『まんがタイムきららミラク』2016年1月号、発売されました。表紙は『桜Trick』、勉強している春香と優であります。というか、勉強してる、いやさせられてるのは優だけで、春香は教えている? そんな雰囲気なんですね。口もごもごさせて、なんか苦しんでる、悩んでる? 優に対し、なんだかすごく嬉しそうにして優のこと見ている春香の対比が面白い。ええ、春香、絶対優の様子見て嬉しがってますよね。
『幸腹グラフィティ』は明さんの運転で、初日の出を見にいく町子家の人々。母、緑と娘、リョウがちょっとギクシャクしていて、その和解にいたるまでの、いや、和解ではないな、最初から対立なんてしていなかった。ただ自分の気持ちを、本心を、相手に伝えることに怖れを抱いていた。けれどそうした不安を、初日の出が、そしてお婆ちゃんとの思い出が背を押してくれるようにして、払拭してくれた。あの、リョウの、これまで飲み込んできたネガティブな感情も、それでも決して消えることのない好きという気持ちも、全部、全部伝えることのできたその様子には、すっかり感情を揺さ振られて、ええ、とてもいいエピソードだったと思います。合間合間の料理の、食べ物のシーンもいいアクセント。母と娘の関係の、もろもろ、いろいろを物語る、下支えする、そんなところがよかったです。
『アンネッタの散歩道』、これはいったいどういう状況であるのか。いつぞやの女の子、ビビがアンネッタを訊ねてきましたよ。体調がすぐれないからと、心配してきてくれた。それでアンネッタと話していたところ、そのまま眠ってしまったアンネッタが自分の母と出会う。亡くなったはずの母と出会うというんですね。妖精を信じる、そういうアンネッタを連れ去ろうとやってきた黒い騎士、ここでアンネッタは、これもしかたがないと諦めようとしていたのか? しかしここでアンネッタに呼び掛けたものがビビとは、メイヴたちではなくビビとは、意外に思えたのでした。今、この話は、人の世界の物語として動いているのかも知れませんね。となると、メイヴはどうなる? 今、メイヴたちはどこでなにをしているというのでしょう。なんか、胸騒ぎがしますよ。
『モノクロお姉ちゃんの取扱説明書』、これは驚かされました。ええと、新作ゲストです。朝寝坊で、妹に世話をやかれている、そんなましろお姉ちゃん。できが悪いってことはないけど、できる妹ひかりに、家事からなにから助けてもらっていて、そんな凸凹姉妹の仲良いほのぼの生活、その日常が描かれます。だと思うじゃないですか。いえね、ちょっと気にはなっていたんですよ。モノクロお姉ちゃんというけど、名前はましろ。妹もひかり。黒の要素が出てこないなあって、ずっと思ってた。友達の名前もそう。ひかりの友達のはなちゃん、この子がその欠けている黒の部分なのかな? とか思っていたんですが、どうも弱いなあ。と、そう思っていたら、ラストでまさかの事件! 一足飛びだよ! でもって加えて、ましろを刺したのはだぁれ? なんと、この子はくろなお姉ちゃん。ましろとくろな、ふたつの人格が混在している。というか、人? いやもう、最後の最後に謎を投げ込んできましたね。もうね、すっかり混乱、してやられたー! って気分ですよ。
『はーどわたはーと』、ゲストです。この人の絵、覚えがあるように思う。そうだ、そうだ、『トルネードよんじ』の人だ。あの、真ん丸の目とか可愛いですよね。でもって、デフォルメされた時のやたら縦長になるあの目なんかも可愛らしい。ええ、覚えています。冒頭からヒロインの自己紹介。手芸部に入った理由は、コスプレイヤーとしての研鑽積むため! みたいなこといってるの、全部ひとりごとなのか! でもって、あの扉連打! いや、気持ちはわかるけど、扉はやめよう! すごい音だよ! この子、三猫りぼん。ぱっつん前髪が可愛いなあ。そんな彼女を部室に迎え入れたのは、広場ケイト。部室には、高根まち、橙ぼたんと部員が揃っていて、部長のぼたんがドンドンいう音のこと心配して、りぼんに声かけてくれたり、ええ、いい人なんですね。ケイトもいうように、叩いてたん、本人なんですけど。りぼんの、あんなに練習していた入部の理由、どうにも話せなくて、それでホラーめいた説明が飛び出すとか、こういう飛躍といいましょうか、インパクト、いいですよね。まちにケイトの入部した理由語られて、ああ、この部にまともな人はぼたんしかいないのか。いやもう、ぼたん、可愛いものな。海のように広い心。部長のこの広い心でもって、個性的な、ええと、えらいテンションの部員たちを包みます、そんな漫画っぽい感じですよ。可愛くってノリもよくって、いい感じに振り回してくれそうです。
- 『まんがタイムきららミラク』第5巻第1号(2016年1月号)
0 件のコメント:
コメントを投稿