2019年11月18日月曜日

映画 すみっコぐらし とびだす絵本とひみつのコ

 『映画 すみっコぐらし とびだす絵本とひみつのコ』、見てきました。話題の映画。なんか公開以来、地道に動員数を稼いで、なんと現在トータルで2位ですか? 2週連続邦画1位。『すみっコぐらし』の映画がかかっていることは、たまに見かけるSwitch版ゲームソフトのCMでそれとなく気づいていたのですが、まさかあの穏やかそのもの、ひっそりささやかつつましくといった雰囲気のキャラクターたちが堂々の大ヒット。SNSでの反響も穏やかじゃない! いや、しかし、いったいこれはどうしたことか。なにを見せられるというのだろうか。なんて具合に興味そそられたものですから、ちょいと駆け込みぎみに見にいったのでした。

ここからはネタバレありでいきますので、未見の方、気になさる方はお気をつけください。いやほんと、なにも知らない状態で見てほしい。

さて、私はといいますと、本当に「なにも知らない状態」で見ることとなりまして、キャラクター知らない、世界観知らない、それこそタイトルくらいしか知らないという、ほんとにほんとのまっさら状態。こんなに知らなくって大丈夫なのかな。若干の不安まじりで見はじめたわけですが、いやもうこれが大大大丈夫。主要なキャラクターどころか、登場キャラクター全員にていねいな紹介がついてきます。いったいどういう出自であるのか、なにを気にして、なにを夢見ているのかが、シンプルながらも充分に語られて、ああ、そういうコたちなのね!? その愛らしくもどことなくシュールなふるまいをともに、彼らの人となりを知ることで、随分近しく思えるようになる。この導入から丁寧にやってくれるの、非常にありがたかった。この丁寧さがあるからこそ、既存のファンを超えて広くリーチすることができたのかもと思っています。

ただ今回は失敗しました。映画を見る直前にうどん食べちゃいまして、おなかいっぱい、暗い劇場、そしてやさしくゆったりとした映像にやわらかい語りでありますよ。眠い! めちゃくちゃ眠い! けれど見逃したくないじゃないですか。なんとか起きていようとして音たてないように動いてみたりしたんですが、眠気に負けて、映像が瞬間瞬間抜けているところがある。音だけは死守したのでストーリーの把握に問題はないんだけどさ、この映画、語りは大筋を伝えるだけで、すみっコたちの感情? 気持ち? そうしたことは言葉によらず、その動きでもって表現される。ええ、この映画はアニメーションの魅力、描かれたものが動いて伝えて面白い、それをしっかり体現していたと思うのですよ。時にくすりとしたり、ほろりとしたり、それら反応を引き出したのは、間違いなく彼らのふるまい、行動によってだったのです。

この映画、あんまりはっきりといってしまいたくはないのですけど、だって言葉にするより実際に見てもらいたいですからさ。ともあれ、迷子になっているひよこ? のお家を探して皆でとびだす絵本の世界を旅していくという内容。はたしてこのひよこ? はなんの物語の登場人物なのだろう。そう思いながら見ていたら、あっと思わせる番狂わせがあって、悲しい別れもあったりして、けどそれはクライマックスじゃなかったっていうの、見事だったと思います。ああ、この場面は切なさを誘うね、ほろりとさせられていたら、まさかの大逆転じゃないですか。あの、ひよこ? のためにできることをしよう、なかまが欲しかったあのコを決してひとりにはしないという皆の行動、それはまさに驚きで、そんな手が! もうわくわくさせられて最高でした。

この、わくわくさせられる高揚感。たまらんかったですね。最後までが見せ場、見どころ、充実の70分。正直、また見たいと思っています。

今度はおなかをすかせて見ます。

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