『まんがタイムファミリー』2016年9月号、発売されています。表紙は『大家さんは思春期!』。今やってる夏の4コマキャラ祭りの統一フォーマット。単色背景にどーんとチエちゃんを大きく配置しましたというイラストです。しかしチエちゃん、手を口元に、こちらになにか呼び掛けようとしてるかのようで、よっ! 大統領! はないか。ほがらかな笑顔、元気な呼び掛け、こうした様子、実にチエちゃんらしいと思えます。
『かなみ育成中!』は叶美がスマートフォンに挑戦です。今まではいわゆるフィーチャーフォンを使っていた叶美ですが、それじゃ若者のコミュニケーションに乗り遅れちゃう。人気のRAINもできなければ知り合った男子とID交換もできないよ。うん、確かにはやりのコミュニケーションに乗っておくの、出会いやらなんやら考えると必須ではありますでしょうね。でも、この子らの場合、そうしたツールが揃っていてもどうにもままならない、そんな感じがあって、実際今回の叶美はそんな感じが濃厚でした。だって、発想が主婦だっていいますが、むしろお年寄りに寄っていて、スマートフォンの操作に不慣れ。でも弟たちの写真やなんやらをダシにされると、スマホにする! 孫がモチベーションになってるお爺ちゃんかいな! でもお年寄り扱いは嫌らしい。これも乙女心ってやつなのでしょうか。かくして叶美が慣れないスマホと格闘するってんですけど、ほんと、小さな弟の方がスマートに使いこなしていて、さすがデジタルネイティブだなあ。って、叶美もそうだよ! ほんと、今回はスマホ通じて叶美の素朴な魅力全開にしました、ってな具合でした。
『軍神ちゃんとよばないで』は、ほんと、えらいことおかしかった。上洛します。なので船に乗ります。それはいいんだけど、魚食べて酒飲んで海に飽きて部屋で本読んでたら船に酔った! そんな虎千代のわりとどうしようもない船上生活あらば、弥太郎の漕ぎ手にチャレンジ。いや、その掛け声はないよ! というか、虎千代さま、欲求不満って、なんですかその意味深なご発言! 今回は最後にもっていかれましたよ。船上で食べた梅干しの種、そいつを海に捨てちゃならねえ。梅干しの種には天神様がいらっしゃる。それが海の神様と喧嘩してしまうのだという船乗りの迷信なんですが、弥太郎が知らぬこととはいえ種捨てちゃって! ああ、これは嵐か!? 大荒れに荒れる海に翻弄されるのか!? みたいに思ったら、なんだそのクラゲ! え、このクラゲが神様!? え!? 海の神様は女神じゃないのん!? ほんと、最後の最後、あの一本に全部持っていかれた感ありましたよ。うん、あのクラゲ、ちょっと好き。
『ふみさんちの大黒柱』、なんと、おとうちゃんと呼ばれてるこの人、ほんとの父じゃなかったんだ。この家の大黒柱を自任する文野理人。なんか家族からいろいろせっつかれたりしてるこの人ですが、実際には叔父さんなのだそう。この家の子供たち、娘3人に息子ひとり。考古学者の両親は海外にいっちゃってて、その留守宅を理人が守っている。わけじゃないっぽいな、これ! 放っておくとちゃんとした食事もしない、それどころかひからびて死んでしまいそうな理人が心配だからと、理人の姉にあたる子らの母が、この家に住まわせることにした。そんな具合なんですね。しかし、理人さん、姪とはどこか似ているようで、締め切りが近くならないと書けない叔父小説家に、夏休みも終わりに近づかないと宿題に手がつかない次女。そのふたりの共感する様を反面教師とする三女はしっかりものっぽいですね。こうして人間関係整理されて、なるほど、すっきり見通しよく読んでいけそうですよ。基本シンプルな漫画です。大黒柱のつもりで世話されてる大人がなんだか面白い、そんな具合に読んでいくとよさそうです。
『恋愛処女は一枚上手』。芳文社の漫画でよく処女というタイトルが通ったな! 主人公福丸理一が幼なじみ恋木叶愛に好きだ好きだと告白するも、ちっとも通じないっていうんですね。その関係は5歳の頃から続いていて、なんとか仲を進展させたい、そう思う理一だけれど、どこか男勝りな彼女にはせいぜい友情の確認としてしか受け取ってもらえず足踏みしてる。なんとか気を引こうとお弁当作ったりして、俺は女子かとかいってるんですが、うん、そういう関係もいいんじゃないでしょうか! 不良と睨みあってる叶愛のこと助けようとしても、男の友情と思われたりね。しまいには、ヒーロー、主人公っぽくありたい理一がからまわりして、むしろ叶愛がヒーローっぽい!? でも、あのお弁当を食べてうんまーいと笑顔を見せる叶愛は可愛くて、実に魅力的と思いました。
- 『まんがタイムファミリー』第34巻第9号(2016年9月号)
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