2024年12月13日金曜日

『まんがタイムきらら』2025年1月号

 『まんがタイムきらら』2025年1月号、昨日の続きです。

『しあわせ鳥見んぐ』

扉絵のすず、素敵ですねえ! というのは置いておいて、今回は特別編。見たくてもなかなか見られない野鳥に手を焼くすずのため、時を止めてみせる翼です。

というのは言葉の綾で、ふたりの訪れたのは博物館。剥製でもって鳥を近くに見ようというのですね。肉眼で、間近で見られる鳥は、これまで見てきた鳥とはやっぱり印象も違って、意外と大きいオオハクチョウ。剥製はちょっとなんだか怖いけど、それでも時を超えて目の前にあるタイムカプセルなんだって、それこそ絶滅して現存しない動物にも会える、そんな可能性があるのもまたこうした展示だと思ったんですね。

次へ次へと鳥を見ていく翼にすずですが、まだ実際に会ったことのない鳥は見ないでおこう。そうしたすずの思いもまたロマンチック。はじめて出会う、その感動を大切にしたいのですね。

『キミはあくまでも。』

あの契約から4年の年月が経ったのですね。ヴェネルの決断により、エクールカは存在を失う危機から脱し、今もヴェネルとともに存えている。そんなふたりの関係に思いをいたすサラロット。彼女もまた、あの時のエクールカ同様に決断を迫られる、そんな可能性を思っているんですね。けれど今はまだこのままで、マーシャの傍にいる時間を大切にしていきたい。ああ、願わくばこのしあわせな関係が、ずっとずっと続けばいいなと思うのでした。

そしてそれはヴェネルとエクールカにおいても同様で、背の伸びたヴェネルです。すっかり大人っぽくなって、エクールカのからかいにも動じないどころか、髪にキスしてみせたりして、おお、逆襲ではありませんか! 攻め受け交代、こういう関係性の変化もまたよいものだと思わされたのでした。

いずれは大人になり老いていくヴェネルと、姿を変えることのない悪魔のエクールカ。その様子に疑念を抱くものも現れるかも知れない。不安を口にするエクールカに、決して自分の傍を離れることは許さない。きっぱりといいきるヴェネルは、あの時の決断に迷うことも悔いることもなく、今もなおエクールカのことを思い続けているのですね。そんなふたりの関係に、素敵であるなと思わずにはいられない。エクールカの見せた笑顔が、ふたりのしあわせを物語ってみせて、本当に魅力的でした。

My Private D☆V

『異世界魔王ごっこ〜魔王は姫を倒したくない!〜』の蒼井ゆんです。

D☆Vポイントは、「きょとんとした顔とちょっとゴキゲンな顔と笑顔MAXの女の子がだーい好きです!!」。このみっつの表情の移り変わりを描いた3コマで、かけられた言葉に嬉しくなった女の子がその内心を伝えてくれるという小さなひとつのドラマを展開してみせて、その一連の描写がそれぞれの表情をより一層魅力的にしているのですね。

ぱっとほころぶ満面の笑顔の前に、一瞬の溜めともいえる静かな瞬間がある。胸のうちに兆した感情が、次のコマではじけて広がる。

なんでもない日常の一コマから、特別な瞬間にシフトする。ああ、こうしたことの連続が、世界を彩っていくのだと、ほのぼの心のうちの暖かくなるようなイラストでした。

0 件のコメント: