2020年5月28日木曜日

『まんがタイムきららキャラット』2020年7月号

 『まんがタイムきららキャラット』2020年7月号、発売されました。表紙は『NEW GAME!』、雨の日の情景、ひとつ傘の下の青葉とひふみです。この傘、魚模様! 水族館みたいでいいですね。傘の骨の先にはサメのモチーフ? サメリュックのあの子も満足の一品だ! 青葉とひふみ、ふたり揃いの黄色のレインコート、これもパッと目をひく鮮やかさあって魅力的。そしてなにより、一本の傘を寄り添うようにしてふたりで支えているふたりの姿、その表情、それが実にチャーミングなのですね。

今月は新規ゲストが5本です。

『生徒会からは以上です。』

面白そうな前提作ってきましたね。主人公は、白昼夢学園の生徒会長、天海七花。超能力が存在する、そんな世界で、超能力者を集めた学校のトップに君臨するのが彼女だ! みたいな前振からの謝罪。そうか、七花さんは尋常じゃなくネガティブなのか。なんかいろいろ自信がないのだね。

この漫画。各自異なる超能力を有した生徒会メンバーという、ちょい飛び道具を仕込みつつ、ネガティブ会長をいかに守り立てるか、あるいは個性的すぎる生徒会メンバーがどんな動き見せるのか。見せ場に繋がりそうな要素、盛ってきているんですね。

そして生徒会の仕事のひとつが、生徒たちのお悩み相談。生徒会が個性的なら、きっと相談にくる生徒たちも負けず劣らずだろう。その悩みとは超能力を持つゆえなのか、あるいは超能力関係なく青春の蹉跌! 若者ならではの悩みとなるのか。どのようにも振っていけそうな幅があると感じさせられて、となれば今後の展開に期待もふくらもうというものです。

『みこへんげっ!』

展開のはやさがいいですね。初回でヒロイン崎えりかがなすべきこと、その説明が完了するのは素晴しい。その霊力をもって悪鬼に憑かれた人々を救うというんですが、冒頭のっけから唐突なスカウト受けて、なにも考えずに承諾。教室にいけば溢れる悪鬼憑き。とりあえず一番酷く侵食されている人を確保して浄化開始。変身から心の内? いや、本当に過去にさかのぼって問題を解決するというのか。ともあれ、事件はもう発生していて、その根本問題の提示から解決にいたるまでがすごくはやい。このテンポのよさは強みだと思います。まずこの前編で、これがどういう漫画で、ヒロインえりかとその補佐? スズラがどういう人物なのか、しっかり見せてくれた。ただ見せるだけでなく、事件解決とその後まで描いてみせてくれた。好感触でした。

そして、この漫画でなにを見せたいのか、そうしたことも伝わってきたように思います。少々耽美的な描写もあって、そして友達のいないえりかにも友達ができてという、この交流し広がっていく人間関係、そこにこそ見せたいものがあるんだと思ったのですね。となると、各要素のバランス配分がこうなるというのもよくわかる。ええ、いいバランス感覚だと思いました。バランスのよさがあるためか、読みやすい。各要素の向かう先がどこかわかりやすいから、乗っかっていきやすい。そうしたところも好感です。

『誕プレは魔法少女』

13歳の誕生日。朝宮優が欲したのは魔法の力。オカルト誌を頼りに魔法少女になる方法を試す優だけど、まさかこんな展開になるとは予想外。だっててっきり魔法の力が得られるものだと思うじゃないですか。

儀式によって出現した使い猫のチロがもたらしたのは、魔法の力ではなく、箱入りの魔法少女。あー、本当に魔法少女がプレゼントなのか! ええ、タイトルどおりの展開ではあったのですよ。でも、こうくるとは思わなかった!

この箱に入った魔法少女。優が変身ないしすることで、この子となって活動したりするのかな? と、そういうわけでもないのか。あくまでも優の魔法少女願望は果たされない! 箱入りの魔法少女、性格に難ありのはるかとの同居ものであるわけですね。はるかは修行の拠点を得られる。優は、憧れの魔法少女と近付きになれる。いや、むしろ所有? はるかは否定してますけどね! それぞれにメリットのある、そんな関係からスタートって感じでありますね。

『けも耳パラサイト』

昔、寄生生物のSFを読んだことがあります。アメーバ状の宇宙人が人の体内に寄生して、特異な能力を与えたり怪我の治療をしてくれたり。その宇宙人とバディを組んで、地球に潜伏する犯罪宇宙人を捜査する、みたいなお話でした。

この漫画にも寄生する生命体が出てきましてね、その見た目がけも耳。人に寄生して、その行動をも操るというのですが、取り憑かれたのが引きこもりの姉。社会に負けて心の折れたはずの姉が、けも耳つけて部屋から出てきた! 服装もしゃべり方もなんか違っちゃって、あまりの変わりようにショックを受ける妹! でも、地球征服の資金集めにまずは就職活動だ! ここで若干受け入れてしまいそうになるところ、これ、おかしかったですよ。

寄生生命体は異次元からきたんだそうですが、わりとちゃんとしてるというか、無理矢理体を奪うとかじゃなく、ちゃんと双方のメリット、デメリット説明した上で、許可もらってるんだ。寄生されても、記憶を読まれたりするのはアレだけど、完全に意識を支配されるとかじゃなく、頑張れば寄生体をむしりとったりもできるのな! はずせば完全に元通り。怠惰な姉には自動でいろいろやってくれるのがありがたい。妹からしたら、引きこもりの姉が社会復帰してくれる。寄生体には居場所ができる。このそれぞれにメリットがちゃんとあるの、寄生体の交渉上手さが光りますね。

『黒子さんはふざけたい』

生徒会長の黒子さんには秘密がある。実はこの子、妖狐であるというのですね。人にバレないよう人の世界で3年過ごす、それが黒子が母から課せられた罰で、そしてバレないよう人の姿にバケるには鳥塚きぬの助けがいるというのですね。

鳥塚きぬ、名前から鳥の妖怪なのかと思ったんですが、どうもそうではないみたい。霊力が強いこの子から、接触でもって霊力を補給しないと変化が持続しない。霊力切れに加え、気を抜くと、集中が切れると耳が出るとか、いろいろ問題ありありな黒子の潜伏生活。いやしかし、黒子が妖狐とバレることできぬにどんなデメリットがあるのだろう。黒子は母の許しが得られない。でもきぬは? ただの優しさで、あるいは友情かなにかで、心配、ストレスを感じながらも協力してくれてるのかな? だとしたら、きぬさん、いいやつだなあ!

きぬ、なんだかんだいって黒子のこと好きなのがわかるの、それがよかったです。で、それがわかってるから黒子も甘えちゃってる、そんな風にも見えるんですね。なんだかんだで、お似合いのふたりなのだと思います。

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