『まんがタイムきららMAX』2020年7月号、発売されました。表紙は『しょうこセンセイ!』。ちんまりしょうこセンセイが、尻もち? じゃないよね。どーんと飛び込んできたようにこんにちは。背景が深いオリーブグリーン、これ、黒板なのか。なので、各種タイトルも白と黄色、チョークでもって書いた、そんなイメージの配色しているんですね。先生、右手にチョーク、左手に教科書持ちまして、実にいい笑顔。ええ、この笑顔、気持ちもぱっと明るくしてくれる、そんな輝きがあって素敵であります。
今月は新連載が1本、新規ゲストが1本です。
『きんいろモザイク Best wishes.』
新連載です。新連載。ハロー・アゲイン! とかいってたり、さらには地底ちゃんのつぶやきが前作継承してたりと、でも間違いなく新連載。高校を卒業したシノ、アリスたちの日常? いろいろを描いていくことになるのでしょうが、第1話目はイギリスに暮らすことになったシノとアリス、ふたりに届いた手紙をきっかけに、かつてアリスが実家に送っていた手紙に触れて、日本での留学時代を振り返ろうというのですね。
しかし、シノ。えらいこと着飾ってますね。日本ではやりたくてもやれなかったのか。一応、いろいろ遠慮しとったのか……。でも、イギリスでもさすがにやりすぎ。家庭内で邪魔になってるくだりとか、べらぼうに面白かったです。
シノの成長といっていいのでしょうか。アリスの書いた文字なら翻訳スピードが上がる力! どんなやねん! でも、イギリスに憧れながらも英語があやしかったシノ、留学の効果もあるのでしょうね、英語力が育まれているようでなによりでした。でも、英語力はついても記憶があやしい!? アリスの思い出を捏造よばわりするとか、さすがというか、無茶な子だなあって印象はさらに強まって、けど続くアリスの思い出見れば、シノ、日本にいたころから相当だな……。土足で踏まれてはあはあって、待って、シノ、あなたヒロインなのよ……?
こうして、まずはこれまでのことを振り返りつつ、互いの仲を確認して、そして次回からは新しい彼女らの日々が描かれていくことになるのでしょう。また新しい友人などもできてくるのかも知れませんね。
『カワイイ?女子にご用心!』
これ、すごいな。めちゃくちゃノリがいい。というか、キャラクターのインパクトがすごいよね。わりかし普通寄りの子らだと思ったのに、いや、それは無理か。デンマークからきたばかりというエヴァ、この子の登場、まるっきりホラーのそれだものな。ひとり隠れてノートに漫画を描いてたヨウちゃんも、服に名前、ランドセルに学校名、背中にクラス、ノートに星座と血液型、個人情報ダダ漏れで、それ見て読み上げてるだけのエヴァがあたかも妖怪じみた怖ろしさ醸し出して、ほんと、このふたりのやりとり、面白い、おかしい、けどなんかどっかザワザワする。不穏だ! なんだろうこの感触。癖になりますね。
最初は遊具に首だけ突っ込んできたエヴァの、だんだんその全身像が明らかになってくる、そういう見せ方は巧みだったと思います。アヤシイやつ!? 不穏なやつ!? なんかおかしなマニューバがキモい! さらには妙にぬぼーっとうすらデカくて……、と思ったらなんか乗ってる。こういう、これでもかと畳み掛けてくるフックの数々、これがとにかく面白くって、可愛らしい絵とのギャップも手伝って、ぐいっとつかんで引き込む力になってると思いました。
しかし、なんか言動がヤバいの、エヴァだけかと思ったらヨウちゃんも大概だな……。描いてる漫画っていうの、少女漫画系なのかと思ったら、ええと少女漫画でもいいのかも知れなけど、いわゆる百合系でありますね。見られることとにかく嫌がるのはいいとして、『半熟マーマーレード』の悲劇から『渚のマーマレード』の発想、気持ちの切り替えのはやさ、それがもうおかしくって、エヴァも読者も置き去りにする勢いがすごい。でもって、『半熟マーマレード』を読んだエヴァの感想。あんた、持ち込み原稿を批評する編集者かなんかか! ほんと、可愛いキャラクター、でも中身はシビアでビターというこのギャップ。えらいのが出てきたと思わされましたよ。
でも、ヨウのヤバさ、まだまだ序の口でしたね。エヴァに漫画のことちょっと褒められて有頂天になって、友達といわれてそれはそれは喜んで、それはいいんだけど、この子の願望というか欲望があらわにされるあのくだり。もうね、たまらん。ちょっとエヴァが遠ざかってるじゃないですか。ほんとおかしい。ほんと面白い。ええ、これ、次回、おおいに期待します。
- 『まんがタイムきららMAX』第17巻第7号(2020年7月号)
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