『まんがタイム』2019年12月号、発売されました。表紙は『おとぼけ部長代理』をメインに、秋の味わい? 音楽がテーマでありますよ。部長代理はウッドベースを弾きまして、『瀬戸際女優白石さん』はサックスを、『花丸町の花むすび』花子はシンガーであります。見た目にジャジー、大人でシック。そこに、楽しそうにラテンパーカッション叩いてる『茨城ってどこにあるんですか?』多恵ですよ。君だけなんかムードって感じじゃないよ!? でも、なんか楽しそうだからオッケーです。
『ご主人様!確保します♡』。警官からメイドに転職した愛未の、どうしても前職の癖が出てしまうっていうところ。敬礼とかね、いや、これ結構ありじゃない? 一緒に働く娘の心子のこと心配してるの面白くって、あのトレーを握り潰すところね。砂時計みたいになったっていうその表現が面白かったです。愛未のやらかし? サバゲーはじめたというお客さんに見せてもらったアサルトライフル、テキパキと操作して見せるその姿。いやいや、これ、かっこいいって。これ、絶対人気が出るって。人に向けないし、指をトリガーにかけてないし、その方面の人からも評価される扱い方ですよ。今回登場のランク1位のメイドさん、神松寺琴音桜子、長い名前だ! 略してコトコの天然パワーにあてられながらも、愛未が自分の持ち味をしっかり出せるようになるという流れね、ええ、これ、よかったですよ。自然体、自分のよさを自信持って出す、それがいいのかな。ええ、本当に魅力的でした。でもって、ラストの落ち。ポーズが90年代ですか! これも笑わされましたよ。
『茨城ってどこにあるんですか?』。今回は多恵の高校の体育祭、っていうんだけど、やべえ、加藤が見にきちゃってる! 君、ついに一線を超えたか! と思ったら、ああ、よかった、母公認。運動得意で輝く多恵と、対照的に運動苦手でボロボロの森戸と。いや、でも、森戸、可愛いよ。加藤のこと思いっきり警戒してたりね、多恵との接近を狙う加藤に立腹、多恵をかっさらっていくところとか、本当に可愛い。多恵のこと好きなんだよなあ。でも、その頑張りがたたって体力使い果たすのか。君、どんだけ運動ダメなのか。借り物競争で友達の札引いた多恵、森戸はぶったおれてるし……、というピンチを救った鈴子ね。ほがらかで、元気で、あのふたり一緒に駆けているところ、ほんと素敵なペアでした。多恵のクラスメイトからも好評で、ええ、この子たち、鈴子とも打ち解けて、そうしたところも素敵なエピソードでしたよ。
『ハニトラなんか怖くない!』。水木部長、あのブラウスのボタンの人、綾小路といい感じにコミュニケーションとれてる? と思ったら、ああ、結構ぐいぐいくる。ええと、綾小路のいうハニトラ的なのじゃなく、押しが強い、わりと無茶なスケジュールを押し込んでくる。強敵だ! 今回、結構重要回だったように思います。水木部長の要望をクリアするため、残業、いや山田さんと一緒に残業はマズい! 持ち帰りで資料を作るっていうんですが、いや、今どき持ち帰り仕事はコンプライアンス的にマズい! というのはいいとして、家までやってきた山田さん。そこでね綾小路、失敗しちゃったね。警戒するのはまだいいとして、言葉の選択を間違えた。信じられないのは自分自身の価値なのに、それをまるで山田さんが信じられないみたいにいっちゃった……。あの、見るからにしょぼんとした山田さん。あの心に空虚が吹き込んだとでも表現するほかない様子は、見ているこちらにしてもショックで、そして綾小路にとってもショックだったようで、ああ、この埋め合わせ、それがなにか事態を、関係を変化させたりするのだろうか。ともあれ、自分の失敗に落ち込む綾小路の悩みが水木部長にダメージ与えるのちょっと面白く、この人も悪い人じゃないよね。そして山田さんも、ショック受けたろうけど、いつもと同じに振る舞ってくれている。そんなところが健気で健気で、ええ、私はすっかり山田さんにほだされています。
『お天気おねえさんの晴れ舞台』。琴音、気象予報士の試験、落ちたんだ。見た目には明るくふるまっているけれど、気にしているのは間違いない。落とした、すべった、そんな言葉に表情硬くしちゃって、ああ、落ち込んでしまってるんですね。そんな琴音と、ロケ先で出会った女の子、広島弁のエイミーとの交流。エイミーは逆上がりできないのが悩みで、そこに共感する琴音。ああ、なぐさめの言葉とかよりも、こうして同じ思いを共有できるなにか、それが琴音には効くんだなあ。しかもそこでの琴音の行動。エミリーの練習につきあって、アドバイスして、この子の助けになろうとして、そしてこのことが自分自身も力づけていく。この、誰かになにかしてもらうのではなく、誰かのためになにかしようとしたことが、結果的に自分を強くするというのがね、この人のよさ、この人の魅力なのだと、改めて思わされました。ほんと、最後の元気取り戻した琴音。輝いていましたよね。この元気でもって、いつか見事試験を突破してほしい、なんて思ったんですよ。
- 『まんがタイム』第39巻第12号(2019年12月号)
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