2020年5月21日木曜日

『まんがタイムきららMAX』2020年7月号

 『まんがタイムきららMAX』2020年7月号、昨日の続きです。

『六条さんのアトリビュート』

遠くの公園で風景を描こう、そういって六条さんを誘うこのみ。決め手はお弁当なんですね。現金というか食欲には抗えないというか、妙に人間味ある幽霊なわけですが、この六条さんのテンションの低さと、そして描きはじめたらしっかりきっちり仕上げてくる、その描くことには妥協しないといった感じ。それがこの子の芯のようなもの感じさせてくれていいですね。

今回は絵の知識、歴史というよりも、技術? テクニック寄りの話になって、なにを見せたいか、そのテーマによって描くものを決めるとか、あと水筆ペン。なるほど、それ、見たことある。結構きっちり美術ネタ、今回も健在だったんですね。

六条さんと一緒に絵を描いているうちに眠ってしまったこのみ。その夢に現れたのは、かつての父とのやりとり? 本当にこういうことがあったのか、あるいは父のイメージが夢の中で誇張気味に再生されているというのか。この父の姿勢、父の心残り? 今はまだよくわからないですね。でも、それらはこのみにとって大切な思い出あるいはひっかり続けているなにかであるのかも、そんなこと思わされる意味深な情景でした。

そして六条さん。風景画仕上げただけでなく、眠るこのみのことも描いていて、いやあ、これ、面白いっていってますけど、可愛くもありますね。ええ、いいコミュニケーション。いい思い出になりそうな一枚ですね。

『私を球場に連れてって!』

おお、海回ではないですか。しかし、いつもながらといいますか、煽り煽られの情景。のっけから埼玉は海がないといってレオナを煽るファル子。と思ったら、そうか、レオナ、プロ野球チームさえあれば海はいらないか。速攻で同意してるファル子、ああー、君ら似たもの同士だよなあ。

福岡の海を、海から豚骨ラーメンの臭いがするっていうレオナも酷いんだけど、これ、実際にタマがラーメン食べまくっとるのか。しかも海の家往復! 次から次へと食べるのな。ええ、実にタマらしい。というか、あんた、どこでもほんとペース崩さないな。

砂で作ったドーム球場、猫子とファル子、楽しい? 可愛い? とてもいい。そして水着に羽織ったユニフォーム。おお、猫子、可愛い。それぞれに気を使ったり使わなかったり、と思ったらやっぱり使ってたり、意外や度胸のないレオナが面白い。でも、最初の堂々とした姿、あれは素敵だったと思ったのですよ?

そしてファル子の復路ですよ。原付で帰るの? そう思ったら、いやあさすがに原付行は断念しますか。そらそうだよなあ! ほんとファル子、いらぬ苦労をしたものです。でも、やってみたかったんだろうなあ。やらねばわからぬこともある、とはいえ、途中で悟って引き返したタマ、この子が一番妥当だった……、いや最初から飛行機できたレオナが一番か。乗り物の選択ひとつで明暗分かれた三人でしたね。

『のむラリアット!』

また個性的な子が出てきましたね。と、それはいいんだけど、変態代表みたいな桃さんがランチランチってやたら可愛い登場ですよ。その笑顔、まるでメインヒロイン級! とか思ってたら、やっぱり途中から変態度あげてきて、ええ、それでこそ桃さんだと思います。

二年生が登場ですよ。星さん。ちょっとクールな人? 最初、どこかとっつきにくそうな印象持ったのですが、読み進めていけば全然そんなことない。運動全般に秀でていて、そして友人ありすのこと結構好きそうだ! あの、ありすが自分のこと褒めてくれてるって海音に食い下がるところ、あれ、ほんと可愛かったです。

というか、海音、なんでそんなヒール体質なんですか。思いっきり恵に釘刺されてるの、ほんとおかしかった。

そして最後に登場、ありすさん。おおう、ずっとロッカーに入ってたの! きっと部屋のどこかにいるとは思ってたけど、まさかのロッカー! 星のこと大好き、というか異様な執着感じさせる言動の光るお嬢さんで、すごい、あの桃さんが目を丸くして、二の句も継げずにいらっしゃる! ありす登場のあまりのインパクトに、言葉ひとつ出ない一年生3人。その様子、その表情、ものすごく面白かった。ほんと、インパクトすごかったもんな。

『初恋*れ〜るとりっぷ』

元気のないとわです。どうしたのか。いろいろ様子をうかがってみれば、どうやらラブレターもらってしまったらしい。モテる。中学の時からずっと。胸の威力かと色めきたつみかげがおかしくて、そこに加えてそらのあの言葉。ほんと、おもしろおかしい導入になってしまいました。

とはいえ、ずっと元気がないんですよね、とわ。なにか悩んでいる。ラブレターの相手が原因ではない。断わるつもり。でも、その好きな相手に思いを伝えるということ。それを自分はできていないという、そこに悩みの種はあるようで……。

ええ、そらに話を聞いてもらって、でもそれで楽になったと思っていいのでしょうか。気づいていないそら。結構、とわ、頑張ったと思うんだよ。とわの好きな相手、あきらかにそらで、好きな人に別の好きな人がいたらどうする? とわからの問い掛けに対するそらの答。ああ、これで気持ちが座りましたね。

かくして、そらを巡る恋模様。プリシオンに加えとわからも。その気持ちの通じる日はくるのか。その時、そらはどのように応えようとするのか。ここにまたひとつ、見どころができた、種がまかれた。そんな思いがしたのですね。しかし、今回、切ないトーン。胸に迫る情感。とわに気持ちが傾く瞬間でした。

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