2020年8月15日土曜日

SPY×FAMILY

 買いました、『SPY×FAMILY』。最初はなにで見たんだったかなあ。この漫画面白いよ、みたいな感じでちらほら流れてくるおすすめを見て聞いて知っていた、みたいな具合で知らぬあいだに覚えていたタイトル。どこかしら気になる設定で、いつしか興味もわいて読んでみたいと思っていた。そんな時に試し読みする機会があったんですね。ちょっと多めの試し読み。と思ったけど、普通の試し読みだったのかな? 読んだのは1巻冒頭のエピソード、第1話分だけでしたね。けれど、これでよし買おうという気になったのでした。

買ったのは先月。読んだのは今日です。とりあえず第1巻だけ。ほんとはもっとはやく読みたかったのだけど、なかなか読みはじめる暇がとれなくて、今日の今日まで置かれてしまっていました。しかし、ジャンプの漫画ってびゅんびゅん読めるって印象があって、4巻くらいなら一瞬だぜ! みたいに読み進められるかなあと予想していたのですが、意外や時間がかかって、つまりそれだけの読み応えがあるといった感触です。

内容に極力触れないようにどういう漫画か紹介すると、スパイやってる男が任務遂行のために子供と妻を調達しないといけなくなり即席でできあがった疑似家族もの、であります。父が訳有りなら娘も訳有り、さらには妻も訳有りでという、一見してそうとはわからないけどバリバリの訳有り一家。当座の利害関係にもとづいてでっちあげられたみたいな3人が、互いにその情をもって思いやる様子を見せたり、さらにはその思いをくんで義憤にかられてみせたりと、そうした嘘だったはずの関係が本当のものに転じていくといったところは見ていてすごく気持ちがいい。それに、さすがは少年ジャンプ、ではないな? どこで連載されてるの? ともあれ、わかりやすく割り切られた勧善懲悪的な見せ場。それもカタルシスありますよね。

スカッとするのです!

訳有り人物いっぱいで、というか物騒すぎて普段の行動もろもろに若干モヤることがあったりしても、たいがいタガが外れてる人たちですよ。いろいろやりすぎで、なのになにかしら隙もあったりして、そうしたところから漏れでる人柄に面白みがあったりチャーミングと感じさせたりするものがあったりするのです。また、主要人物は基本的に善人ばかりで — 、いや、善を成してると思ってやっていることがそれって、やっぱ歪んでるよな!? みたいな感じでもあるのですが、そうしたいびつさに取り巻かれた状況において、最後に残る正しさが家族の情みたいな構造になっているのを見るに、これらは全部計算された上でのことなのでしょうね。

ところで、これを書き出した時にはまだ1巻しか読めてなかったのに、書き終えようとしている今は3巻まで読み終えて残るは第4巻のみという状況です。不思議です。不思議ですね。ええ、とても不思議です。

  • 遠藤達哉『SPY×FAMILY』第1巻 (ジャンプコミックス) 集英社,2019年。
  • 遠藤達哉『SPY×FAMILY』第2巻 (ジャンプコミックス) 集英社,2019年。
  • 遠藤達哉『SPY×FAMILY』第3巻 (ジャンプコミックス) 集英社,2020年。
  • 遠藤達哉『SPY×FAMILY』第4巻 (ジャンプコミックス) 集英社,2020年。
  • 以下続刊

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