2020年8月30日日曜日

『まんがタイムきららキャラット』2020年10月号

 『まんがタイムきららキャラット』2020年10月号、一昨日の続きです。

『まちカドまぞく』

うどんを持って桃の部屋を訪れたシャミ子。昔のことを話そう。桃のことをより深く知る機会が! と思って喜んだら、なんとまあ、桃の部屋、全員集合してるじゃん。これ、桃が呼んだの? とか思ったら、なりゆきで合流なのか。まさかここから皆が桃の部屋に集まるまでの状況が語られるとは予想外。本編、桃の過去話までもう少しかかるっていうんですから、贅沢というかなんというかでありましたよ。

しかしこの集合のくだり、皆が桃のことを心配してるってよくわかる。面白がってるみたいな人もいるけど、それでも桃のこと思ってくれている人がいっぱいで、そして桃もこの人たちのこと、そしてこの町についても大切に思ってることが描かれて、ああ、それもこれもシャミ子と出会ったのが大きなきっかけだったというのですか。

桃の過去にあったこと。姉との別れ? 作りなおされた世界? 命を失いかねないほどに負傷したこと? それらがついに語られるのでしょう。シャミ子が桃の夢に入り、その記憶を邪神像経由で映像出力する。って、HDMIポートつけられてるん!? ほんと、小倉、どういう技術力なのか。

ともあれ、シャミ子が桃の夢に入って、そこで見る、知ることとはいかなるものか。父の封印など、そうした状況も語られることとなるのでしょうか。ちょっとした正念場? わりと安心はしていますけど、結構ショックな展開もあるかも知れませんね。

『RPG不動産』

人のいない島。けれど昔はそれなりに住人はいたというのですね。ただ、交通の便が悪かったりして、だんだんに人がいなくなっちゃった。ワープ装置が移動も輸送も担ってるこの世界。便利な場所に人は集まって、ここみたいな孤島は自然過疎化していって……。こうした事情、どこか現実味あって面白いんですね。

今回は島の物件を見にいきます。入居者のいないアパート。その管理を任されることになったというのですが、荒れ放題の庭には尋常でなく危なそうな植物がたくさん生えていて、食虫植物とかいわれてたの、いきなりアリスをぱくりと一口にいくってね。尋常じゃない。命がいくつあっても足らん世界ですよ、ここ。

物件の近くで見つけた温泉。これがこの島の発展のきっかけになりそうですよね。アリスが入ったしびれる温泉は敏捷性をあげる効能があって、さらには力や魔力の強化、傷怪我体力の回復をしてくれる泉もあってと、とりわけ回復の泉は即効性ある湯治場ですよね、多少不便でも需要が見込めそう! 今後の展望に算段がつくんですね。

この漫画、状態異常やステータスアップなど、RPG的お約束を盛り込みながらも、どこか現実的な問題設定があったりと、こういうバランスが面白い。今回の島を取り巻く状況なんかがそんな感じ。今後への期待も高まろうというものです。

『精霊さまの難儀な日常』

海底火山をしずめるためにサラを海中へと向かわせる。そのための作戦を練る精霊たち。一発勝負は危ないとリハーサルをしてみたところ、思った以上に氷の溶けるのがはやい。予想もしないトラブルが発生して……、とここで人間たちの介入があるというのが実にいい。ええ、人の世界の大ピンチに、精霊たちと人がともに持てる力、知恵を出しあって取り組もうという。そのともに手をとる関係のできているということがとても素敵だと思ったのでした。

ともりのスタンスがいいですよ。氷の溶けるのがはやいのは塩分濃度と不純物の影響と、やっぱりこの子は知恵の子だな! 解決案を提示して、でもって無茶はしないよって、沖になんていかないよって、こういうクールなところ? 割り切ってるところ? 合理性だよなあ。そういうの、ともりの魅力だと思う。対してルカによりそうすみの、ノムをいたわるいろは。それぞれに違ったやりかた、異なる関係性でもって精霊と人とが助けあう情景が描かれる。その多様さがまたよかったんですね。

合理的なともり。クールなともり。いつもどこか本心を隠している、そんな風だったともりが、サラに怒ってるんだって素直な気持ち表して、そして、無事に戻ってきてくれたら全部……許すよ、目に涙を浮かべていうんです。この場面、静かだけれど、大きな感情の動きがある。いよいよ次回、最終回とのことですが、その直前に大きくステップするための溜めが作られたようにも思われて、それだけに今回サラが最後に見せた選択。その行方が気になってしまうのです。

0 件のコメント: