かったです。
『桜色戦士レンジャーブロッサム』。ヒーローマニアの蒼衣スミレ。好きが高じてヒーローショーのバイトをすることになったんですね。そうしたら、微妙に思ってたようなのと違った。自分の知ってるセオリーとは違うキャラづけにもにょってみたり、つっこみ入れまくってみたり、そして自分のポリシーからかけはなれたスーツに抵抗感じてみたりと、いやはや個性的というには少々荒っぽい、好き放題な感触がおかしいです。ショーでもお約束を踏襲しつつ、その後の展開はよくわからない自由さ、おかしさだったりと、あるあるから、そんなのないよに振る剛腕、思い切りがよい漫画でありました。
- 『まんがタイムきららミラク』第6巻第6号(2017年6月号)
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