2018年3月5日月曜日

『まんがタウン』2018年4月号

『まんがタウン』2018年4月号、発売されました。表紙のメインは『新婚のいろはさん』。桜の花びら舞い散るなか、洗濯物を干そうとしてる、いや逆か、シーツを取り込んでるところ? そんないろはさんが大変に健やかでまぶしいイラストです。この他に『新クレヨンしんちゃん』、『野原ひろし昼メシの流儀』、『恋するヤンキーガール』、『ひなたの総務メイト』のカットもございます。

『新婚のいろはさん』。これ、ほんと、すごいですよ。始くん、昼夜逆転生活に陥ってしまったっていうんですが、このせいでほぼ始のモノローグで進行する、いわばいろは不在回みたいになってるっていうのに、いろはが夜食に作ってくれているサンドイッチ、なにをどう工夫してくれてるとかね、そういうのがあるために、いつも以上に大きな存在感を感じさせるっていうんですよ。お隣の早倉さんとの会話でもそう。いろはがいない場所で語られることすべてがいろはをかたちづくるっていうんですね。この漫画らしい、どことなく外れた感覚、メインストリームからあえてずらした感性は健在で、そうした面白さが届いたと思ったら、続いて人の情の機微が豊かに描かれて、その魅力といったら、もうただごとではないのです。今回は2本立て。どちらもすごくミニマルに、それぞれに傾向を違えながら、始といろはの暮らしを見せてくれて、なんだろう、この確かな存在感。始、いろはの人となり、その愛らしさが、もうたまらんですよ。

『ちこはゲーセン一番星!』。今回はエアホッケーやりますよ。マシンのメンテをするっていうんですが、結構乱暴にガツンガツン遊ぶゲームだから、どうしても傷みがち。新しい台はあんまり流行ってないうちの店にはこないから……、メンテ、補修をしてこつこつコンディション整えてやらんといかんわけですね。ちこの、チーフへのリベンジマッチ、あれ、面白かった。ちこ、あんた初心者か! まったくもってパックの動きが見えてないどころか、跳ね返ってきたパックが自分のゴールに飛び込む始末。いや、これ、エアホッケーあるあるですよね。そして河合さんが見事でした。そうか、この人、結構やるんだ! あまりの強さ見せつけたもんだから、子供たちのヒーロー? あるいはラスボス? になっちゃって、チャレンジメニューができちゃう始末っていう、この顛末、最高に面白かったです。やっぱりゲームは、うまい人がいいプレイ見せてくれると、俄然盛り上がりますよね。

『恋するヤンキーガール』。ぼたんがなんだか気もそぞろです。ユズキに告白されたこと、一度は断ってみたけれど、アヤメからもう一度ちゃんと考えてみたらどうか、そういわれて、いろいろ思い悩んでいるっていうんですね。ぼたんがナギとの会話で、自分のことを語る、そのくだりとてもよくてですね、皆より大人と思われがちだけれど、本当はそうじゃないんだって。こうした自分の思ってること、素直な本音をしゃべってくれるほどに、ナギとの距離は縮まっているんだなあ。ほんと、思い悩んでいること、それを相談する、相談できるということ。それだけ気を許しているっていうことだものなあ。そんなぼたんにナギのかけた言葉、キレイよりかわいいって感じだっていうのね、ぼたんの琴線に触れちゃった!? かと思ったら、特にそういうわけじゃありませんでした。背後からナギに迫るアヤメちゃんとユズキの気迫、あれ、すごかったなあ。この子たち、最初は誤解されたりいろいろだったけど、もう随分と打ち解けた、仲を深められる仲間が増えた。そうした様子。なによりでした。

  • 『まんがタウン』第19巻第4号(2018年4月号)

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