2018年3月18日日曜日

『まんがタイムファミリー』2018年5月号

『まんがタイムファミリー』2018年5月号、昨日の続きです。

『感染!ウイちゃん』、最終回でした。いい終わりを見せてくれましたよ。あつしの留守を狙って、個人情報を探るウイです。免許証を入手してみれば、おっと、今日があつしの誕生日。お祝いしなくっちゃ。ウイちゃん、君、どんだけいい子やねん。ウイにとっての敵味方の判断、あれおかしかったです。確かにセキュリティーソフトは敵ですよね。でもあつしは敵じゃないんだ。そうか、被害者か……。正しい判断だ、これ。手の届く範囲ではあるけれど、あつしの誕生日祝うために、いろいろ用意するこの子たちの様子が本当にほのぼのとして楽しそうで、けれどだからこそ事故で、ついに、あつしのPCを停止させたウイの、念願かなったはずなのに、泣いちゃってっていうのね、そうかあ、あつしと、それからセキュリティーとの暮らし、楽しかったんだなあってわかって、ええ、いいラストでしたよ。しかし、あつしですよ。ウイのお父さんみたいになってる。いや、むしろおじいちゃん!? あのウイに甘々なあつし、ふたりの様子、本当、大好きです。

『いにしえや浪漫堂』、最終回です。いにしえ屋での最後の日、潤が時代をさかのぼって出会った少年。そうか、昭和の時代、先代店長の商ういにしえ屋に、習字道具を探してる子供を連れていって、なるほど、この子が後の店長になるというのかあ。最後の最後に、この店長と潤のもうひとつの出会いの情景描いてみせてくれた。先代との会話にて、道具というものの価値や意味を知ることとなった店長少年が、古道具に興味を持って、後にこの店で働くきっかけとなったのですね。昭和という時代を生きて、それを平成の潤に伝えたという店長。潤は平成の時代を次の時代に伝えればいいという、その言葉。ああ、もう平成も終わりを迎える、そんな時期にばっちりハマっていますよね。店を去る潤を見送る店長と、かけるその言葉のあたたかさ。ええ、いずれ潤はこの店に戻ってくるのかも知れませんね。多くを感じさせてくれる、広く開かれたラスト。さすがの一言です。

『パパとあそぼう!』。これも最終回です。いい最終回だったじゃありませんか。娘のさくらとのコミュニケーションに悩むパパさんです。けど、今回はちょっと状況が変わりまして、ああ、お母さん、おめでた。突然おねえちゃんといわれるようになったさくら。なんかもやってしちゃって、これまでよりも我慢しないといけなくなったりね、ああ、こうして立場の変化に悩んだり、整理しきれなかったり、するんだろうなあ。困惑するさくらに声をかけたパパさん、すごくかっこよかったですよ。娘の気持ちを丁寧にくみとって、諭すでもなく、誤魔化すでもなく、パパも一緒だったんだって、今もまだ勉強中なんだって、さくらと同じ目の高さで話をして、だからなんだろうなあ、気持ちが通じたんだってすごく伝わってきたのでした。この時の対話がきっかけなのか、あるいはさくらも少しおねえさんになったからなのか、パパと一緒に元気に公園におでかけするさくらの姿、ふたりの関係、もうね、全然これまでと違うんだよって、ほんと、素敵な父娘の姿がそこにあったんですね。

『かしこみかしこみ』。最終回でした。ああ、もう十年たったのかあ、って思ったら、たってないよ! すごいフェイクだな! すっかりやられたよ。将来の自分を思い浮かべるムクと山椒、ふたりの様子。なんかね、すごくキラキラしていて、ふたりいいコンビだなあ。目を細める思いでしたよ。そうかあ、タイムカプセルにいれる作文書いてたんですね。それで大人になった自分たちの姿に思いを馳せていた。と思ったら、タイムカプセルをしまいにいった先で、ムクがかつて入っていたという桃缶を見つけて、ああ、奏衣様からふたりの神社にきた時の様子教えてもらうことになったんですね。この、未来を語り、そしてかつてを思い出すという、時間の流れ感じさせてくれた最終回。ふたりはこうして育ってきたんだよ。同じく育っていくんだよって、しみじみ思わせてくれた。そして、ふたりのいい関係、それはもう出会いの時からそうだったんだなあって、この仲良く、助け合いながら、一緒にやってきて、これからもやっていくんだろうなっていうこと、しっかり伝えてくれた。すごく嬉しかったです。今も、これからも、初葉神社にいけば、ムクと山椒に会えるんだよって、そういってもらえた気がするんですよ。

  • 『まんがタイムファミリー』第36巻第5号(2018年5月号)

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