『まんがタイムオリジナル』2018年4月号、一昨日の続きです。
『ゆとりの町長』。これ、すごいな。町長選挙まで残り一ヶ月というところにきて、ゆとりの支持率は伸び悩んでる。まあ、そうだよねえ。とりわけ中高年、保守派からの評判かんばしくなくって、さあ、この状況をどうひっくりかえす!? かなめがすごいですよ。どうもこうもパリっとしないゆとりの票を最大化するのではなく、相手の票を割る作戦に出たんだ。あんまりに駄目なゆとりの姿を、まさしく保守層に見せつけることで、煽ったのか。煽ったんだ! 保守派の候補者、増やしやがった! これ、ほんと面白いな。これでどれだけ相手の票を崩せるだろう。ゆとりが2千として、このぽっと出の候補者がゆとり程度に頑張れたとしても、現職には3千残る。現職と完全に票を二分したとしても、2千5百でゆとりは届かない。ああ、これまだかなめの打つ手残ってるな。状況動かす秘策、残ってそうですよ。
『ぎんぶら』。今回の話、めちゃくちゃ面白いな。それだけじゃない、含蓄がある。地球の鮭に似た住人がいる星、サモーン。その生態のあまりに地球人のそれとかけはなれたところなど、まさしくこれはSFなんだって実感させてくれて、しかもサモーン星人のシステム、ちゃんと理にかなってないかね!? 強い個体がより優秀な子を残せるシステムですよ。でもって、このシステムに文明が加わることによって、より安全に、より確実に子孫が残せるようになってるっていうの、ああ、これ、すごいですよ。だって、我々の世界においても、医療、技術の進歩によって救われる命は増えた。そうしたことを、コミカルなタッチで伝える。途中までおかしい、笑えるって感想だったのが、ラストで一気に、ああこれは我々も同じだと気づかされて、本当に素晴しい。見事なワンダーでした。これ、サモーンランでの再確認ってやつ、我々にも必要なこと、忘れちゃならないことですよ。
『部屋にマッチョの霊がいます』。アッコから護身術を学ぶ木葉。そうか、例の人が木葉の身の回りに現れたことを受けて、もしもに備えようっていうんだ。そしてここでの対策会議。木葉にアッコに神奈子が揃っていろいろ話しあうところでね、最初は自分が弱いせいだってうつむき加減だった木葉がですよ。怒りをあらわにするって、これ、すごくよいなあ! だって、もううつむいてばかりではいられない。この子は変わった。自尊感情が確かにあると感じられて、今の状況のもどかしさ、ひっくりかえしてくれそうだって、期待さえしてしまうほどですよ。とはいえ、あんまり危ないのは駄目ですよ、木葉さん。そして神奈子のちょっと気づいたこと? アッコについても、問題の男についても、なにかしらの動きありそうです。
- 『まんがタイムオリジナル』第37巻第3号(2018年4月号)
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