『まんがタイムジャンボ』2018年4月号、発売されました。テーマは、これ、リレーなんですね。『レーカン!』天海さんがクラウチングスタート姿勢。手にバトン、上げた顔が晴れやかで、ああ、別れにおいても沈むばかりではないんですね。ええ、ジャンボ、休刊です。こうして雑誌としては終わったけれど、ジャンボの気持ちは続いていく! とのキャプションどおり、次へ次へとバトンを繋いでいこうというのですね。『偏食女子は恋でおなかを満たしたい』アキから『おにいちゃんと呼ばないで』心へとバトンを繋ごうとするカットもありますよ。そして目次カットにては、バトンを手に走る天海さん。新たなスタート!! ここから続くもの、受け継がれるものがあること、期待したいです。
『人気マンガ家になるための15の法則』。ついに15個めの法則にまで辿り着きましたね。先日、皆で相沢の原稿を手伝った件を受けて、人の使い方を学ばせよう。喜多村のはからいで、綺羅星のアシスタントをしてみることになったんですね。そしたら綺羅星大喜びで、というか、喜多村? 相沢のこと好きすぎるのはいいとして、綺羅星のことも大切にしてあげて? 綺羅星のところのアシスタント、玉木がどうも辛辣で、相沢にも酷いこといってね、でも相沢、すんなり受け入れちゃうんだ! そうか……、喜多村のおかげで打たれ強くなっとるのか……。喜多村、もうちょっと優しくしてさしあげて……。綺羅星、ほんとに面白い。相沢がきたの、嬉しいっての丸出しで、アシスタントも困惑するレベル。で、アシスタントたちがだんだん相沢に魅了されていくのがおかしい。そうだった、相沢、王子様だった。相沢につらく当たる玉木だけど、この子の攻撃が相沢飛び越して綺羅星に着弾するのとか面白くって、これ玉木にとってもとばっちりだな。で、しまいには玉木も相沢にすっかりまいっちゃうんだ。そりゃ、喜多村、警戒してもうアシスタントやらせないわ。面白い顛末でした。15番目の法則。描かない上手な人より描く下手な人。これ、本当にそのとおりだと思います。自分も反省せんといけません。
『江戸の蔦屋さん』。2本立てでしっかり終わらせてきましたよ。山東京伝の戯作がお上ににらまれて、蔦屋は身代を半分にされるし京伝は手鎖50日ときた。ひでえ時代だなあ。今も多少それに似たことあるけどさ、この時代の弾圧はあからさまにダイレクトだわ。ここからの京伝の活躍、これ戯作のあらすじが絵でもって面白おかしく紹介されるの、まさかこれを京伝の想像、創作とせず、お隣さんのことそのまま描写しただけとか、なるほど捻りをきかせてきましたね。そして2本目、これで完全に決着。ついに写楽の登場です。身代半分を受けて苦境にある蔦重のために、伽羅が一肌脱いでくれたんですね。10ヶ月のみ、素性も隠してとの約束で筆をとるという。しかしこれで、かつて出会ったキツネ面。これ、商売と芸能の神、稲荷なのか。再びやってきた稲荷から、伽羅の絵を売り出すと3年後に死ぬとの予言を改めて告げられて、しかしそれでもかまわないといいきる蔦重、すごいですよ。これ、写楽を世に送り出して、それで蔦重は死んでしまうエンドなのか。もの寂しいが、これもまたひとつの終わり方であるなあ。そう思って葬儀のシーン、しみじみ読んでたら、そういうことか! やられましたよ! いやあ、このラストこそは粋ってやつだな。思わずニヤリとさせられましたよ。
『ご先祖様はちっちゃくてかわいい。』、最終回です。子孫の体を借りて、今の世の中を満喫するご先祖様。今回は現代の味覚、チーズクリームパンを食べたいと、美冬の体にとりついて購買に向かうのですが、ああ、ご先祖でも駄目ですか。まあ駄目そうだなあ。この人の海を左右に分けて見せる小野浦の存在感? カリスマ? ものすごい。小野浦、美冬の中に入ってるのがご先祖だって、気づいてくれたんですね。そしてここからのやりとり、美冬の友達を探している件で小野浦が私が友達にって申し出てくれて、しかもこの申し出を美冬がダイレクトに受けてしまうっていうハプニングが嬉しかったではありませんか。たしかに駆け足だったかも知れない展開だったけれど、きっちりとテーマを完遂して、しっかりと締めてくれたこと、とてもよかったと思います。美冬と小野浦の今後の関係も、描かれこそはしないけれど、きっと面白かったり初々しかったりと、楽しいものになるんだろうな。そんな予感をさせてくれるところも大変よかったと思います。
『偏食女子は恋でおなかを満たしたい』。前回のバレンタインフェアでの藤井とのやりとり受けて、アキがもう骨抜きってやつですよ。そうか、もらったチョコレートはちゃんと食べたんだ。って、そのちゅっちゅって! あまりの様子に、今野が母親気分になってますよ。チョコレートをもらったけど、あげるの忘れてたアキです。なのでホワイトデーにお返しすることになるんですが、面白いですね、男女逆転バレンタイン。バレンタインと違って選択肢の多いホワイトデーとかね、非情なお返しランキングとかね、次から次へとおかしい。最高でした。欲しいお返しの1位、いらないなんだ。アキの心の叫び、胸に響きましたよ。オーソドックスといっていいのかな、アキはマシュマロを選んだんですけど、そうか、この子、マシュマロが好きなんだ。意外! そして、ここからがとてもよかったと思います。藤井、まさかのマシュマロ嫌い! これも意外だった。だって、藤井って嫌いなものなさそうじゃん。一瞬の顔色の変化を見逃がさないアキがよかったですね。そして、苦手のマシュマロを食べやすくアレンジしてみせたアキね。ここにきて、ふたりの関係、負い目も嘘も無理もなく、すごくフラットに、イーブンになったなあって、いい感じじゃないかねってね、思ったんですね。ほら、後ろでお母さんも嬉しそうに見守ってくれてますよ。
- 『まんがタイムジャンボ』第24巻第4号(2018年4月号)
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