『まんがタイムきららフォワード』2025年2月号、先日の続きです。
『しゅがー・みーつ・がーる!』
お金のかからない楽しみを、というわけで市営プールにいった美都にカンナです。自宅外のプールははじめての美都。はじめての経験、社会勉強は美都にとってはとても刺激的な体験だったようですね。はじめてのプール。はじめて見るカンナの水着姿、そして一緒に滑ったウォータースライダー。いきいきとした美都の魅力。それもさりながら、美都を前にしてのカンナのがんばりが、さらに美都を喜ばせる。ああ、今回、本当に素敵なエピソードでありました。
いえね、カンナがね、本当は怖いのに美都のために一緒にウォータースライダーを滑ってくれたんです。滑ってみたら楽しかった! と、カンナも見事に上機嫌なのですが、その感想いうときに怖がってたことバレちゃって、そのとき見せた美都の笑顔よ! ちょっと小悪魔的。魔性感じるその表情は、どれほどにカンナのしてくれたことが嬉しかったか、同時にどれだけカンナのことが好きであるか、強く、強く訴えていたのですね。
プールを楽しんだふたりの、ひとつを分けて食べるアイスモナカ。これも、美都にとってはカンナを知る、そんな体験になったようで、どんどん気持ちを寄り添わせるふたりの関係性にハート鷲掴みでした。そしてとどめは名前呼び!
ああ、きましたね ええ、きたのですよ!
『ネコかぶりアンコール!』
猫かぶりを昔の知りあいにバレるわけにはいかない! 窮地に立った音子の戦いがいよいよはじまりますよ。
時は文化祭。メイド喫茶にて、過剰にキャラを盛っていく音子です。かわいいと評判? クラスの皆からは、役へのなりきりがすごいと感心されていて、そしてこの演技が、クラスの皆に自分たちもキャラをもっと押し出そう。そう思わせることに成功したのです。
どれもこれも、音子の思惑どおり。たとえ普段学校で見せている自分とは違うキャラを見せたとしても、演技なんだと思わせる前フリはできた。またこのクラスの皆は、本人のそれとは違うキャラを演じているのだと、そう思わせるための前提もできた。あとは旧友の到来を待つばかり! と、事前準備の完了までを描いて、なおいっそうのおもしろさを盛り込んできた!
ああ、音子の父ちゃん母ちゃんがきましたよ! 事情を知るふたりです。役になりきれと状況をおもしろがる悪い笑いだあ! そして無口な父ちゃんはというと、娘とおいしくなる魔法ツーショットを御所望だあ!
よかったなあ、父ちゃん。かわいい娘と最高のツーショットゲットですよ。ああ、ほんとう、こんなに素敵なひとときはそうないですよ!
感動していたら、ああ、もっと素敵なひとときがありました。印と妹芽依ちゃんが、芽依ちゃん御所望でふたり一緒にプリンセススタイル! かわいいお姫様揃い踏みに、ああ、なんて素敵なんでしょう!
ぎゃーす!
感動の嵐が吹き荒れるのですよ!
『ウクレア!』
情熱に欠ける私は、自分を見てという主張のない私は、古町フラフェスには出ないほうがいいのではないか。空子からそう告げられた灯火の涙と、キライという言葉。これ、空子にはずいぶんこたえたみたいですね。重苦しい雰囲気とともに海カフェ・ポノに現れて、楓と里桜に胸のうち打ち明ける空子なのです。
ここで見せた空子の涙。決して空子は感情に薄いわけではない。そのうちに強い気持ちを、思いを持っている子なんだってことが、楓の、里桜の言葉に導かれはっきりとしていく。その過程こそは描かれなかったものの、きっと空子のうちに芽生えていったろう、自分のいいところに向ける視線。それがこの子の自信に、この子の人を愛し、自分のことのように大切に皆の魅力を広く届けたいという思いに変わっていくのだとしたら、なんてすばらしいのだろうと思わされたのですね。
空子がみつけたもの。この子の辿りつく地平。それはどのようなものだろう。この子のがんばってる姿見せられて、自分のこと以上に気になるのです。
- 『まんがタイムきららフォワード』第19巻第2号(2025年2月号)
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