『まんがタイムきららフォワード』2023年11月号、一昨日の続きです。
『異世界サウナへようこそ!~ルナちゃんはととのいたい~』
異世界温泉でも人気のお風呂。スライム湯に異変が。スライム族からの人気がために、スライムのお客が増え、スライム成分が増えてしまったんですね。とろりからどろりに変わってしまったお風呂。べたべたする感触のため、他の種族には向かなくなってしまった。加水するだけでは解決しない。だからといって、スライム湯を撤去するのも望ましいとはいえない。
ちょっとした選択が迫られる事態になっているんですね。
今回はその顛末、解決にいたるまでが描かれました。スライム湯の異変は、多種のスライムの成分バランスの問題だった。それがうまくケアされて一件落着なのだけど、その解決の道筋が、スライム湯をどうしようかというところからではなく、お客様がなくしてしまった大切な指輪、それを探そうと奮闘した結果というのが面白かった。
ひとつことに注目するのではなく、別の方面から協力を取り付け、それが結果的によい方向に向かわせる。この協調にいたる流れもまた、皆の人のよさが見えて大変よかったと思ったのでした。
今回は、この協調や協力、異種族間の相互理解もまたテーマだったのでしょう。素敵なエピソードでありました。
『高瀬さんはドル活に夢中です』
高瀬とみく、ふたりのそれぞれに抱えていた問題、解決に向かう流れができてきましたね。今回はまずみくから。高瀬と話すことで、彼女の中のわだかまりや鬱屈、そうした感情が整理され、なくなっていくところ、大変によかった。POPいやさ江田の争奪が目的ではないというのもわかって安心。むしろあまりにPOPに入れ込んで、踏み越えてはならないラインを越えようとしていた自分に気づけたんですね。
そして今度は高瀬のターン。江田がPOPと思ったから高瀬は固執していたわけではない。むしろPOPとは無関係に、江田という人が気になっていることを、みくが確信にいたった今回。その意識の延長線上に、今まさに高瀬は立っていて、ドール趣味も大切、POPのことも重大、けれどそればかりではなく、江田という人について考えてばかりいる。
ついにそうした感情に気づいたか、高瀬さん。だとしたらその次の動きはどうなる。今、ぎくしゃくしてしまっているふたりの関係は、どのように落着するのだろう。願わくば、双方しあわせになれる、そんな展開があればと思うばかりです。
『しゅがー・みーつ・がーる!』
カンナと美都、ふたり、約束のホテルビュッフェへと趣きます。はじめての休日デート。カンナもしっかりめかしこんで、そして現れた美都の私服のきらびやかさといったら。でもカンナも負けてませんよね。マニッシュなカンナ、フェミニンな美都。すばらしくバランスのいいカップル。素敵なふたりでありますよ。
ホテルビュッフェでは、いつものごとく、カンナが美都の分のミーツを、美都はカンナのためのスイーツをとってくることになるのですが、なにを取ってきてほしいと詳細に打ちあわせたわけでもないのに、相手の好みを考え、ぴったり望みのものを揃えてくれるというのが素晴しかったんですね。カンナも美都も、これまで一緒の時間を過ごしてきた中で、相手の好み、嗜好、いろいろがわかるようになってきている。この互いにわかりあってきているというのが、とてもよいステップになっていました。
そして終盤のこと。わかったつもりになっていた美都のことだけど、全然わかっていなかった。これまでをかけて積み上げてきた前提がくつがえされて、それがカンナにまた一歩先に進ませるための原動力になる。ふたりの関係が、これまでどおりのものではなく、さらに深化することになる、そのターニングポイントとなった今回でした。また美都の側では、若干トラブルを予感させる着信があって、ああ、この休日の内緒のお出かけは、ふたりにとって大きなイベントとして振り返られるものになりそうな予感がしています。
- 『まんがタイムきららフォワード』第17巻第11号(2023年11月号)
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