『まんがタイムきららミラク』2016年11月号、発売されました。表紙は『幸腹グラフィティ』。ああ、今号で最終回でありますよ。主要登場人物、おお、10人がそれぞれに食べ物持ち寄りまして、お重、お弁当、サンマにメロンにビールやらたくさん。真ん中のリョウの掲げるお弁当は、海苔にて書いたありがとうの文字ですよ。この表紙のにぎやかさ。これは、リョウが時間をかけて広げていった、人間関係の輪、それが実になった、そうした感慨ありますよ。
『城下町のダンデライオン』、素晴しいな、水着回ですよ。水着が素晴しいんじゃない。茜様、その美しさがまるで輝くようではないですか。アンジェリカも思わず寄り添う美しさ。アンジェリカさんも魅力的ですよ? でも、茜様のそれはよりいっそうの美を内包して、素晴しいなあ、素晴しいです、茜様。さて、今回はプールの授業。遥、アンジェを気にして足くじいたりしとるわけですが、そんな遥にね、いろいろ絡んでくる綾瀬さん。素直じゃない? いや、その行動はなによりも雄弁ですよね。しかし今回のメインはアンジェの感情の行方でありましょう。おぼれかけた茜様に、人工呼吸を勘違いしてキスでもって助けようとする。ああ、アンジェリカ! その気持ち、一度目覚めれば後は育つだけではありませんか! 茜様に複雑な感情抱くアンジェリカ。ああ、でも仕方ないですね。茜様が美しいのが悪いのですよ。
『幸腹グラフィティ』、最終回でしたよ。実家を離れることとなったリョウ。おばあちゃんの写真視点で旅立っていこうというリョウを描きましてね、この固定視点のドラマ。最初は会話に多少の不安もにじんでいたのが、明さんの気遣いがそれを溶かして、そしておばあちゃんの見てきたリョウのこれまでが描かれていくんです。生まれてすぐの小さなリョウ。育っていくリョウのその時々にあったこと、嬉しいことも悲しいことも、ただ淡々と綴られて、これが泣ける。おばあちゃん、リョウのそばにずっといたんだよ。そうしたこと思わせてくれて、そして一人暮らしとなったリョウも、全然ひとりなんかじゃないんだよ。友達の、きりん、椎名の思っていたこと、考えていたことが、リョウのそれに重なっていた。思いがけない、けれどきっといずれは迎えていたろう再会がかなって、ええ、この仲のよさ。近しさ。本当、この漫画の描いてきたこと、それが最後までばっちり表現されて、花開いて、素晴しかったです。
『しましまライオン』は、皆で海にいきますよ。これ、面白いな。前回神様からもらった水着。これ、拒否するんだ。凛奈とまこが断って、凛奈さん、ばっさりだ。ダサいもん。まこは、お尻のラインを隠したかったんだ。うん、これも乙女心でありますね。好みの水着を着たい組に、なんでもいい組。それに最後の、なぜか用意されてた組。それぞれの温度差が、ほんと、おかしくて、そして皆の海へと向かう、その途中の会話もとてもいい。電車にわくわく、海の生き物にわくわく。サメの存在を知って怖れたりね、海についてみれば、塩からい海の水に驚いてみたりね、ほんと、知らないこと一杯。そしてそれがまた楽しそうなんですね。泳げないいおんが、浮き輪に乗って海にプカプカなってるのが、なんかよかったですよ。まこから離れると、まこちゃん! まこちゃん! にゃーにゃーいって助けを求める。そうかあ、動物だったころは、水に入られると追っていけなかった。けど今はそうじゃないっていうのが嬉しいのかもなあ。そしてそんなふたりに水中から忍び寄る影! サメ!? いや、そんなことはあるまい。いや、これ、新菜さんじゃないのん? でも、きっと、大パニックの予感ですよ。
『ビビッド・モンスターズ・クロニクル』、もう、これ、めちゃくちゃ面白いな。なんだか街がにぎやかなんですよ。なぜか? イベントです! ギルド対抗戦。ギルドごとにチームを組んで、他ギルドと戦って一位を決める。でも、報酬目的に結構本気を出してくる。そんなイベント。キャロライン親衛隊は準備もしてないし、不利になりそう。でも、それでも出たいっていうんですね。しかし、めちゃくちゃ面白かった。NPCと思っていろいろ酷いこといってたら、GMさんだったりね、あんことチェリムがえらいこと焦ってるのがおかしい。そして最小要求人数の6人を満たすために臨時メンバーを募集したところ、き、きたー! じょそ、じょそ天がきたー! えーっ、このタイミングで再会しちゃうのか。まったくの予想外。って、チェリム、じょそ天と知り合いなんかー! じょそ天、†朝焼けの蒼天†って名前なんですね。でも、これ、若気の至りなんだ。今となったら結構後悔してるパターン? いずれにしてもおかしくって、それでもって牧場にて牛モンスター、モゥモゥ君を倒して牛乳をゲットするイベント。あんこ、チェリムの効率計算がおかしくって、なにがおかしいって、ボンちゃんがもうよくわかってない。いや、こういうの考えますよね。ガチないし慣れてる人間と、そうでない人間の差か! じょそ天のギルドチャット。ヒカリは非戦力。ガチ勢あんこに、観客の感想、キャロライン親衛隊、ひどい名前のやつ多いな、っていうのが極めつけで、たまらん、もう、本当におかしい。腹のよじれる、そんな展開。最高でした。
『魔縫deクチュール』、ゲストです。服飾のデザイン会社、la toileの前でうろうろしている女の子。不審者だなんていわれてますが、この人、いわば期待の星であるんですね。新しくやとわれることになったデザイナー。桃華なる人。有名なコスプレイヤーで、魔女っ子レイヤーの第一人者。そんな人がやってくる! っていうんだけど、店先でうろうろしてたこの人が、その桃華だったいうんです。本名は香月白菜。ええと、はくさいじゃなくてしろな。会社に提出していた写真はコスプレしている時の姿で、この時は気も大きく積極的に動けるんだけど、いったん私服に戻るとすっかり消極的になってしまう。最初なんて飛び込みの営業だと思われてたくらいですもんね。この人が、こういう性格になってしまった背景など語られて、けれど、ぬいぐるみに身をやつした社長さんの説得で、コスプレをはじめたころの気持ち、初心を思い出したんですね。なぜ魔法少女フリルの格好をしたいと思ったか、その気持ちを取り戻して、そして今ここに一歩を踏み出す。って、それはいいんだけど、これ、社長にうまいこと丸めこまれてますよね。ええ、社長、なかなかのやり手みたいです。
- 『まんがタイムきららミラク』第5巻第11号(2016年11月号)
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