『まんがタイムきらら』2023年10月号、発売されました。表紙は『星屑テレパス』。これは中秋の名月ですね。秋の月夜、月を望むユウと遥乃ふたりであります。見返り美人といっていいものでしょうか。ともに着物姿で、落ち着きあるその装いは美しいという言葉が一番に出てくる、そうした雰囲気が素敵です。着物の柄もまたいいですよね。ユウは鶴、遥乃はウサギ。可愛くもあり、そしてやはり美しい。はっとさせられるようなよさがあります。
今月は新規ゲストが2本です。
『左利きと虫眼鏡』
登場人物は可愛いのに、なんという世界観。女子高生探偵、鏡有子が突然見舞われた不幸! 事務所にやってきた女子高生に腹部を刺されてしまう! というのですが、平気の平左やんけ! 加害者は弓手つるぎ。ここしばらく、街を騒がしている連続殺人事件の犯人。でも特に問題にしない。というか、謎解き優先で向こうからやってきた現行犯には興味がない。
なんという世界観だろう。登場人物が不穏すぎます。
有子とつるぎの対決ものになるのかな? ホームズとモリアーティ、明智小五郎と怪人二十面相といったように、探偵とその最大の敵、といった対立関係になるのかと思いきや、腹を刺されながらもなんら気にとめることもないまま、目の前で起きた毒殺事件をともに解決、というかほぼつるぎが解決してるよね? むしろ有子は役にたってなかったことない?
かくしてつるぎはかがみ探偵事務所の即戦力に。というのですが、むしろ助手として働きながら有子を殺害するチャンスを狙うというやっぱり物騒な展開に。でもなあ、腹部刺された上にろくに手当もしないまま平然としてる相手だよ? きっと殺害は無理なんじゃないかと思う。有子だけちょっとカテゴリー違いの世界に生きてるんだと思います。
『おうまトリップ』
キャンピングカーで各地を訊ねる女子4人。四谷このみとその姉りこ。そして友人の牡丹天音に播州ネル。それぞれに異なるテーマを持つこの子たちが今回やってきたのは滋賀県琵琶湖であります。
グルメ目的のこのみ発案で土地の名物を食べようということになるのですが、滋賀の名物……。鮒鮨? いや、なんとちゃんぽんを食べるというのですね。って、それ長崎では!? と思った私がうかつでした。なんと、滋賀県名物にちゃんぽんあるのですか! 近江ちゃんぽんというらしい。知らんかった……。世の中、知らないことがいっぱいです。
白髭神社の湖中大鳥居にやってきた皆。琵琶湖に足だけつかって写真撮影。そして人魚とかいたらという話になるのですが、心霊趣味の天音が出してきた絵図ってのが妖怪の類で、いやまあ日本で人魚というとこうなるのか。
おいしいもの食べて、そしてちょっとした怪奇話で肝を冷やして、そして最後に再び食事で幕を下ろした今回。隣県滋賀の知らない側面を知ることができて、大変楽しみましたよ。
- 『まんがタイムきらら』第21巻第10号(2022年10月号)
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