『まんがタイム』2020年6月号。発売されました。表紙は『おとぼけ部長代理』。部長代理とその妻と、ふたり手をつないで仲睦まじそうに笑みを交わすその様子、とてもチャーミングなイラストであると思います。今回は恋の季節がテーマですか。『恋愛ラボ』マキとリコのふたりはラブレター手にしていましてね、『花丸町の花むすび』は花子と背中あわせの原田兄。手にした花が伝えても伝わらぬ恋心ってやつでありましょうか。『レーカン!』天海さんは、なんかちっこくなってキューピッドスタイルでありますよ。この他に『ハニトラなんか怖くない!』巻中カラーの告知カットがございます。
『ローカル女子の遠吠え』
方言に翻弄される雲春、めちゃくちゃ面白かったです。静岡ことば、ちょびちょびするとはいったいどういう意味なのか? いやらしい意味だったらどうしよう!? それでりん子には聞けなくなって、鎌木に訪ねたらば、えらいこと吹かれてしまったっていうんですね。ビールまみれになってる雲春、めちゃくちゃ笑いました。
ちょびちょびするっていうの、関西でいえばいちびるにあたると思ったらいいのかな? ちょんびーというのはいちびり? でも鎌木解説の用例見れば、ちょびちょびの方が使えるシチュエーションが多様かも。いちびりは恋模様には使わない。ケンカはいけますな。いちびっとったらいてこますぞわれ、みたいにいけますわ。
今回意外だったの、覚えたてのお国言葉をさっそく使ってみようとした雲春でした。あんた、そんな嬉しそうに地元溶け込みアピールみたいなことしちゃう男だったのかい!? いやでもこれで大失敗しちゃうの、ほんと、雲春、なんか間が悪いよね! ほんと。
そしてラストの魔性の女、油野! 新たな言葉、ちんぶりかえる! ほんと、もう、今回おかしくてたまりませんでした。というか、なんでもいやらしい言葉と思っちゃあいけませんよ、雲春さん。しかし油野さん、最高でしたね。魔性ですわ。
『六畳一間の憑き物石』
こいしの来歴、どうやらはっきりしそうですね。はたして瞬がどこからこいしの石を連れて帰ってきたのか。亜依が瞬の交通系ICカードの履歴からその日の足取り調べてきまして、それで向かったのが瞬の降りたという山の方のバス停。はたして祠ないしなにかが見つかるのか。それが見つかれば、こいしは無事もとの場所に帰ることとなって、瞬との暮らしも終わるのか。
こいしの胸中に吹き荒れる思いが切ないですね。本当なら帰れてよかったはずなのに、今は戻りたくないと思っている。しかし瞬にも亜依にも、その気持ちは伝えられずにいて……、というの。いや、でも瞬にはもしかしたら伝わるかも? というところで、亜依からの報告。祠発見! いってみたら、そこにはこいし似のミステリアス美少女が! って、待って? こいしは本来この祠に祀られていた神様かなにかだけど、その神様は健在で、瞬のもとにやってきたこいしは分家みたいなもの? のれんわけ? いや、なんだ、わからなくなってきたな。
この展開、はたしてこいしは神様っぽいこいしに出会ってなにか思い出すのか。なにか判明するのか。今のところ、この展開、こいしにとっても思いがけないもののようでありますね。
『茨城ってどこにあるんですか?』
多恵がバイトしてるっていうんですよ。それで森戸が大変。このバイト、家族にもないしょにしてるのか。しかし何故? 母と森戸、ふたりがそれぞれ自分に都合のいいように考えるのがおかしかったですよ。母は母の日のプレゼントだろうって思って勝手に感動してるし、森戸は森戸で、その日は自分の誕生日だからきっと私に違いない。ちょっとした多恵の取り合いみたくなってるのがおかしくて、母にしても森戸にしても、どれだけ多恵のこと好きなんでしょうね。
スーパーでのバイトで多恵の能力が発揮されまくってるのもおかしかったです。なるほど、地元に愛される多恵さんですよ。ご近所さんはみんな知り合い? みたいな勢いで地元に根差してるし、コミュニケーションも良好、おすすめの品もばっちり把握っていう、この頼もしさ。森戸が感心してるのがまたおかしい。うん、実際多恵は茨城に生きるのが性にあってるように思わされました。
多恵のバイト、その決着もきちんとつきましたね。森戸が内心わくわくしてたの可愛くて、でもってバイトの目的、多恵、自分の服だったの! ショック受けてる森戸。そして多恵がつねに自分のこと考えてくれてると知って感動する森戸。ほんと、ラストの戸惑う森戸まで、この終盤、面白さ高密度でした。しかし、ヒョウ柄パーカーワンピ、ちょっと森戸にも着てみせてほしかったです。
『良倉先生の承認欲求』
ほんと面白い。星畑の誕生日をたまたま知ってしまった古岩。星畑になにかプレゼントしたいと良倉に相談するんですけど、ほんと、古岩、あかん方向にぐいぐい向かっちゃってあやうい! こういう恋の女心のなんのという相談、ほんとは良倉には向いてないんじゃないかなあ? と思ったら、上枝が参加してきて、こちら大活躍でしたね。良好なアドバイスに古岩の尊敬を集めたと思えば、承認欲求モンスターが嫉妬に狂う。ほんと、良倉、自分の気持ちまるで隠さなくなってきて、ほんとチャーミングです。
ここからの星畑の部活休みのくだりもよかったですよ。用事がある。大切な人との用事。恥ずかしいから誰かは内緒、というので男の影をうかがう男性陣! いや、上枝先生も良倉先生並の発想になってしまってない!? 消えたよ? 今、この瞬間に上枝先生のアドバンテージ消えたよ!?
星畑はいい子だなあって思ったんですよ。この子も自分の気持ちに素直ですよね。率直といってもいい。スマホ使用をとがめる良倉へのつっこみも切れ味鮮やかなら、その後の古岩への直球アドバイス。勘違いして決めつけで自己解決するなっていうの、なかなかこうすっぱりいいきってくれる人はありませんよ? しかもこれ、勝手に誤解されたのが嫌だというのもあるんでしょうけど、ぐっと飲み込んでフラストレーション溜めるでもなく、とにかく真っ直ぐ伝えてくれる。気持ちのいい子ですよ! でもって彼氏はいませんと。大切な相手はママでしたっていうの。ほんと、いい子ですよ!
しかし、今回、部員の誕生日には記念撮影すると決まって、ああ、これ、当然古岩にも、さらには良倉にも適用されるわけか。古岩の誕生日は大晦日。おお、冬休みに会う理由ができましたね! ええ、これはちょっとしたステップアップでは? と、ここで気づいたんだけど、良倉の誕生日、聞いてもらいたくてそわそわしてるの気づいて、星畑、聞いてくれてるんじゃん……。うん、写真部で一番大人なのは星畑なのではと思えてきました。うん、これ、間違いないと思います。
- 『まんがタイム』第40巻第6号(2020年6月号)
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