『まんがタイムきららミラク』2016年9月号、一昨日の続きです。
『カラフル・マキアート!』。彼女らにそなわった新たな能力について、続きですよ。千波の能力、カレーじゃなかったのか……。静電気程度の電気を起こせるのだそう。ショックを受けながらも、スマホの充電ができるか早々に試してるというの、なかなかに打たれ強い子だと思います。トコいわく、カレーにしなかった理由はからいの苦手だから。なんという適当な理由! 理子の能力は風をおこせます。そよかぜレベル。栞は水。それはいいんだけど、あのペットボトルに水を貯めてる絵面、なんか手汗集めてるみたいで、ちょっとアレだな……。さて、我らが主人公みのりの能力はなんなのか。それが明かされます! ああ、ないのか。なにも出ないことにショック受けるみのりで皆遊ぶ、そんな具合。栞がもうはしゃいじゃって、これよいなあ。能力決定の真相判明して、みのりにはまだなにも能力が割り当てられていない。今後、それをゆっくり決めていくことになるみたいですね。そして生徒会長! ほんと、この人、残念お嬢さんで最高です。というか、この人、妙にカンがいいな。副会長の皮肉を勘違いして喜んでる姿も素敵すぎて、会長への好感度、ガツンガツン音たてて上がりましたよ。
『あじさいプラネット』。優ちゃん、水泳の補習です。高校組は高校組で凪、蓮のふたりが補習。ああ、雨音の監視に時間まわしすぎて、全然勉強が足らんかったのか。補習組の憂鬱。優の憂鬱を橙夏が晴らしてくれたりね、こういう交流、とてもよい。またこのふたり、凪、蓮と合流して、一緒に夏祭りへ。いろいろ組み合わせの可能性が広がっていく、そういうのもまた面白かったです。そしてもちろん晴奈と雨音のふたりもお祭りにいきます。はぐれないように手をつないでね、りんごあめね、晴奈ちゃんもひとくちどーぞ。いい交流です。優と蓮のメイド話面白く、凪、橙夏のふたりの関係もなんかドキドキ? あちらこちらに素敵な関係が成立して、実に楽しく読めました。
『にじいろエネルギー』、たいへんによいですね。陽菜がなんか弱ってる。鳴り止まない目覚まし時計。カーテンの勝手に動いて、霊なのか? なんなのか? 不穏な空気になっております。それで葵が怖がっちゃってね、でもそれらは全部シエルがやったことだという。なるほど、ツイてない陽菜、今日は特別にツイてない日なのだそうで、その陽菜の不運をシエルが懸命にはらってくれていたのか。シエルさん、健気です。不運の日とわかって、なんとか今日を乗り切るために頑張ろう、そう思う陽菜をくじく不運の数々。そのたびに不幸メーターが伸びていくのが面白かったです。本来見えないものが可視化されるのって、なんかよいなあ。不運メーターが振り切って、ついには地面にくずおれた陽菜、彼女がシロツメ草奇麗だなぁなんていってるの、あまりに気の毒で、それだけに面白かったのですが、まさかこれが伏線になってるとは! 陽菜逆転の一手ですよ。頑張ってくれてる、けど力になれなかった、そういって落ち込んでるシエルにシロツメ草のはなかんむりを作ってあげる! 通い合う気持ち! そして咲いて舞い散る花! なんと素敵な場面でしょう。さらには葵にほめられて喜ぶヒマワリ! ほんと、舞い散る花びら、なんて魅力的。ええ、とてもいいお話でした。
『音無さんは破壊神!』は文化祭の準備中。そうか、演劇をするのですね。白雪姫をするのですね。それはいいのだけど、全員に役を割り当てる必要あるのですかー! 無理矢理の四天王に謎のキノコ幼女。はたしてどんな場面に登場するのか、まったく想像もできない……。クラスに溶け込んでる神様に天使が面白い。しかもふたりが姫と王子役。それはいいんだけど、天使はなんでもそつなくこなすからいいんだけど、神様の演技! 感情の引き出しぶっ壊れてんな、すずの感想がもうそれだけでおかしかったです。演技を否定された神様が役を投げ出したせいでいりすが主役に。それはいいのだけど、そのやる気なのかなんなのかがえらいもの生み出してる? いや、やる気は関係ないのか。あの仁王像みたいなの、まえまえからなにか不穏な動き予感させてましたけど、こんなのが出現していたのか。まだ眠ってるみたいだけど、あれ、まんま破壊神の力とかそんなのだろうと思うのだけど、これが近々目覚める? 演劇本番当日に目覚める? ほんと、平穏って続かないのですね。
『かんきつパンチ!』、最終回でした。成仏すると決めた柚。彼女になぜか挑戦状です! 成仏したくばクイズを突破せよ。デザイン科、いつもの面々からそういわれる柚なのだけど、それは柚の送別会に繋げるサプライズの一環だったんですね。柚のためにバケツプリンを作ったんだよ。今日は柚が主役だって、皆がいろいろしてくれて、しめっぽいのはなしね、そういって明るく振る舞うんだけど、それがまた涙をしぼるのですよ。涙こらえて、笑顔でお礼を、そしてお別れをいう柚。最後には姉蜜柑とふたりだけのお別れが描かれて、姉妹の絆、お互いに相手を思いやる別れの言葉、どれもこれも素敵で、そして柚の最後のお願い。ああ、笑顔で友人たちのもとに戻る蜜柑。もう、これ、泣けて泣けてしかたがなかった。柚との延期されたお別れ、その明るく前向きで、晴れ晴れとしたその様子が、切なさや悲しさをうちに抱えてキラキラ輝いて、ああ、本当、素晴しいラストを描き出していました。そしてこのラストを成立させたのは、これまでに描かれてきた柚、蜜柑を中心とする皆の関係、その確かさのためであったと、強く強く思わせられたのでした。
なぜ単行本が出ないのか。
- 『まんがタイムきららミラク』第5巻第9号(2016年9月号)
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