2015年11月28日土曜日

『まんがタイムきららキャラット』2016年1月号

『まんがタイムきららキャラット』2016年1月号、発売されました。表紙は『GA — 芸術科アートデザインクラス』、教室に集うGAの面々であります。和らいだ光のもと、皆が楽しそうに課題に取り組んでいる? その表情は和やかで穏やかで、そしていつもみたく楽しそうで、これはいつまでも続いて欲しい、そう思えるしあわせな今であるのか、それともいつか懐かしく思い出す、ありし日の情景であるのか。なんてことを思ってしまったのにも理由があるというのですね。

GA』、次回、最終回! うわー! えらいことになったー! いや、いつかは終わる日がくると、それはさすがにわかっていたのです。けれど、このタイミングで、ああ、三年生の卒業をもって最終回になろうとは。驚いたのかも知れない。残念と思うのかも知れない。けれどそれは、同じく劇中でもよおされた卒業式、その日を経験する彼ら彼女らの感じていた気持ち、それに近しいのではないだろうか。などと思ったりもしたのですね。しかし、三年生、美術部の皆の情景、驚かされたり、切なくなったりと、やっぱりいろいろあったのですが、そこに関わりをもつ如月の、受け継ごうというもの、あるいは芦原の誰に渡そうかと迷っていたもの、その繋りの生まれるその瞬間が描かれようとするその直前のできごと、そこに辿り着くまでのこと、豊かに描かれていたと思われて、そして読み手である自分の気持ちもまた彼女らの気持ちの動きに誘われるようにして揺れ動いたと、そんな思いがしたのでした。次号、『GA』最終回! ああ、如月の、そしてGAの皆のその後はどうなる! いったいなにが描かれるというのでしょう。

『ブレンド・S』、今回は夏帆と麻冬が描かれて、なんだろう、面白いなあ。それにちょっとめずらしいとも思われて、いえね、麻冬さんがね、夏帆の勉強を見てくれるっていうんですよ。バイト先では、その見た目を最大限に活用して妹キャラを演じている麻冬さんだけど、プライベートだとちょっと大人っぽいアクセサリーなどつけまして、年相応のお姉さんだっていうところがですね、もうね、最高ですよね。コーヒーはブラック、シンプルなのが好きなのよ、そうしたところも大人の女性で、ああ、なんて素敵なんだろう。そんな麻冬さんのスパルタ勉強会。というか、夏帆が駄目駄目で、勉強に対する基本的なところとかね、まったくもってできてなくってね、それを指摘してくれるお姉様の素敵なこと。また夏帆もね、麻冬が自分のためにシフトの時間まで動かしてくれていることや、わざわざ時間を作ってくれていることを知って、頑張る、そしてちょっと憧れちゃったりしてね、そうした様子、本当に可愛らしくて、ああ、とてもいい。そして、そんな夏帆に対する麻冬さん、その笑顔も魅力的、最高によいエピソードでした。

『トモダチヅクリ』、ゲストです。高校一年生、犬見麻乃は、人付き合いの苦手さがたたって、友達がひとりもおりません。友達の作りかたがわからない。勇気をしぼって話し掛けにいくも、その表情、その物言いの物騒さが災いして、ちっとも結果につながらない。そんな彼女にできた友達。なんかちょっとずれた子? 涼野静。クール? な女の子。物怖じせずマイペースで、麻乃のことも怖がらず、いや、怖いとはいってたな。でもなんだか仲良くなったみたいで、って、静、ほんと変な子だな! 同じ学校、同じアパート。今後のふたりのつきあい、どうなるか面白そうですよね。絶対、静のペースです。

『ゆーま!』、ゲストです。これ、面白かった。出足はゆっくりめかと思ったら、いきなりハイテンションに移行して、学校で出会った白いゴリラ。UMAらしいんですが、驚いてあたふたしてたら、いろいろ親切に教えてくれたりする、いい人、いやさ、いいUMA。瑞穂ですね。この子の突っ込み、その畳み掛けるかのような勢い、とてもよく、そしてちょっとナンセンスなやり取り。DNAのなんたらの、みたいなネタもおかしくて、これ、地味ながらも結構いいなあ、なんて思ったんですね。

『ねこのペンも借りたい』、ゲストです。なるほど、マンガ学科。課題の締め切り目前にしたひかり、彼女にアシスタントとして紹介されたのがねこちゃんなる小さな女の子だったんですね。アシスタントだっていうんだけど、それっぽい働きをしてくれない。背景を手伝ってもらおうと思ったら、そこは見た目どおりの年齢レベルで、ちっとも役にたたない、まったくもって駄目かと思ったら、おお、ベタがうまいのか。なるほど、ぬりえが好きだから、って、ちょっと待って、その髪の表現、ツヤベタ、それ、ぬりえのレベルじゃないよ! ともあれ、ねこちゃんのおかげで原稿、締め切りに間に合いました。セリフが、ねこちゃん好みに書き換えられちゃって、それが皆に面白がられて、と、そうした落ちがつくんですけど、やっぱり肝はねこちゃんのいたいけさなんだろうって思ったんですね。

  • 『まんがタイムきららキャラット』第12巻第1号(2016年1月号)

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