2020年5月26日火曜日

オーバークック

 やっと遊びましたよ! 『オーバークック』。簡単にいうと、キッチンスタッフになって客注をただたださばいていくゲーム。マルチプレイ可能! シンプルな操作、わかりやすいゲーム性。調理という、たいていの人がそれなりに経験したことのありそうな題材で、分担分業の協力プレイ。調理こそはかなり抽象化されていてリアルさからはかけ離れているのですが、別にそういうリアリティを追求するゲームじゃないんだからそれでいいんです。むしろリアルじゃないからこそ面白い。トリッキーなキッチンレイアウトのせいで、動線が無茶苦茶にこんがらがる。遅々としてはかどらない調理作業は作業者の注意をこれでもかと削ぎ、恒常的に足りない皿が混乱に拍車をかける。もうパニックといっていいくらいに大騒ぎしながら、なんとかかんとか注文をさばいていくというのが実際にプレイしてみた感覚であります。

このゲームのいいところ、それは操作が簡単という点だと思います。移動に左スティック。あとはボタンふたつで必要な動作がまかなえるというシンプルさ。このおかげで、普段ゲームをあまりしない人でもとっつきやすくなっている。最近のゲームって大量にボタン使うじゃないですか。上面にボタンが4つあって、左右人差し指で各ふたつ。合計8個のボタンを使い分けた上で、スティック押し込み! みたいな。

でも『オーバークック』は簡単。持つ/置くがAボタン。野菜を切ったり皿を洗うのにXボタン。以上! わかりやすい! おかげで、普段あまりゲームをしていないと思われる相手でも、慣れないながら一緒に楽しく遊ぶことができたので、これ、盆暮れ正月などの帰省時期に遊ぶゲームとしても大合格です。

操作は簡単。クリアも最低限でいいならそんなに大変じゃない。けれど、星みっつを獲得しようとしたら、結構綿密に計画して、きっちり作業分担、効率よくコトを運ばないといけない。そんなゲームでした。それこそPDCAをまわす。みたいな気概で取り組むといい感じ。まずは威力偵察、わからないままプレイしてどんなステージかを知ることからはじめて、どこが混雑する、ボトルネックになるかわかってきたら、その解消策を提示して試す。うまくいったら次の問題に移り、うまくいかなかったら再度改善策を出しあう。自然とそんな感じのプレイになるんですね。

プレイ中は、慌てない、騒がない、人のせいにしない。これが大事。移動する時、なにかする時は声出し重要。意思疎通を大切にしないと、作業がバッティングして無駄になったり、互いに邪魔しあうことになったりするので、人に任せる時はもう全部信頼して投げておく。また自分ひとりでなんでもかんでもしようとしない。そうしたことを学べるのは素晴しいなと、ほんと、感心させられましたよ。

自分ひとりでなんでもしようとしないというの、これ、ほんと大事なんですよ。例えば、料理ができたら皿に受けて客に出す。その、皿に受けて客に出す係になってる時に、ほら、どうしても暇な時間ができるじゃないですか。料理のできあがるの待ち。さらにはその前段階である材料の下ごしらえ完了待ち。そこで自分が暇だからといって他の領域に手出しするとですね、たいていなにかしら破綻するんです。これ、びっくりしました。暇だったはずなのに、他の作業にとりかかると、もともとの領分で仕事が発生、一気にそれが積み上がって、全体の仕事がまわらなくなるんです。

料理ができあがった! なのに皿がないよ! あーっ、皿係が厨房にいよる! 慌てて鍋係が皿をとりに走って、そうしているうちに鍋が火を吹きそうになってーっ! みたいなカタストロフに陥っちゃうのね。ほんと、ちょっと暇ができたからといって持ち場を離れるの、駄目! 絶対! これはすごい学びでありました。

その時その時で臨機応変に動く必要はあるんです。けれど基本貼り付いていてもらわないといけない役割もあって、貼り付き役と遊撃役と、それを意識しておかないといけないんだなあ。なので黙々とひとつのことをこなすのに長けた人は貼り付き役に、手の足りないところ見つけてはヘルプにいっちゃう人は遊撃役にと、性格に応じた割り振りできると成功率はあがりそうですよ。

とりあえず初回、3人プレイでざっと数ステージを遊んでみまして、これは大人同士で遊んだ方が面白いゲームやな、っていうのが大人ふたりの共通した感想になりました。子供が駄目ってわけじゃないんですが、きっと子供が増えるほどにカオス度高まって、大人だけのプレイとはまた違うフィールになっていくんだろうな。ええ、参加者の傾向でフィールががらりと変わりそう。そんなゲームでもありました。

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