2016年7月16日土曜日

『まんがタイムきららミラク』2016年9月号

『まんがタイムきららミラク』2016年9月号、発売されました。表紙は『うらら迷路帖』。千矢と紺のふたりが、水着姿で、フルーツたくさんでありますよ。水着がですね、千矢はイチゴ柄、紺はサクランボ柄。さらにはアクセサリー、髪留めにネックレス、ブレスレットにフルーツがあしらわれて、背景にもごろごろフルーツ。ふたりが座ってるのは寒天? 涼しげで清冽で、そして愛らしい、ふたりのそんなイラスト。ぐぐっと目をひくものありますよ。

桜Trick』は美月の恋の行方でありますよ。大学でのお昼時。理奈と一緒にお昼という時に空先輩から話しかけられて、そこで問われた恋の話。空先輩はフラれたんだっていう。答えて美月も、高校生の時にフラれている。でも、今となってはあの頃のような苛烈な情動がない。あんなに乱れて動いた心も今ではもう落ち着いていて、それは、ああ、理奈のおかげだって。ずっと支えてくれていた理奈。そうした彼女のあり方に動かされるものもあったようで、ああ、よかった、理奈。ずっと温めていた気持ちがむくわれる、そんな日がきたのかもって思える、そんな瞬間でした。しかし、このふたりの関係。ここからさらに進むのか。いや、進むしかないだろう。進まないとかないですよね? ほんと、期待しちゃいますからね。

『しましまライオン』。キリンのりんちゃんがやってきて嬉しいまこ。そんなふたりを一晩中見張ってたとか、女王、ほんと過剰な入れ込み、素晴しいです。人の社会に馴染めていないりん。むしろ反発してるみたいなところがある、そんな彼女をちょっとずつ説得していくみんな。ああ、今回の主役もりんだな。そう思っていたら、いや違った、まこといおんだったのか。いおん、夜中に無茶してたせいか、熱出しちゃった。そんな彼女をおぶって帰るまこ。その情景は、かつてふたりにあったこと、それに重ね合わされるようなものであったっていうんですね。りんが語ります。ふたりの出会い。なぜいおんがまこのこと、あんなに執着するようになったのか。ああ、命の恩人! いおんとまこの関係は、人になったことで以前とは違って近しくなったけれど、この近しさがいおんの望んだものだっていうのが、本当によく理解できる、そんなエピソードであったと思います。しかし、これ、最後に明かされたね、まこがいおんとの出会いのこと忘れてしまったの、その理由が切ない! ほんと、なんという悲しい片思いだったんでしょう!

ビビッド・モンスターズ・クロニクル』、うおお、これ、新たな展開だ。赤音がですよ、光理と一緒にお出かけしますよ。暗い顔してる赤音にね、どうかしたのか聞いたらば、アニメショップにいきたいがいけない自分を嘆いているという。って、ちょっと待って。君、中学生よね。隣町って遠いのか! 電車乗れないの!? え、これって赤音ちゃんがあかんたれなだけよね? 光理がいうんです、今から一緒にいこう。赤音が断わるんです、保護者同伴じゃないとって。それでまさかの千絵理! おおう、これ、赤音が欲しいゲームのグッズってビビモンよね。ということは、千絵理ちゃんと赤音、ふたりの距離がこうして近づいて、ビビモンという接点があるって知れて、バレちゃう!? 大変! 千絵理がやめちゃう! なんて思ってたもんだからさ、まさかアニメショップに辿り着けないなんて思いませんでした。光理が迷子に! って、この子、あやういな! 全然はぐれたこと気にしてない。それで千絵理が探して見つけて、あー、よかった、次はアニメショップだ。そう思ったら、赤音!? うわあ、もっと大変なことになった! 赤音ちゃん、可愛いから、さらわれちゃった!? 大変!! いや、ほんと、赤音が可愛いんですよ。千絵理ちゃんとの会話もね、この子の人柄、よくよくあらわれて、そしてその服もめちゃくちゃ可愛いの! そんな赤音が行方不明……。大変だ、心配でなにも手につかないよ! しかし、この外出が赤音にとって失敗や挫折になって欲しくない。彼女にとって楽しい、そんな思い出になって欲しい。そう思うからこそ、ここから光理、千絵理も、頑張って見つけて欲しいと思います。

『お願い!ロイヤルニート』、新連載です。由緒ある女学校。学内の寮に暮らすお嬢様たち。ロイヤルニートなどと呼ばれてる彼女らは、家がお金持ちでなんの苦労も心配もなく生きている。外に出る必要性も感じないのか、登校もせず寮にこもって暮らしている、そんな彼女らを、中でも一番のお金持ちである金剛桜花を登校させるべく送り込まれたのが我らが田中ほたる。この子、学費が払えなくて困ってるのか。なので学費免除の特権を得られるという条件で桜花を登校させるという話になってるっていうんですね。あ、お嬢様たち、登校しないでもいいのかと思ったら、そうじゃないのか。このままだと休学ないし除籍になるのか。個性的なお嬢様たち、明るく陽気な平珊瑚。凛々しくクールな源瑠璃子。そして華やかな金剛桜花。本気で登校を嫌がる桜花に、私自身を差し出します。そういって桜花の手をとるほたるに絆される桜花。そのチョロさは見事で、しかし、これ、素朴で一途でまっすぐなほたる。この子がロイヤルニートのお嬢様たちをとりこにする、そんな話と思ってよさそうですね。と、なにやらもうひとりお嬢様、いらっしゃる? おお、こいつは楽しみです。

『広がる地図とホウキ星』、これは面白いですよ。連続掲載だそうです。それってつまり連載じゃないのか? ともあれ、魔女の女の子。実家で学べるのは基礎魔法までというので、さらなる勉強するために首都、都会に出るというんですね。実家を出ていきます。そんな彼女の旅立ちの情景。ああ、なんだ、これ、のっけから素敵じゃないの。頑張って自慢の魔法使いになるからね。そういってバスに乗るリン。そんな彼女を見送る両親の、もう自慢だからという言葉。もう、これだけでじんとくる。さらにバスの中から見る、これまで一緒に学んでいた学校のクラスの子らの応援。それに魔法で答えるリンが魅力的で、ほんと、この子が皆から愛されてたんだってすごくよくわかる。しかしね、面白いのはこれから。だってさ、バス乗ったらさ、すぐさま首都に到着して、寮に入ったりなんかして、そんな展開がくるんだと思ってたんですよ。それが、全然違うの。乗り換えたバスでのお客さんとのコミュニケーション。バスの故障に魔法で力を貸して、魔法を使うとお腹が減っちゃう。そしたら乗客の皆から運転手さんから、いろいろ食べ物わけてくれてね、うわあ、この人情! ゆったりとした時間の中、自然と広がっていくリンと皆のコミュニケーションの輪、それが魅力的に描かれて、なんだ、この素敵さ、面白さ。渡し船のところもそう。あ、海竜とかいるのね。稚魚でいいんだ! なんか可愛いな。ここでもね、私の知らないタイプのたこ焼き屋さんを助けたりしてね、そのお礼でたこ焼き貰ったりね、いや、ほんと、なかなか目的地に辿り着けないリンの旅路。その途中途中におこるイベントが楽しい。宿屋さんでのやりとりも、すごくよかった。魔法の便利、その多様性も描かれる。リンの暮らす世界、それがどんなのであるかもよく伝わってくる。そして人の情! これがなにより素晴しい。これ、ほんと、いいですよ。明るくて、楽しくて、わくわくして、ちょっとしんみりもさせられて、描かれることの豊かなるさま! 次回は駅の町。ちょっと賑やかな町、そこでのリンの活躍はどんなだろう! もう、これ、心待ちにさせられるものありますよ。

  • 『まんがタイムきららミラク』第5巻第9号(2016年9月号)

0 件のコメント: