『まんがタイムきらら』2023年10月号、一昨日の続きです。
『星屑テレパス』
文化祭の準備に追われている海果たち。部活の展示かな? と思ったら、ダンボールには1-Aと書かれていて、ああ、クラス展示ですね。なにやら代々A組に受け継がれている企画があるそうで、それは貸衣裳スタジオ。毎年、少しずつ衣装を増やしながら綿々と続けられてきたというんですね。
しかしなにが面白いって、やる気まるでなかった瞬がですよ、ガンバリオンのパーツが出てきたとたんに目の色変えるところですよ。今あるのは両手両足。頭部と、それからボディもないのかな? これ、今年瞬が完成させる流れでは? いやもう、絶対完成させねばおさまらないでしょう、彼女なら。
クラスの企画にノリノリで取り組むユウ。対し海果は部活に力を入れるのだそうですよ。ロケ研は展示をやります。いい場所がとれました。海果は運がよかった、たまたまじゃんけんで勝てたからというのですが、先生はちゃんと知っている! 皆がこれまで積み上げてきた実績、それが評価された結果でもあると!
海果たちのこれまでの歩み、成してきたこと、それが今ここに一望できる、そんな場ができようとしているのですね。彼女たちの紆余曲折、そして懸命に取り組んできた足跡、それを知る私たちにとっても、これは感慨深いものとなりそうで、ええ、文化祭、どうか成功裏に終わってほしい、そう願う気持ちがわいてくるというものですよ。
『スロウスタート』
花名たちのバイトエピソード。まずは学校に申請をして、それから履歴書を作成して……。履歴書にはなにを書こう。書ける資格などあるだろうか。そうした和気あいあいとした空気が、一瞬で凍りつく感覚! これにはしたたかやられました。
綴が気づいたんです。花名の生年が1年違ってることに。
一瞬ひるんだ花名。事実を知るものの間に走る緊張感。とっさにたまてがごまかそうとするも、花名が毅然と答えるんですね。病気が理由で浪人していた、と。
そのことに気持ちが溢れてしまう栄依子がまたよくて、この子もずっと花名のことを気にかけてきたんだ。それを自身知ることになった今回のできごと。花名の成長が描かれたとともに、栄依子、この子の気持ちのすこやかであることも同時に描かれたと思わされて、ええいああ、栄依子にもらい泣きでありました。
しかし、皆いい子ですね。こうして屈託なく、つらかったこともかつて重荷だったことも、一緒に乗り越えて、今や普通に話せるようになった。そしていつしか、笑って話せるようになるのでしょうね。
『けいおん!Shuffle』
文化祭でしなのたちに勝ちたい。そのためには新曲だ、というので歌詞の案、そのタネとなる発想を皆からもらおうとする紫です。でも皆の反応がかんばしくなく、というか三者三様、恥ずかしがって書けなさそうにしてる子がいると思えば、思いの丈をこれでもかと書きまくりそうなのまで。とにかく極端なんですね。
紫にリサからの電話です。歌詞のこと、自分なりに考えてみたというのだけど、まさかそこからデートしましょうとのお誘い。よくわからないままにリサとの待ちあわせに向かえば、遅刻で、ファッションのダサさで次々減点食らうハメに!
その後も減点食らっていくんですけど、これ、0点になったらどうなるのか!? そもそもリサの意図はどこにあるのか!? わけわからなくてパニックになってる紫が面白くて面白くて、と思ったら、最後にちゃんとリサの心を掴んでるんですね。
リサがあえてデートという言葉を選んだその理由、ちょっと知りたいですよね。いつもどこか謎めかして、はぐらかして、本心見えなくしてしまうリサだけど、そうした行動の向こうには知られたくて、でも知られたくなくて、そんな複雑な気持ちがありそうなんですよね。
今回のデート、実はわりとリサは本気だったりしたのかなあ。みたいなこと思わされたんですよ。
- 『まんがタイムきらら』第21巻第10号(2022年10月号)
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