2020年5月22日金曜日

『まんがタイムきららMAX』2020年7月号

 『まんがタイムきららMAX』2020年7月号、昨日の続きです。

『みわくの魔かぞく』

ミラの祖母がやってきて、三世代にわたる家族団欒でしょうか。そんな中、やたら美形だったりダンディだったりに変身してるパパがおかしくて、ああ、これ、ツッコミ待ちなのか。ミラに冷たくあしらわれて、魔王といえど娘には弱いのですなあ。

ミラの祖母ミサとビーストのビーちゃん、仲が悪いんですね。それこそ顔見かけただけで蹴りいれにいくレベルでなのか。いきなりの暴力沙汰見てもまるで動じないミラ、すごいな。すっかり慣れっこだ。吸血鬼とビースト、ふたつの種族はもともと不仲で、今では互いに強調しあったりもしているけれど、ミサとビーはそうじゃない。喧嘩することないってわかっててもいがみあってる、そんな感じだっていうのですね。

今回、ビーが持ってきた不思議な箱。これ、魔王が封印していた、ミラの母の好きだった景色なんだ。母の思い出の場所に立って、母からのメッセージが吹き込まれたカセットテープを手にして、ええ、ここはミラにとって、ミラの母にとっての大切な場所。そんな場所であってもいがみあっているミサとビーにきっぱり説教したまいがよかったなって思ったんですね。ミラのことを尊重している。誰かが大切にしているもの、それを自分も大切にしたいと思っている。そんな共感、優しさというものが感じられた。ええ、いい子ですよ、この子。

今回の話は、ミラの母との関係において大切なエピソードですよね。それと同時に、まいにとっても大切な回であったと思われて、ええ、こうして少しずつミラの知らない自分を開いていく。そんなまいの一歩前進みたいな感じ。悪くなかったです。

『JKだって落語がしたい!あなざー!!』

ええと、あなざー? 先月ゲストとして登場したこの漫画ですが、これは前回とはまた違う高校での話。内気な女の子末広いくみが、ひょんなことから知り合った落語少女、鈴本京子の落語に触れて、ええと、ちょっと強引に聞かされたって感じではあったんですけど、最初はいろいろ戸惑いながらも、京子の表現する世界に引き込まれて、自分もこんなふうに思いを伝えられるようになりたい! 新しく知った世界に踏み込んでいくことになったというのですね。

この漫画、今回はあなざー。じゃあ次回はもああなざー? あるいはふたたび天神みかたちの落語部に立ち戻ったりするのかな? いずれはあなざーと本家? このふたつの落語部が出会って、みたいなことにもなったりするのかも知れませんね。こうして、いろんな部、学校、落語との関わり方が描かれて、時に出会ったりみたいに重なりあっていくような見せ方。こういうの割と嫌いじゃないですよ!

『社畜さんと家出少女』

花火大会の出来事。ナルがくるまでホドの屋台の手伝いをしているユキ。そのかたわらで、やたら生き生きとしているミユがおかしくって、この子にとって呼び込みは天職なんですか? そのやたら充実している感じが、もうね、見てておかしくて、面白くって、もうこれだけで充分以上に楽しませてもらった、そんな感じがありました。

そしてほどなくナルが到着するとなって、ユキが浴衣に着替えます。この浴衣、ナルとホド、そしてアオの学生時代の思い出の浴衣なのですか。でも、アオ、売っぱらっちゃってるし! この残念感! 本人、まるで悪びれるところがない! このあっけらかんとしたところ、これはこれで美点なのかもなあ。しんみりとする思い出も、この人がいたらカラッと乾く。そんな感じ。涙だって速乾だぜ! みたいな感じ。ええ、乾燥機みたいな人ですよ。

かつて自分が着た浴衣を身につけたユキを見て、心底感動してるナルがおかしかったですよ。ええ、きっとこうなると思ってた。で、ちょっとホドが嫉妬してる? いやあ、でもその本音をぐっと抑えて表には出さない。この屈折よ! 小出しに素直に出していってもいいんじゃない? と思うけれど、それをしないのがこの人なんでしょうね。そうして、ちょっと遠慮して、好みの浴衣もナルに譲ってね、そんな不器用なホドさん、結構好きですよ。

ナルとユキそしてミユの3人でまわる屋台。スーパーボールすくいにナルの人生をかけてみたり、そしてろくに当たりの入ってないクジにあえてハズレを狙いにいったりと、このはっちゃけた時間から、ともに過ごす時間を慈しむかのようなユキの心情に深く分け入っていく。その描写に、この子の、そしてナルにとっても、今という時、そして互いのことをどれだけ大切に感じているかというのが伝わって、ええ、しんみりとさせられたのでした。

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