2023年9月23日土曜日

『まんがタイムきららMAX』2023年11月号

 『まんがタイムきららMAX』2023年11月号、一昨日の続きです。

『ギャルとネクラの吸血関係』

いよねに声をかけた影出ゆうのなる人物。その名前からするに、陰口をきく人なの!? なんだかいよねが警戒して逃げ出すのもわかる、と思いきや、最後まで読むとわかるんですね。そうか、まったくの誤解。いや、過去のゆうのが素直になれなかったがためのすれ違いとでもいうべき関係であったのですね。

しかし今回は中学時代のいよねについて語られて、いやいや、地味だなんだっていわれてますけど、可愛いじゃないですか! そうか、まくるへの共感、それは彼女自身の過去、それが大きかったんだなって強く意識させられた過去話。それだけに、まくるのいよねへの感情の高まり、それもしみじみ共感させられるものあって、ああ、まくるはいろいろしくじるけど、言葉選びとか、でもいよねのこと、本当の本当に親身に感じている。そしてそれはいよねがまくるに向ける気持ちあってのことなんだなって思わされたのでした。

最後に解けた誤解。素直に謝ってくれたゆうのと、かつて思っていたこと、本心が語られて、ああ、わだかまりもなくなりましたね。まくるはちょっと空回りみたいになっちゃいましたけど、その頑張りはちゃんと評価されて、ええ、まくる、とてもよかったですよ。いよねへの思い、しっかり伝わっていました。

『マグロちゃんは食べられたい!』

なぎさとの意思疎通が失敗して、姿を消したカジキ。それを受けて調子を崩しているなぎさですが、それでもあえてカジキの意思を尊重しようとするなぎさ。それはそれで正しい振る舞いかもはしれないけれど、あのいきさつを垣間見た読者としては、決して正論的な正しさだけが正解ではないなあと思わざるを得ないのでした。

そして、同じくドライなまぐろ。あまりに人情に欠ける言動に、人の心はないのかと怒るみさきですけど、人じゃないんだよなあ。やっぱりまぐろに関しては、他の子たちよりもより一層に大きな隔り、感情や文化のギャップがあるように感じる。この攻略はなおも難しそうだぞ、そう思わないではいられない一コマでありました。

さて、カジキについて、なんとか探そうと動きはじめるみさき。さしみにも協力をあおいで、そしてなぎさの説得。サンマを七輪で焼きながら、自分の感じてきたこと、それを伝えていく。そしてついに引き出されるなぎさの本心。正論的正しさとは別に存在する、彼女自身の感情、カジキへの思いがにじんで、ああ、これは胸に迫ります。今まで、こうした意思と感情のアンビバレス、経験してきたりしなかったのかな。だとしたら、持てあましてあまりある感情の大きさ、扱いづらさに苦しんだことだろう。

それだけに即断行動のみさきの存在、どんなにか頼もしく思えたことだろう。ええ、なぎさ、この一件をもって、ひとつ先へ進めそうですね。

『白魔導士はゾンビの夢を見るか?』

研究所跡に現れた巨大尾つきゾンビ。以前遭遇した尾つきとの経験で、これも俊敏な動きを見せるのではないか? 警戒するジジでありますが、よかったこいつは動きがゆっくりそう。しかも注意力も散漫で、ちょっと物陰に隠れれば簡単に見失ってくれる! と思ったら、嗅覚が優れとるのか!

戦うことは決まっても、いかにして攻略するか。逃げ場がないと思われたドームから、隙をついてそのまま走って逃げられたのは僥倖! けれど問題はここから。戦うと腹は決まった。あとはその方法だけ!

自分の運のよさに賭けるアヤが頼もしいといっていいのか、あるいは逆に不安にさせるといっていいのか。自分を囮にして、灯台に登ったリルーのもとに尾つきゾンビを誘導。巨体の頭部狙いでレサナを使うという作戦を決行。しかし、緩慢と思われた尾つきが、まさかこんなに俊敏に尾で攻撃してくるだなんて!

アヤ、あわやという事態に追い込まれ、これどうすればいいのか、もう逃げ場はないのか。そこでついに動き出したトモリン。ああ、これまでずっと抱いてきた罪悪感や後悔の念もすべて、この思い切った行動をきっかけに、レサナの光とともに消えさればいい。そう思わせてくれる、名シーンだったと思います。

その場にいたひとりひとりが、自分にできることを精一杯やってみて勝ち得た結果でした。薄氷を踏む、そんな思いもしたけれど、これが皆にとってこの世界を生き抜く自信になればと思うばかりでした。

いや、それで、あたし運良いから! とかいいだすと心配なので、自信もそこそこにしていただきたく思ったり!

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