『まんがタイムきらら』2019年12月号、発売されました。表紙は『あっちこっち』。伊御とつみきのふたりの様子。寒い日、登校中の情景でしょうか、ふたりコートにマフラーつけて、ちょっと密着? 伊御がつみきのつむじらへんにそのあごを乗っけましてね、照れるつみきの頬の赤さ。対し伊御は余裕かと思いきや、ちょっと頬が赤くなってる。これは寒さのせいじゃないですよね? と、こうして互いに意識しつつも、ぐっと寄っていく伊御の強さです。
今月は新規ゲストが1本です。
『みつかると!』。高校に入学、どんな部活に入ろうかという話をしていたら、生徒会長からの頼みでオカルト部を作ることになってしまったふたり。夜中の不審な物音、それが怖くて警備員がすぐ帰ってしまう? いや、警備員ならちゃんと警備しようよ! ともあれ、その物音、不思議な現象を解き明かしたい。という生徒会長からの依頼を、突発で作ったオカルト部が受けるんですね。ストーリーというか展開というかは、わりと単発、ぽんぽんとネタを出して都度こなしていくといったタイプ。夜中の怪奇現象というのも、学校に勝手に住んでる女の子がお湯わかしてたりと、このナンセンス風味。しかしこの女の子、有木れい。ええと、ゆうれい? この子もオカルト部に入部することになって、無事部員が3人に。3人のオカルト部だからみつかると? あるいはゆうれい見つけちゃったからみつかると? 名前になにか仕込まれてるように思うのだけど、考えすぎかも知れません。
『けいおん!Shuffle』。1年生組、頑張ってますね。しなのから持ち掛けられたバンド対決に向けて作戦練ってるんだけど、いや、むしろ迷走しているといった方がそれっぽい。そんな中、破天荒な姉、胡桃がちゃんとしなのの意図を汲みとって、1年生たちに考えさせようとするのがね、ああ、ちゃんと見守ってるんだって、いいお姉さんだなって思わされたんですね。そして1年生たち、紫、思うところはあるっぽいけど、皆でそれぞれの強みや得意、それから苦手も確認しあって、その得意で苦手を埋め合わせたり、助けあったり頼ったり、チームとしてのシナジー高めていこうとする流れ、本当によかったと思います。そして1年生組に答えて先輩ふたりの演奏。ああー、このセッション、なんかよいなあ。莉子のボンゴ、すごく様になってるじゃん。今回面白いの、ギター持ってるところに飛び込んでこられて超焦るしなのとかね、ああー、わかるわかる。こういう共感要素、すごくいいよね。そして軽音部をうかがう人影? この人、しなのとぶつかって出ていった部員さん? だとしたら、2年生組もバンド成立しそう。ここからの展開もまた期待ですね。
『星屑テレパス』。素晴しいな。雷門瞬からキツくあたられて消沈していた海果。心配してたんだろうね、ユウがですね、海果のこと元気づけるためにきてくれるんですよ。って、寝てるうちにベッドの中に!? テレポーテーションしてきたの!? すごいな、宇宙の人。そしてそこからの展開、ふたりの対話。海果に語りかけるユウの言葉の強さ、素晴しかったと思う。海果を元気づけて、海果はきっと瞬に言葉を届けられるって、確かな言葉で海果に伝えていく。その一連のこと、実に豊かで、ユウの語りかける言葉もそうなら、その時の様子、描かれようも同様。よっつのコマの区切りを時に超えて、時にあいまいにしながら、ふたりの距離が近づき重なっていく様が描かれる。ユウと海果という異なるふたりの人格の、けれどその境界を超えて声も言葉も、そして思いも伝わるように感じられたのは、一連の場面にほどこされた工夫の数々、そそがれた技術、その力あってのことなのだと心の底から感じさせられた数ページ。見事、心奪われました。そして、これからの海果と瞬の関係。ああ、海果が自分の中のゆずれないこと、それを言葉にしはじめましたね。これはきっと変わっていく。その確かな予感が彼女たちのこれからを彩って、それは期待であり、希望であるなって思うのです。きっと明るいだろう未来へと、気持ちがひきつけられるのです。
- 『まんがタイムきらら』第17巻第12号(2019年12月号)
0 件のコメント:
コメントを投稿