『まんがタイムきららフォワード』2020年7月号、昨日の続きです。
『スローループ』
のっけから魂抜けたようになってる小春。なにかと思ったら、夏休み終了目前の恒例イベント、宿題が終わってない! ってな状況に陥ってるんですか。宿題に追われてるのは小春だけ? と思ったら、ひよりはひよりで無心? というより空白な心で俳句づくりに取り組んでいる。そうか、苦手か……。苦手なんか……。
勉強の息抜きに、というのでひよりがくるくるを提案するんですね。くるくる? なにそれ? と思ったら、フライづくりなのか。タイイング。釣り針に糸をくるくるってやるから、くるくる。わかりやすい。それで結構しっかり作り方をレクチャーしてくれるんですが、これ、難しくない? なるほど、毛ばりのケバケバってこうやって作るんだ! 納得させられたりするところもあったのですが、さあ道具は貸してやるからやってみろ! っていわれたら、無理かも……、みたいになりそうで、ゆっくりでもちゃんと作れた小春、結構すごいんじゃなくって?
そしてこの毛ばりづくり。くるくるがひよりにとっての大切な思い出になっているという話。これがすごくいい話でね、今はすっかりクールビューティの恋ですけど、じょうずにまけないっていって泣いちゃったりした時代があった。でもその時のうまく作れなかったフライをちゃんと大切に保管しているひよりもね、本当、これをどれほどに大切に思ってきたかわかろうもの。それは大好きな友達からのプレゼントだからっていうの、あるいは大切な友達の思いそのものだからでしょう。ふたりの積み上げてきた時間や感情、いつくしみ、それが感じとれるように思ったエピソード。素敵でした。
『球詠』
合宿前の練習試合。新たにチームに加わったピッチャー、川原光。この人のピッチングを見ようという登板に、ヨミがめちゃくちゃ意識してるのがおかしくって、冷や汗だらだら、どんだけ警戒しとるのん!? いやもう面白かったです。しかし、これまでいなかったタイプの投手です。制球甘く球威も低いがバリエーション豊富で緩急あるピッチング。なるほど、駆け引きでもって戦う、そんなタイプのピッチャーになるわけだ。そして攻撃では、見事なフルスイング見せつけて、そしたら今度は希がめちゃくちゃ意識してきて、いやあ、光の入部であちらこちら刺激されて、いい影響出てそうですね。いや、まあ、希は力みすぎて、みたいな結果になってましたけど。
ヨミ登板も面白い。というか、この子のマウンドのあのポーズ、なんか面白いよね。だいぶ好き。そしてヨミが試したいというアレ。というか、顔が怖い。いったいどんな球が!? と思ったら、見事なすっぽ抜け! ほんと、めちゃくちゃ面白い。それだけ光の存在を意識しちゃってるんだなあ。さらなる幅、可能性を自分の中に見出したい、そんな意欲がひしひしと感じられて読者にとっても刺激的でした。
今回の練習試合は、ヨミの球を見切る選手はわりかしいるということ。強豪校の存在感ですよね。それを意識させられて、また同時に新越谷も結構いける。ええ、未来への可能性も開いてくれた。そんな抜けるようなすがすがしさある回でした。
『はるかなレシーブ』
成美のビーチバレー日本一にかける思い。その根源となるエピソードが語られて、ああ、転校した先で孤独だった自分を救い出してくれたかなた。けれどかなたとはチーム解消することとなって、そしてかなたの母との果たされることのなかった約束。それが棘のように胸に残ってしまった成美。その苦しみを越えるために必要だったのが、日本一を勝ち取るという決意だったというのですね。
たとえ相手がかなたであっても決してゆずりはしない、成美の決意と、食い下がって食い下がってなんとしても勝ちをとりにいこうとするかなた。ふたりのこのせめぎあいは息詰まるようで、圧倒的な強さ見せる成美に、ここにきて伸びを見せるかなたの可能性。ほんと、このふたりの関係、そしてそんなかなた、成美を見守りともに戦うはるかの思いもノッてきて、実に熱い終盤の攻防。もうたまらないですよ。
『ちょっといっぱい!』
面白い子が出てきたなあ! なんかちんまり元気な子。ええと、ギャルってこういう感じなん? 日焼け? 金髪? おそろしいほど前のめり。なるほど、バイト志望でありましたか。星野エリカ、春から高校生。おそろしく活発、おそろしく前向き。独特な言語感覚もあいまって、大丈夫なのかこの子!? 若干の心配、不安もよぎるけれど、話を聞けば聞くほどに、悪い子じゃないなってわかってくる。そんな人懐こさあるの、これ、好感触でありましたよ。
しかしこの子、オタクなのですな。売り子としてコミケに参加したりしてるのか。なるほど、ママの友達の手伝いなのか。それで、それで、ちょっとネタが古いんだな……。よろしく……、よろしくメカドックは、君のお母ちゃんの世代じゃなくなくなくない? そしてエリカの祖父がこはる屋の常連で、これまでいろいろこの店のこと聞かされてきた。それで興味があったっていうんですね。
なんだか面白くなりそうな子です。最初は戸惑い隠せなかったもみじも、それと店長も? この子の溢れんばかりの好き好きオーラに、しまいにはすっかりほだされちゃって、ああー、ほんと楽しくなりそう。他のメンバーともはやく引き合わせて欲しいですね。どんな反応、どんな展開があるんだろう。それが心待ちですね。
- 『まんがタイムきららフォワード』第14巻第7号(2020年7月号)
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