『まんがタイムきららMAX』2020年10月号、発売されました。表紙は『いのち短し善せよ乙女』。うちでのおおきづちを奮う乙女をまんなかに、夏芽、デモニカ、杏エリカがどどんと飛び出してくるかのような元気いっぱいの愉快なイラストにしあがっています。これ、実際におおきづちから飛び出してきたんだな? ちょっと驚いてるっぽい夏芽、デモニカもそうかな? でも、杏エリカだけは無邪気に笑っていて、みたいなその表情のギャップよ。しかし、この一番笑顔で罪のなさそうなやつが、本編だと一番悪辣……。集中線もダイナミックなこの勢い。本編にも通じるものあっていいですよね。ええ、コミックスももうじき発売。勢いつけてどかんといってほしいですね。
今月は新規ゲストが1本です。
『瑠東さんには敵いません!』
主人公、和村千紘が可愛いですね。最初、可愛い系男子? と思ったら、あ、スカートはいてるね? この子が、前の席の人気者、なんでもできて明るくほがらか、友達いっぱいの瑠東から、なんだかんだとアプローチ受けている。いきなり授業中にツーショット写真とられたり、さらには落としたペンをかどかわされたりと、いったいなにごと? なにか悪いことしましたか!?
と思っていたら、この瑠東さんって人、本当はお茶目で、イタズラ大好き、ふざけたこと大好き、やたらとおちゃらけた性格で、普段はそれを隠している。しかし和村の前だと本当の自分でいられそう! というので、飾らなくていい友達になって欲しいと懇願されたんですね。
秘密の友達? 本当の瑠東を知るのは私だけ? なんだか特別感ある関係になったわけですが、これ、絶対に振り回されるやつじゃないですか!? いやもう、翻弄される和村ちゃん、きっと絶対可愛いだろうと期待させられます。
『いのち短し善せよ乙女』
見せ方の工夫、展開の意外性、今回も思いがけないもの見せられて、いやあ面白かったです。夏の日、買い物から帰ってきたら乙女の家の前でデモニカが倒れていた。なのでさっそくデモニカを介抱するんですが、目覚めたデモニカにめちゃくちゃ警戒されててね、善行するつもりだろう! 最初はあっけにとられてた杏エリカが瞬間悪い顔見せるんですね。あれ、最初はさ、その手があったか! とか思ってると思うじゃん? でも違うよね。あとからわかる杏の魂胆。こ、こいつ。ただデモニカからかって遊びたかっただけだ!
ほんと、この漫画は天使が一番悪辣にできています。
アイスキャンディーにかき氷、冷たくおいしい夏の楽しみを前にして強がってみせるデモニカですよ。素直になればいいのに、なにが善行アイテムかわからんからおちおち手も出せない。この葛藤。挑発する杏のあの表情! やっぱ悪いやつだわ。
今回の善行、デモニカが目覚めた時にはとっくに完了していたというのが面白い。ちょっとバツ悪そうに笑う乙女が可愛いですよね。とか思ってたら、BLノート発見されて読まれちゃって! って、今回は乙女がわり食って終わるオチ。でも、あのちょっと焦って怒ってる乙女、これも可愛かったんですよね。いいヒロインです。
『ぼっち・ざ・ろっく!』
お、おおう、つらい。今回はつらい。進級しました、クラス替えです。新たな人間関係を一から築きなおさなければならない、トラウマ学校イベント第3位! とかいってますけど、トラウマを刺激するのはクラス替えよりもぼっちのひとりよがり自己紹介だよ!
なんとか人から興味もってもらいたい、その一心からヒッピースタイルで登校。って、なんでそんなの持ってるの? さいわい喜多と同じクラスになって、喜多、後藤と席順が前後ろになったのも僥倖。クラスの自己紹介では、コミュニケーション強者の喜多ちゃんがぼっちのためにお膳立てしてくれて、ああ、ぼっちよ、もう普通に、無難に自己紹介するだけで大丈夫だぞ? そう思っていたら、あのひとりよがり自己紹介を、キャラも作りきれてないくせにしどろもどろで敢行しちゃって、つらい! ほんとにつらい。見てていたたまれない。死んでしまいそう!
ああ、これが共感性羞恥というやつなのか。本当につらい。読者にダメージ入りまくりやんけ。いやもう、おそろしいエピソードでした。
しかし、ぼっち、失敗はしたもののなんだかんだで人間関係広げていけそうですね。ぼっちのステージを覚えていてくれていた佐々木次子。喜多の友人。なんだかぼっちの今後にもよい展望が!? うん、無理して受けをとろうとか考えず地道に、普通にいこう! 喜多ちゃん、ぼっちのこと頼んだよ!
- 『まんがタイムきららMAX』第17巻第10号(2020年10月号)
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