2015年11月3日火曜日

『まんがホーム』2015年12月号

『まんがホーム』2015年12月号、昨日の続きです。

『宇宙ファラオ☆パトラちゃん』、これ、扉でカップラーメン食べてるのあ、本編にも関係ある絵だったんですね。冒頭のパトラちゃん。食玩の動物フィギュア。見ないようにして開けてるところね、なんかわかる気がします。なんか、見ると駄目になりそうな気がするんですよね。おまけつきお菓子とか、くじ引き、ガチャ、ゲームのドロップ、気にすると駄目なの出そうな気がするんですよね。でも、パトラちゃん、これ、箱になにが入ってるか書いてあるやつで、ああ、よく見よう! ということは、ペンギンは人気がなくて売れ残ってるってことなのかな。うん、そういうのあるよなあ。今回のテーマは、子供のころに集めていたもの。のあはカップ麺のフタとか集めてる。感想までちゃんと書いてる。これ、パトラ、ひどいこといいますけど、ワインのラベルで似たようなことやってる大人、いたりしますよね。最後のね、お母さんのね、子供時分を思い返して話してくれたこと。それも思い出になるんだっていう、そうした言葉、その時の表情、すごく雄弁で、ええ、しみじみと感じいるものあったんですね。

『敗者復活戦!』、おお、なんだかちょっと事件ですよ。ニーナと夕記の通う学校にて文化祭やってさいて、そこに奥様と月穂様がきてくださったっていうんですよ。と、本編はいる前にちょっと気になったんだけど、やる気ないから一致団結して不参加とか、ありなの? 許されるんだ。いい学校だなあ。しかし、なにが事件なのか。月穂サマと桑原先生がカチ合っちゃった? いや、そうじゃないんですね。夕記に連絡が入る。弟が怪我したらしい。というので病院に駆け付けるんですが、父は仕事で携帯がつながらない。成人の身内は叔母頼み。なんだか、あたふたとさわがしい叔母さんだなあ。という中で、夕記、頑張って、哀れなんていわれても、悔しい気持ちぐっと飲み込んで、大人の対応に徹して、その張り詰めた気持ちがですよ、夜、心配して電話をかけてきてくれたニーナの声を聞いたら溢れちゃうんですね。もう、ほんと、素晴しかったと思う。ニーナの健気さに、思わず涙でしたよ。

『マチ姉さんの妄想アワー』、もう、この一家、姉も兄も、とんでもないのが揃ってますね! 荒廃した未来から来たような格好の不審者って! それで集団下校って! しかも、これ、姉さんなのね! のっけから、無茶なインパクトにやられました。集団下校というリアリティ、こいつが効いてくるんですよね。そして本編。「カチカチ未来」、えらい続編がきたな! 微妙なイケメン化に、どこ層のニーズよ! しびれるツッコミ入ってますが、ほんと、これが未来の「カチカチ山」かあ。まだまだ我々の未来には可能性が広がってるんだ! 織姫と彦星、これね、天帝の仕打ちに対しムゴいっていう声あがってますけど、いやいや、いやいや、本来、ふたりが引き裂かれるハメになったのって、本来の仕事をサボってしまってたからで、だから現在のこの有り様見れば、天帝のこの判断も仕方ないですよね。いや、ほんと、やられた方はたまらんでしょうけど。キビ団子の真実も強烈で、ああ、この団子の依存性、こいつにイヌサルキジはやられてしまったわけか……。『鍋島の化け猫騒動』とかなんか懐かしくて、これもいい。微妙に、いろいろマイナーなものにまで手を広げながら、けれどこれがまた面白く、目の付け所がよいんでしょうね。ほんと、今回も光ってましたよ。

『凸凹ガールズ』、新人展拡大版です。ドジで恥ずかしがり屋の深沢亜菜。ああ、穴に入りたがるから、名前もアナなんですね。けど、恥ずかしがってるの、それ、しれっと流してしまった方が傷が浅くてすむと思うよ? いや、そういう冷静な判断できるんだったら、そもそもこんなことにはなってないとも思うんですけどね。そんな彼女と対照的な友人、目立ちたがり屋な彼女は大滝美咲。学校では、ふたりセットで凸凹ガールズって呼ばれてるとのことです。こうした対照的なキャラクター配置は、定番といったところなんでしょうけど、それだけにしっかりかたちが整うのが強いなあと思います。とそうしたところに、手近な穴を探した亜菜が美咲の鼻の穴に潜り込もうとするコマのね、美咲の心からの叫び、何が今だけだよ!! こうしたところにキャラクターが強く押し出されてきて、面白かった。定番や王道は、時にありきたりといわれがちだけれども、そこに独自の味、見せ方、キャラクター性が加わると、がらりと違ってくるんだな。そう思わせてくれるところあったのですね。

  • 『まんがホーム』第29巻第12号(2015年12月号)

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