2023年9月11日月曜日

『まんがタイムきらら』2023年10月号

 『まんがタイムきらら』2023年10月号、昨日の続きです。

『かみねぐしまい』

榊姉妹の願いを叶えて、母のもとに帰れると思った神様。しかし、ズルはだめとたしなめられてしまっていまだ戻れずにいるのですね。それで神様によぎったのが、母は自分のこと好きじゃないんだろうか。会いたくないんだろうかという思い。

こんなの、まったくの思い過ごし。母様はきっと神様のことちゃんと愛していますよ。とはいえ、まだ小さな子だもんなあ。そう思ってしまうのもしかたがない。いや、それなりに長く生きてるんでしたっけ? ともあれいろいろもやもやを抱えてしまっている神様なのでした。

そんな神様の悩みを解消してくれたのが、ツギノとまえなのお母さん。仕事に必要なリストを家に忘れてしまって急遽帰ってきたお母さんが出会ったのが、見知らぬ子、神様。友達じゃないし名前もない、そういわれて、事情もひととおり聞かされたとはいえ、普通に神様という説明を飲み込んだお母さんは本当にすごいな!

そして、自分への母の愛情を疑う神様の相談に、気持ちを寄せて親身に答えていくその姿勢。それがとてもよかったんです。暖かみあって、包容力あって、ああ互いにいがみあいながらも、根はよい子に育っているツギノとまえな、その背景はこれなのかと思わされました。ふたりともに母大好きとわかる今回のエピソード、その競いあうように母の役に立とうとするところとかね、ふたりはまだまだ子供なんだなと思うと同時に、それくらい母が好きなんだと微笑ましかったです。

『一畳間まんきつ暮らし!』

芽衣子、決断したんですね。コスプレイヤーになる!

それで皆が想像したのが着ぐるみだったりするところに、オタクから見てオタクらしからぬ芽衣子への皆の評価なんでしょうね。なかなかオタクがするところのコスプレと思ってもらえないチグハグなやりとり、面白かったですよ。

芽衣子の自分語りがよかったんです。家族のため、下の子たちのために頑張る、それが自分のしあわせだと思ってきた芽衣子だけれど、水織の言葉にいろいろと繋がった。それは、下の子たちを羨ましく思っていた自分の気持ち。自分のやりたいと思ってきたことを、下の子たちにすることで自身を満足させてきたのかと納得いったというんです。

これまで人に、周囲にしてきたことを、自分のためにやってみたい。服を、小物を作って、自分自身を飾りたい。その思いの芽生えた経緯に、姉妹愛あり、自分自身の発見あり、厚く豊かな感情の広がりを感じたのですね。

と、いい話はここまでですか!? あらぬ姿を晒す梨絵です。いったいなにがどうしたのかというと、芽衣子のコスプレを想像していたという。その想像の広がるところ! それもこれも、いや立派に見事に素敵でありますけれど、囚われの逆修道女、それは、それはアウトではありませんか!?

いろいろとアレなところもありましたが、方向性はまだ定まらぬまでも、夢の向かう先は決まりました。あとはどのように歩みはじめるのかというのがこれからのお話。これは面白くなりそうです。

『ほぐして、癒衣さん。』

富美子、いよいよピンチなのではないでしょうか。この事実を知れば、もう立ち直れないかも知れない。なんてことをいっていました。

いえね、癒衣と夏鈴が一緒に暮らすという話ですよ! しかしいかにして富美子がその事実を知るにいたるのだろう、なんて思っていたら、なんというスピード展開でありましょう! 今回開幕早々に、劇中時間でいえば翌朝出社した時点で気づいたっていうんだから、すごいな富美子。それとも女性とはこうしたものなのでしょうか。夏鈴のシャンプーの匂いがいつもと違う、いや癒衣のそれにおなじと即座に気づいて、即行動、夏鈴にそれとなく聞き出してみるっていうんです。

いやあ、やりますね。さすがですよ富美子さん。けど2度のダウンで完全KO。大丈夫かな、立ち直れるかな? ああ、よかった絶望ぎりぎりではあるけれど、再起不能まではいっていない。むしろ自分もなんとか癒衣の家に泊まり込めないものかと策を巡らすだけの余裕があるじゃありませんか!

しかし富美子、すごくいい人だと思います。一度は泊まる口実をでっちあげてでも癒衣の家に転がり込むつもりであったのに、それじゃ自分自身を嫌いになってしまう。自分にプライドがあるんですね。かっこいい女性ですね。嘘を撤回して、たとえ苦しくともここは身を引いたというんですね。

富美子、不憫な人だと思います。思いの通じぬ、そんな苦しみを抱えた人だと思います。けれど、それでもしっかり自分の足で立って、癒衣に恥じない自分であろうとしている、そんな素敵な人だと思った。ええ、今回は富美子のよいところがたくさん出ていたと思いますよ。

引用

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