2018年3月2日金曜日

『まんがホーム』2018年4月号

『まんがホーム』2018年4月号、発売されました。表紙のテーマは卒業ですね。卒業証書を胸にいだき、微笑み見せつつこちらを向くセーラー服姿の『らいか・デイズ』らいか。これは、いずれ訪れる中学、高校の卒業式といった風情でありますね。髪もいまよりずっと伸ばして、ゆるく三つ編みにしている。少し大人びた雰囲気が魅力です。そして『マツ係長は女ヲタ』マツ係長も卒業? いや、アイドルヲタを卒業とかじゃないですよ? シックな袴姿を披露するマツ係長は凛々しくて、これは大学を卒業したときの様子でしょうか。散る桜の花びらをそっとつまんで、こちらを見るその目も涼しい。ええ、単行本の表紙とは全然違って、ほんと、マツ係長? 違う人じゃない!? ってくらいの仕上りですよ。

『おんなのおしろ』、辻灯子の新作です。おんなのおしろ。築28年ながら3LDKのマンションに住む女性が主人公。なるほど。悠々自適な女ひとり暮らしですか!? そう思ったら、違った。一歩間違えたらヒモ、そういう他ない、いかにも駄目そうな男がついてきて、これ、別れた男だっていうんですが、収入がないからと転がり込んできた。居候のくせに子猫を拾ってくる。さらには冷蔵庫の中のもの勝手に食べる。あかん、もうあかん。自分、この手の人間、受け入れがたいわ。今後、この男が改心していくのか、あるいは猫だけ残して追い出されるのか。どういう展開するのか、ここはまず期待ですね。ところで、竹本楓参上! おお、どこかで聞いた名前、見た姿。元気になさってるようですよ。

『いじられ課長とギャル部下ちゃん』。今回はSNS映えってやつですか。三崎に声かけられた河原課長。出勤前からカフェでくつろぐ部下に驚いて、置いていこうとしたけれど、けどなんだかんだでいいくるめられて、席についちゃう課長がいいですね。三崎、パンケーキ目当てだったんだ。食べるというよりむしろ写真撮ってSNSにあげるのが目的。そのあたりの機微がわからない課長だけど、いわれるままに写真撮らされて、で、そこで三崎のいつもと違う表情を知るっていうんですね。そうか、三崎、そんな表情するんだ、笑うんだ、みたいな驚きですね。でもほんと、課長、三崎のわがまま、よく聞いてくれて、いい人ですね、ちょろいともいえそうですけど。こうして若者? の文化に触れて、お礼いわれたり三崎が喜んでたりしてるの見たら課長も嬉しく思っちゃう? なんだかんだでほだされて、影響受けてるの、いいですよ。

『守った世界のその中で』。元魔法少女のしじみさん。もう魔法少女ではないそうなんですが、それでも誰かの危機となれば駆けつけずにはおられないんですね。悲鳴の主はひったくりにあった女性。カバンを奪って自転車で逃走するひったくり犯を追うしじみさん、めちゃくちゃな身体能力じゃん! 高いフェンスをひと飛びに飛び越えてきて、そして疾走する自転車に追いついてくる。ほんと、この人、尋常じゃないんだなあ。しょうこはしじみのこと普通の女の子だっていうんですけど、これ、魔法の能力を失ってるってことなのかな? 身体能力はなかなかに超人的で、でもだからこそ危うい。そんなこと感じさせるエピソードでした。

『巨匠のほほえみ』、ゲストです。天国は「美」を司るというエリアにて、芸術に関わるものたちが地上の者に霊感を与えるべく思案中。というか、あまりにサボりすぎたせいで、上司、ヴィーナスから叱られたのか。かつての芸術家がここでの役目についてるんですね。クロード・モネ、オーギュスト・ルノワール、そしてエドゥアール・マネ。上司に期限まで切られて、せっつかれてやっとこさって体たらくでありますが、美大3年生、いまのところぱっとしない鈴木美香にインスピレーションを与えることになった彼ら。仕事ぶりはまだまだわからないけど、それぞれの性格見てとれて、いずれ見返してやる、そうした意識のやたら強いモネとかね、いかしますよね。美香にかつての自分を重ねつつ、いかに彼女を導こうというのか。彼らの手腕に期待であります。

  • 『まんがホーム』第32巻第4号(2018年4月号)

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