『まんがタイムオリジナル』2020年1月号、一昨日の続きです。
『カントリー少女は都会をめざす!?』。今回はもうひとりの東京に憧れる女子登場? いや、なんかコンプレックスをこじらせているだけっぽい。亜紀の姉、理菜。眼鏡の目元も涼しい素敵お姉様。でも、人見知りなのか。ひとりで映画にいけないからって妹を誘うんだけど、見事に断られる。ああ、妹よ、亜紀よ、君、好みがきっぱりしとるんだなあ。アニメならなんでもいいってわけじゃないんだ。この似てない姉妹。姉のSNSには友達いっぱいいる発言とか、もうめちゃくちゃ面白いし、亜紀の申し出、みなを紹介するっていうの、お、面白い広がり方するな! って期待したらですよ、姉、あかんのか! わがまま姉さんだな! ちょっと可愛い。映画館での攻防も面白くって、そうか職場の人に出会うのか! しかも何人もきてる。これ、田舎あるあるみたいな話なのかな? あの姉の狼狽、ほんと、大変だなあ、趣味を隠して生きるの。で、ここでまさかの八重と大河がからんでくる。見知らぬ縦ロール呼ばわり! 最高やな。その後の行列大好き八重とか、結局映画見ずに帰ってきた姉とか、いやもう面白い。最高でした。
『僕は女心なんて知りたくない』。基礎設定のおさらいみたいな回。スペシャルから移籍してきた漫画のファンにも嬉しいはからい。独身女性の心の声が聞こえてしまう春喜。その能力の範囲や限界など語られて、どれだけ彼がこの能力にふりまわされてるか。そして佐藤くんとの距離感! いいね、いいよ、ナチュラルに嫁候補。うん、春喜くん、どんどんいこう。春喜の周辺にいる女性についての紹介もあって、簡潔にわかりやすくぽんぽんと提示していくそのテンポ感も素晴しく、またその紹介に出てくる女性たちもまあ魅力的なの。いいですよ。この漫画のよさ、こうしたところにもしっかりあらわれています。で、今回の春喜の受難です。先日のハロウィンで出会った女の子。自分の魅力、可愛さで誰しもをとりこにするといってるこの子が、なぜか怯えて逃げていった春喜のこと、興味持っちゃってるのね。あの手この手で春喜にアプローチしてくる、しかも可愛い振舞いに隠された本音! 名を名乗れって君は武士ですか! それなりにチョロい子だったけど、それで春喜がお姉様方に誤解されて、いろいろ面白がられてという流れもよかった。これはこの子、今後もちょくちょく出てきそうですね。期待できる展開です。
『氷室君は板野さんの事が覚えられない』。バイト先でもらったウイスキーボンボンで酔ってひっくりかえっちゃった氷室。板野に介抱されて帰宅するも、もどしちゃって、板野の服汚しちゃって、大変なことになっちゃった。けど、板野がちょっと風呂を使っている間に、しゃっくり一発で板野のことを忘れてしまう。すごいな。隙あらば忘れちゃうんだ。脱衣場で板野と遭遇してからの反応も、これはつまりつきあっているのか? って、まあそうなるのかな。氷室の問いに、つきあってると答えてしまった板野の気持ち。それがね、ちょっと悲しいですよね。どうせすぐに忘れられてしまう。だから今だけでもって、健気だなあって思うんですね。そんな板野の気持ちに氷室が触れようかという瞬間、またしゃっくりか! すごいな、全部リセットされたよ。この最後の最後、全部がご破算になるの、一気に緊張が解放されて笑いになっちゃいました。ダイナミックリセットですわ。
『大奥より愛をこめて』。「感動の最終回」って、待って! 信じちゃうから! やめて! さて、潜入調査中に捕えられた蒔乃。そのピンチ、いかにして回避するのかと思ったら、いや、もう諦めちゃうの!? もう死ぬ気だよ! でも、大崎様の名前を出すと、みんなビビって解放してくれた。ここからの流れ、蒔乃、すっかり丸め込まれちゃうの? そして誘惑された菜々緒はどうなる!? こちらはこちらで大丈夫。かわいいと役者にいわれても頑として信じない菜々緒殿ですよ。すごいな、この揺るぎなさ。こりゃ本堂の芽も出ないわ。ともあれ今回、見事に情報引き出した菜々緒に、丸め込まれたように見えて実は情報的確に収集していた蒔乃、この企みを暴いていくくだりには興奮させられました。そして大崎の見せ場も素晴しく、自分の死でもって事件のいろいろを隠蔽しようとする女中にかける言葉の優しさよ。ほんと、こうした見せ方のうまさ。情にあふれて、思わず胸の熱くなろうというものでした。そしてラストにすごいこと投げ込まれて、マジか、大崎様、自身の進退をもって減刑を願いでてたって! 今の大奥に大崎がいなくなれば、松平定信に対抗できなくなるんじゃないの!? でも、それが大崎の選択ならば……。ほんと、これ、まったくもって穏かじゃない。動揺、さらに広がりますね。
- 『まんがタイムオリジナル』第39巻第1号(2020年1月号)
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