2016年7月24日日曜日

『まんがタイムきららフォワード』2016年9月号

 『まんがタイムきららフォワード』2016年9月号、発売されています。表紙は『ハナヤマタ』。セカンドジェネレーション? ラン、わ子下級生組がメイン、水着姿でプールサイドに集まっているというイラストであります。水着といっても競泳水着? スクール水着でよいのかな? なので、学校のプールかも知れません。向こうからはハナが着物を脱ぎながらかけてきて、ええ、部活の合間、プールにゴー! なのかも知れませんね。

『はるかなレシーブ』、巻頭カラーを飾りまして、おお、漫画はカラーになると破壊力が違います。もう、ほんと、すごくアピールしてきますよね。ページをめくれば、そこには見開きで主要人物6人のイラスト。トス、サーブ、スパイク、ポーキー、レシーブ、ブロックとそれぞれにアクションきめている、そんなイラストなのですが、右に有象、左に無象? というのはいいとして、本編ですよ。今回は愛衣舞のバックグラウンド描かれまして、バレーボール経験者のふたり、そのふたりがただ気まぐれ、遊びとしてビーチバレーやってるんじゃない。愛衣にとっては、そして舞にとっても、かつてふたりが出会った時の言葉を本当にするための戦いであるというのですね。だから後にはひけない。そうした気迫がこもっていて、その気持ちは絵からもびしびし伝わってくるようです。対し押されているはるかな。彼女らだって負けられないって思ってる。だけどどうにも情勢厳しいようで、かなたの武器であるポーキー、それが拾われてしまう。その理由、打点の低いというのがね、前ページにエミリの打点の高いポーキーを描いておいて、その後にかなたのポーキー、ボールが描く山なりの軌跡を描くことで、その違いというのが目にもわかりやすく説明される。ああ、うまいなって思いました。そして、かなたがずっと落ち着いていたその理由、最後に明かされて、ああこれからはるかなのターンなのでしょうか。ピンチと見せてその状況がくつがえる、そこにはちょっとしたカタルシスありますね。

『いつか私は、君を裏切る』、新連載です。え、またなんかおどろおどろしい漫画? 人が死んだりなんかするのかな? そう思っていたら、そこまでではないみたいですね。高校にて繰り広げられる推理ものといった風情。第1回は、女生徒の鞄にいつのまにか入っているカードの謎だっていうんですね。最初、教室の席次かなにか? と思ったんですけれど、読み進めていけば、なるほど探偵役がいるのか。ウイウイ、初恋初恋と書いてういれんういこと読ませる。この、いろいろ屈折しているっぽい彼女がカードを一瞥するなり、簡単だと、日本人ならわかるといってのけたんですね。ほう、日本人ならわかる。ヒントの提示ですね。と、カードを見返して、ああ、五十音表! そこまでわかれば後は簡単。カードの模様見ながら読み解いて、ふんふん、オトコガスキ、男が好き!? なんて破廉恥な! と、そうじゃなくて、そのカードを受け取っていた女の子の名前が音子なんですね。この漫画、こうした謎を解かせながら、その背後にある動機、そこに焦点をあてようとしているようで、ウイウイの目的もその動機、人がなぜそれをしようと思ったかを知ろうというところにあるんですね。しかし色々と屈折した人たちの出てくる漫画です。画面も黒が主体で重く、え、ほんとにこれで人死にとかないの? わかんないんですけどね、これからどんな謎で楽しませてくれるのだろうって楽しみに思いましたよ。

『まんてんあんこ』、ゲストです。伝統の和菓子部が生徒会長の横暴で廃部になりそうです。なぜか? そこには会長の心の傷があって、亡くなった祖母の思い出にまつわる和菓子との因縁。祖母の教えてくれた和菓子の世界が日本にはなく、ゆえにもう和菓子なんて見たくないって思った……。って、会長! ちょっと待って! これ、結局うまいこと決着したからいいけど、逆恨みとか八つ当たりとかいわれる類いの行動ですよ! きれいな絵、可愛いキャラクターが、自分たちの居場所、大切な部の存続を願ってお菓子作りを頑張る。生徒会長の思い出のお菓子につながる、その縁が描かれた漫画でありました。残されたおばあさまのレシピ。会長がうまいこと焚き付けて彼女らに思い出のお菓子を作らせる、そんな漫画に発展できそうですよね。

『2DKのビタースイート』、ゲストです。会社では有能なOL。そんな瀬川さんには同棲の噂があって、その相手というのは同級生で漫画家のハル子。家から出ずに漫画ばかり描いてる、のは仕事だから仕方ないのだけど、瀬川桃はハル子の前では気も抜けて、ゆるゆるで、だるだるで、いろいろ駄目で、すっかり気を許しちゃっているっていうんです。そんな彼女に甘えられるハル子は、漫画の仕事もあるのにいろいろ突き合わなくっちゃいけなくて、けどそれはそれでしあわせそう? さて、桃の忘れ物を届けにいったハル子です。桃のハイテンションにすっかり気後れしちゃって、そしたらその態度をハル子が勘違いしちゃってという、ちょっとしたすれ違いコメディ。けど、ふたりともに相手のことが大好きで、それがなんだか可愛らしくって、みたいに思わせてくれるところありました。しかし、ハル子さん、漫画とかでは漫画家はたいていだらしなかったりすることが多いですけど、この人は家事とか生活とかきっちりっぽいですね。もちろんそういう漫画家さんもいらっしゃるんでしょうけど、この定番はずしてきたの、よかったと思います。

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